[連載]高橋敦のオーディオ絶対領域
【第118回】萌えろ!VUメーター 〜音楽を“目”で体感する素敵アイテムを語りつくす
■萌えろ! VUメーター
…なのだが、そういうのは録音する人たちの話であり、我々オーディオファンとしては録音レベルを監視する必要などないので、VUにせよピークにせよメーターに実用的な存在意義はほとんどない。80年代とかまでならカセットデッキでの録音にはメーターが必要! とかはあったかもしれないが、いまやもうそういうこともない。実際、VUメーターを搭載するオーディオ機器は希少な存在となっている。
だがしかし、実用的な意味とかなくてもいいよね? 趣味の話なんだから。ここはラックスマンのハイエンドパワーアンプ「M-700u」の機能紹介文から引用させてもらおう。→「大型針式メーター:音楽の躍動感を耳だけでなく目でも体感できるよう、大型の針式メーターを採用」
実用機能的な意味合いの説明一切なし! これだ! これでいいんだ! これこそが「趣味性」だ! 実用的にはメーターなんてもう不要→じゃあ実用性なんて考慮せず雰囲気重視でメーター付けようぜ→だったらピークメーターよりVUメーターだよな! 的なやつ! 燃える! そして萌える!
というわけで僕はVUメーターを搭載したオーディオ機器が大好物なのだが、しかしまあ実用的な意味が薄いことは事実なので、搭載例は前述のようにいまやかなり少ない。そこで今回は最後にその貴重なVUメーター搭載オーディオ機器、僕の琴線に触れる製品をピックアップして紹介連発! VUメーター搭載オーディオの盛り上がりを図りたい。
ただし、オーディオ機器に搭載されているこういったメーターは厳密には「VUメーター」ではない場合も多い。ざっくりと「針式メーター」「指針式レベルメーター」のような名前になっていたりする。
これはおそらく、VUメーター本来の基準や精度に沿ったものとすると、オーディオ再生用途では針の振れ幅が小さすぎてつまらなかったり、精度確保のためコスト上昇が無視できないものだったりするからだろう。理解できるところだ。何しろ雰囲気のために搭載するのだから妥当! 実に妥当な判断!
なので以降に紹介する製品の多くは厳密には「VU“っぽい”メーター搭載」とかの表現が適当。でもそこもやっぱり雰囲気重視ということで、この場ではあまり気にしないでいただければと思う。