[連載]高橋敦のオーディオ絶対領域
【第121回】「JH Audio三姉妹」どれと付き合う? 新キャラ “Layla&Angie” を聴く
■「soundIVe」技術や、低域を調整できる「Variable bass output」など
外観からはわからないところでは「soundIVe」技術も全モデル共通だ。同社がパテントを取得しているミニクワッドドライバーを用いてのマルチドライバー構成。クワッド(Quad)ドライバーとは、4基のドライバーが1個に一体化されているドライバーということだ。巧く使えば小型化や作業性の向上にも有利だろう。
外観からもわかる箇所に戻ると筐体で目立つのはリケーブル端子。4ピン(4接点)でロック機構付きの独自端子だ。
スクリューによるロックは確実な固定と接触を見込める。その代わりに端子全体が大柄にはなっているが、そもそもこれらのモデル全体が大柄なのでこれくらいはもはや気にならない。4ピン(4接点)というのは後述の「Variable bass output」との絡みと思われる。
というわけでこちらが、ケーブルに仕込まれている「Variable bass output」のコントローラー。トリムを動かして低域の出し方を調整できる。
調整用の小型マイナスドライバーも付属。左右独立調整なのが面倒だが、何かしらの技術的な理由があるのだろう。両モデル共このコントローラーで低域を最小に絞っている状態が設計で意図されているフラットだ。そこから「Angie」は最大+10dB、「Layla」は最大+13dBの低域増加が可能。その低域の中心は60Hzに設定されている。
あと、この2モデルからJH Audioのユニバーサルモデルは世界的にAstell&Kernとの協業ということになった。なのでAstell&KernのDAP「AK」シリーズ用の2.5mm 4極バランス駆動ケーブルも付属している。なお「Roxanne」はユニバーサルも引き続きミックスウェーブの取り扱い。ここは「複雑な事情で別離を余儀なくされた姉妹」みたいな設定と受け取れば妄想が捗るだろう。
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