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デノンならでの“気配り”にも注目

サウンドと装着感にこだわり満載、デノンのポータブルヘッドホン「AH-MM200」レビュー

公開日 2015/02/23 13:03 山本 敦
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『サタデー・ナイト・フィーバー』のサウンドトラックから、ビージーズの「How Deep Is Your Love」(CDリッピング)では、冒頭のローズ・ピアノの和音とコーラスがシームレスにつながって、耳の奥深くが優しいハーモニーに満たされていく。中低域のアタックと量感は、アウトドアリスニングに最適化されているのか、少し強めに感じられるところもあるが、メリハリの効いたリズムの正確さとバランスがかえって心地良く、軽やかなビートに身体が自然と反応してしまう。それは静かな室内で聴いても違和感はないほどのバランスだ。

AH-MM200のブラックモデルとホワイトモデル

もう一曲、きゃりーぱみゅぱみゅの『もしもし原宿』から「PONPONPON」(CDリッピング)では、低域がだぶつくことなくアスリートの筋肉のようにタイトに絞られたリズムを刻む。ボーカルのエネルギーもガツンとストレートに伝わってくる。打ち込みの音も余韻をたっぷりと伝えながら、アレンジの細部までビビッドに描く解像力の高さを持ち合わせている。

折りたたんで付属のポーチに収納

ところで、本機をアウトドアで試聴してみると遮音性がかなり高いこともわかる。音楽に深く集中できる良さを満喫するためにも、屋外で歩きながら使う時には周りの安全に十分気を配って使いたい。



ライトウェイトで小回りの効くハンドリングと合わせて、MUSIC MANIACシリーズの快活な末っ子というイメージが浮かんでくるが、言うまでもなくサウンドに一切の妥協は感じられない。総じてフラットバランスでありながら、音楽のエッセンスを力強く弾き出してくる。真面目に良質なヘッドホンをつくり続けてきたデノン普遍のポリシーは本機にも貫かれている。本機は決して“マニアのためのヘッドホン”ではないが、本機に出会ってしまったがために、音楽とヘッドホンにのめり込んでマニアになってしまった、ということは十分に有り得るだろう。危険な魅力を持ったプレミアムヘッドホンだ。

(山本 敦)

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