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【特別企画】

5人の評論家が語る、ウィーン・アコースティクス「リスト」の魅力

公開日 2014/12/17 10:46
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ウィーン・アコースティクスより、“ピアノの魔術師”フランツ・リストの名を冠した最新の中核モデル「LISZT」が発売され、大きな話題を呼んでいる。革新的なフラットスパイダーコーンを備えたハイエンド・モデルとして登場した本機は、フラッグシップ・モデルである「THE MUSIC」をコンパクトにしつつ、かつて無いほどの超ハイスピード・ハイレスポンスと、位相のずれのない緻密かつ豊かな音の広がりを実現。全く新しいハイエンド・スピーカーとして注目を集めている。

Vienna Acoustics The Imperial Series「LISZT」スピーカーシステム ¥2,000,000(ペア)

オーディオアクセサリー誌でも、今年の夏号では詳細なレポートを、そして秋号では山之内 正氏によるウィーンの本社訪問記事をお届けし大きな反響をいただいた。そして「オーディオ銘機賞2015」では見事「銀賞」を受賞することとなった。

そこで、今回の記事では銘機賞の審査委員であり「LISZT」の実力を高く評価する5人の評論家が登場。それぞれに「LISZT」の魅力をたっぷりと語っていただいている。ぜひともご参照いただきたい。

「LISZT」のカラーはチェリー、ローズウッド、ピアノブラック、ピアノホワイトの4色が用意されている

【SPEC】 ●形式:バスレフ3ウェイ5スピーカー●ユニット:17.8cm X3Pスパイダーコーンウーファー×3、3.0ハンドクラフティド・ネオジウムシルクドームトゥイーター、15.0cmネオジウムフラットスパイダーコーンミッドウーファー●周波数特性:26Hz-25kHz●感度:91.0dB●インピーダンス:4Ω● 推奨アンプ出力:50 ~400W●サイズ:300W×435D×1250Hmm(スパイクスタンド含む)●質量:36.5kg(1台)●取り扱い:(株)ナスペック


上部エンクロージャーに配置されたフラット型のスパイダーコーンミッドウーファー。高剛性・超軽量に仕上げられた3種類のポリプロピレンが合成された独自の高機能樹脂「X3P」と、グラスファイバーを混合した素材をユニットのコーン部分に使用。さらに強度を上げるため放射線状に伸びる蜘蛛の巣状のリブというユニークな手法で補強している。ネオジウム・マグネットと大型50mmのボイスコイルにより強力に駆動

上部のエンクロージャーは下部のエンクロージャーとアルミ軸受け接続により完全分離。水平方向に可動し、部屋のコンディションに応じたチューニングが可能


フランツ・リストの肖像が刻印されたLISZTのリア部。ターミナルは信号経路をシンプルにするためシングルワイヤリングを採用。スペードとバナナ端子対応

独自に開発・デザインされたウーファーユニット。ミッドウーハーと同じく蜘蛛の巣状のリブが特徴。高い制動性により、パワーとスピード、繊細さを兼ね備えている



藤岡 誠
Makoto Fujioka

音楽的な情報量がたっぷりとあり
分解能、透明度、空間再現も格別



藤岡 誠
今年も、高級スピーカーシステムの中に特に注目すべき製品が幾つかある。1988年に創業したオーストリアのVienna acoustics(ウィーン・アコースティクス)の新製品「LISZT(リスト)」もその一つ。「オーディオ銘機賞2015」では「銀賞」を受賞した。今後、高級ファン層を中心に注目度が高まるだろう。価格は¥2,000,000/ペア(税抜)。

さて、製品写真を見て「何となく記憶に残っているカタチ?」と思う方もおられよう。トップモデル「THE MUSIC」(¥1,600,000/1台)のデザインイメージを引き継ぎ、ユニットにも類似性があって記憶に残されているのだろう。要するに本機は、THE MUSICをベースにダウンサイジングと低価格を実現させたシステムなのだ。

ポイントは、THE MUSICに採用された特許取得“フラットスパイダーコーン”の中央に3cmトゥイーター(シルクドーム)を配置して250Hz~25kHzを担当する15cm同軸2ウェイユニット(クロスオーバー/2.6kHz)を設置したことと、このユニットを本体上部の独立キャビネットに収容し、これもTHE MUSICと同様に左右方向の角度調整が可能できるということ。聴取位置での定位と空間の再現性を一層に高める。ウーファーは17.8cm口径を3個並列駆動。振動板は勿論、スパイダーコーンである。バスレフのダクトは上部キャビネットに1つ、下部本体に2つ。そして本体は高さ調整可能な大型スパイク機構で仰角の調整も可能。その上で一般的なトールボーイ型と比べ転倒に強く、地震国日本ではこの点にも注目したい。

音質・音調は、オーディオ的情報量が十分あって、それ以上に音楽的情報量がたっぷりとあるから音楽ジャンルを問わず表現が刹那的にならず、安らぎがある。クラシック系、ジャズ系も高精度でウェルバランス。分解能、透明度。空間再現と定位も素晴らしい。

次ページ貝山知弘氏のインプレッション

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