[連載]高橋敦のオーディオ絶対領域
【第119回】iPhoneの音質は “持ち方” だけでこんなに変わる!
■響きと反射で聴きやすい音を生み出す!
先ほど注目した、掌底部分がスピーカーからの音を反射する位置にあって背面の空間ともつながっているというところは、やはり持ち方で音質をコントロールすることにおいて大きな意味があるはず。
そこでまず試したのが「神の左手(左手スタンダード)」の下に右手も添えて反射の量と角度を調整し、スピーカーから耳に向けて音が飛んでくるようにする持ち方。これは確かに効果はあった。
そしてならばとそのアプローチをさらに推し進めたのが…これだ!
▼神魔融合〜Absolute Acoustic Reflection〜
iPhone 6は筐体背面の全体を軽く共振させることで音量を稼ぎ音質を整えている感がある、単に筐体の剛性が落ちてそうなっているだけな気もするが。ともかく、その背面の響きを柔らかな手のひらで作った空間で響かせることで、中低域に豊かな響きが生まれる。
そして掌底から親指にかけてで開口部を作り、背面空間からのその響きを導き出すと共に、スピーカーから直接の音も反射し、耳に向けて届ける。写真は開口部を少し狭めにしているが、この開閉の具合を調整することで音を調整することもできる。これが「神魔融合〜Absolute Acoustic Reflection〜」だッ!
さらに!この「神魔融合〜Absolute Acoustic Reflection〜」は指を開き背面の空間をフル解放することで、そこでの柔らかな響きはキャンセルして音の抜けや広がりの方を重視させつつ、掌底での反射の効果だけを得ることもできる。これが「神魔融合・絶唱〜Absolute Acoustic Reflection〜/Full Burst Air Mode〜」だッ!
▼神魔融合・絶唱〜Absolute Acoustic Reflection〜/Full Burst Air Mode〜
■iPhone横表示モードの弱点に挑む!
そして「神魔融合〜Absolute Acoustic Reflection〜」の発見は別の問題への大きなヒントにもなってくれた。
iPhoneのスピーカーは縦持ち縦表示スタイルでの底面側に設置されている。まあ妥当だ。
しかしそれ故に動画等を大きく表示できる横持ち横表示スタイルでは、音は左か右かのどちらからしか聞こえてこない。動画であれば台詞も音楽も何もかも中央には定位せず、iPhoneの左または右端から聞こえてくるわけだ。これは内臓スピーカーで聞く限りはどうにも回避できない問題だ。…そんなふうに考えていた時期が俺にもありました。
しかし!「神魔融合〜Absolute Acoustic Reflection〜」を経て我々がたどり着いた境地!音をあるべき中央へと導く新たなグリップがこれだッ!
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