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【特別企画】「3倍・4倍の価格帯で通用する」クオリティ

AVINITYの上位グレード「REFERENCE CLASS」をレビュー - “驚異のコスパ”を実現したオーディオケーブル

公開日 2015/03/06 11:00 井上 千岳
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■確実に3倍4倍の価格帯でも通用する製品クオリティ

実際AVINITYの製品は、決して高額ではない。しかしそのパフォーマンスは、確実に3倍4倍の価格帯でも通用する。それがつまり量産効果というもので、例えば同じケーブルを100m作るのと1万m作るのとでどれだけコストが変わってくるだろうか。ものにもよるだろうが、10倍ぐらいの開きがあってもおかしくないのである。AVINITYの生産規模は、こうした量産効果を発揮させるのに十分なサイズと言っていい。

それが端的に表れた一例として、オーディオケーブルを挙げることができる。特にRCAケーブルを見てみよう。これは今回紹介するREFERENCE CLASSとも大いに関連のある事柄である。

■まずはスタンダードクラスのラインケーブルのサウンドを改めて確認する

念のため、すでにラインナップされているスタンダードモデルについても触れておこう。ラインケーブル「AY-RCA-ST」は大変丁寧な仕上げで、プラグもおそらくオリジナルだろう。デザインのいい無垢のメタル製で、端子部には金メッキが施されている。ケーブル本体は導体に純銀コートのハイパフォーマンスOFCを採用し、これを同軸とした構成だ。そして極薄アルミの二重シールドに高密度編組も加え、三重という厳重なシールド構造を持たせている。

スタンダードモデル「AY-RCA-ST」(手前)と、今回の主役である上位モデル「AR-RCA-ST」

純銀コート線といい三重シールドといい、普通なら最上位シリーズに使用する構成である。それをほとんどエントリークラスといえるような価格帯で採用できるのは、それだけのコストがかけられるからだ。同社ほどの規模があって初めて可能なことである。

その再現性もクラスをはるかに超えている。レスポンスに凹凸がなく、位相もきれいに揃った音調で、出方が非常にナチュラルだ。棘や歪みが感じられず、クセや誇張も皆無といっていい。

■さらに贅沢な新ラインアップ“REFERENCE CLASS”

新しくラインアップに加わった“REFERENCE CLASS”は、価格だけでいえば従来の2倍近いものになる。それでも一般的なハイエンドケーブルに比べればずっと手頃だが、AVINITYとしてはさらに贅沢な内容を持たせて上位モデルとしての特質を明確にしている。これも普通なら、このコストで盛り込めるものではないはずである。

RCAラインケーブル「AR-RCA-ST」

シリーズはRCAラインケーブル、同軸デジタルケーブル、それにフォノケーブルの3種で形成されている。基本的な構造や材質は同様のようだ。導体にはPCOCCを使用し、純銀コートを施している。PCOCCだけでもハイコストな選択だが、これに銀コートを加えることによって高域の電送特性はいっそう向上する。高域信号は導体の表面を通る傾向が高いからだ。単に表面だけのことのように思われがちだが、銀コートにはそれだけの意味がある。

デジタルケーブル「AR-COAX-DG1M」(¥12,000/1m・税抜)

フォノケーブル「AR-PH-0.73M」(¥25,000/0.73m・税抜)

ケーブル構造はここでも同軸である。そして極薄アルミや高密度編組などによって、実に五重という強力なシールドを施している。

デジタルケーブルも同様。ただし特性インピーダンスは75Ωにきちんと維持されているはずだ。またフォノケーブルはDINタイプではなく、両側ともRCA端子でアース線が別に装備されている。RCA出力のトーンアームや昇圧トランスなどに使用する。

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