スマホなどで気軽に良音質が楽しめる
ゼンハイザー「MOMENTUM In-Ear」を様々なDAPやポタアンと組み合わせレビュー
■様々なDAPやポタアンと接続して試聴
さて、肝心のサウンドを確認していこう。プレーヤーとの相性も細かくチェックすべく、今回の取材では様々なDAPやポタアンなどを接続してみたが、まずは最もメインとなる環境、iPhone(5s)から。なお、別途折原氏がレポート(関連記事)してくれていることもあって、筆者はアニソンとJポップをメインに試聴させてもらった。
キレがよく、それでいて迫力のあるサウンド。Kalafina「to the bigining」を聴くと、女性ヴォーカルはややハスキーながら、しっかりとした口調で歌ってくれている。空間表現はそれほど広くないものの、定位感が明瞭なので安心して心地よいサウンドを楽しめる。ストリングス系など、アコースティックな楽器はやや苦手で、平坦な音になってしまう。しかしながらこれは、「MOMENTUM In-Ear」の特徴というよりもiPhone内蔵ヘッドホン出力の特徴だろう。
その証拠に、iOSデジタル接続機能を持つポタアンを繋げてみると、とたんに解像感が向上、抑揚表現も丁寧になってくれる。今回の試聴ではOPPOの新モデル「HA-2」を活用してみたのだが、ヴァイオリンはやや細身であるものの、弦の響きがしっかりと伝わってくる、リアリティあるサウンドとなった。一方で、ヴォーカルのフォーカス感がさらに高まり、まるで目の前で歌ってくれているかのような聴こえ方も嬉しい。
続いて、ウォークマン「ZX-1」で試聴。こちらは、低域の迫力満点のサウンドが楽しめる。LiSA「Rising Hope」を聴くと、とても疾走感のある、キレのよいサウンドが楽しめると共に、バスドラの音がとてもリアルに感じられるのも興味深かった。ナノ「Rock On.」などもなかなかの相性。「MOMENTUM In-Ear」+ウォークマン「ZX-1」は、疾走感のある、アップテンポのハードロックが似合いそうだ。
最後に、アイリバー「AK100II」と組み合わせてみる。TECHNOBOYS PULCRAFT GREEN-FUNDが手がけた『トリニティセブン』劇伴から「MAGUS MODE」を聴くと、かなり低域の押し出し感が強いことが分かる。屋内で聴くよりも、一般的に利用される環境である屋外向けにバランスを整えた、といった感じだろうか。
基本は重低音+キレのよい高域、といった音色傾向なのだが、解像度感が高く、細かい部分までしっかりと拾い上げてくれるので、音数、表現力ともにとてもリッチ。思わず楽曲に没頭して聴き込んでしまいそうになるくらい、魅力あるサウンドを奏でてくれるのだ。特に、ハイレゾ音源ならではの魅力、音の細やかさやリアルさなどをしっかりと表現できていたのには感心させられた。
◇
このように「MOMENTUM In-Ear」は、iPhoneやスマホで気軽に良音質が楽しめると同時に、ハイレゾ対応の高級ポータブルプレーヤーと組み合わせても遜色のない、高い実力を持ち合わせている事を確認できた。電車内などで利用するカナル型イヤホンが欲しい、という人は、是非いちど聴いてみて欲しい。価格以上の満足感を得られるはずだ。
(野村ケンジ)
さて、肝心のサウンドを確認していこう。プレーヤーとの相性も細かくチェックすべく、今回の取材では様々なDAPやポタアンなどを接続してみたが、まずは最もメインとなる環境、iPhone(5s)から。なお、別途折原氏がレポート(関連記事)してくれていることもあって、筆者はアニソンとJポップをメインに試聴させてもらった。
キレがよく、それでいて迫力のあるサウンド。Kalafina「to the bigining」を聴くと、女性ヴォーカルはややハスキーながら、しっかりとした口調で歌ってくれている。空間表現はそれほど広くないものの、定位感が明瞭なので安心して心地よいサウンドを楽しめる。ストリングス系など、アコースティックな楽器はやや苦手で、平坦な音になってしまう。しかしながらこれは、「MOMENTUM In-Ear」の特徴というよりもiPhone内蔵ヘッドホン出力の特徴だろう。
その証拠に、iOSデジタル接続機能を持つポタアンを繋げてみると、とたんに解像感が向上、抑揚表現も丁寧になってくれる。今回の試聴ではOPPOの新モデル「HA-2」を活用してみたのだが、ヴァイオリンはやや細身であるものの、弦の響きがしっかりと伝わってくる、リアリティあるサウンドとなった。一方で、ヴォーカルのフォーカス感がさらに高まり、まるで目の前で歌ってくれているかのような聴こえ方も嬉しい。
続いて、ウォークマン「ZX-1」で試聴。こちらは、低域の迫力満点のサウンドが楽しめる。LiSA「Rising Hope」を聴くと、とても疾走感のある、キレのよいサウンドが楽しめると共に、バスドラの音がとてもリアルに感じられるのも興味深かった。ナノ「Rock On.」などもなかなかの相性。「MOMENTUM In-Ear」+ウォークマン「ZX-1」は、疾走感のある、アップテンポのハードロックが似合いそうだ。
最後に、アイリバー「AK100II」と組み合わせてみる。TECHNOBOYS PULCRAFT GREEN-FUNDが手がけた『トリニティセブン』劇伴から「MAGUS MODE」を聴くと、かなり低域の押し出し感が強いことが分かる。屋内で聴くよりも、一般的に利用される環境である屋外向けにバランスを整えた、といった感じだろうか。
基本は重低音+キレのよい高域、といった音色傾向なのだが、解像度感が高く、細かい部分までしっかりと拾い上げてくれるので、音数、表現力ともにとてもリッチ。思わず楽曲に没頭して聴き込んでしまいそうになるくらい、魅力あるサウンドを奏でてくれるのだ。特に、ハイレゾ音源ならではの魅力、音の細やかさやリアルさなどをしっかりと表現できていたのには感心させられた。
このように「MOMENTUM In-Ear」は、iPhoneやスマホで気軽に良音質が楽しめると同時に、ハイレゾ対応の高級ポータブルプレーヤーと組み合わせても遜色のない、高い実力を持ち合わせている事を確認できた。電車内などで利用するカナル型イヤホンが欲しい、という人は、是非いちど聴いてみて欲しい。価格以上の満足感を得られるはずだ。
(野村ケンジ)