各モデルとの相性を徹底チェック
サエクのPC-Triple C採用イヤホンケーブル「SHC-120」を人気イヤホン4機種と組み合わせレビュー
■組み合わせ1 SHURE「SE535LTD」
BA型マルチドライバー構成において初期の傑作と呼べるであろう名機のひとつ。いま現在の選択肢としては強力なライバルも多いが、いまも使い込んでいるユーザーは多いはずだ。リケーブル対象としてはうってつけと言える。なおこの「SE535LTD」は高域をより伸ばすチューニングを施された追加ラインナップとなる。
まず標準ケーブルで聴くと、全体にも厚すぎもすっきりしすぎもせずによいバランス。高域はやや荒いシャープさにも感じるが、違和感があるというほどではない。
それをSHC-120FSに換えると、そのシャープな成分のきつさは緩和される。高域が整う印象だ。例えばシンバルの強打の炸裂感を擬音で表す際にその擬音の濁点が減る感じだ。ハイハットシンバルのオープンクローズでいうと、「ジャキンッ」から「シャキンッ」に変わるようなニュアンスになる。
また音の艶が増すこともポイントだ。クリーントーンのギターは特にわかりやすいし、ベースのスラップのプルが弾ける際にもそこに艶を感じられる。全体として好印象だ。「高域が大人しい方が好みなら最初からLTDじゃなく無印の535買ってるよ!」という方もいるかもしれないが、高域の感触が変化するといっても無印のSE535に近付くわけではなく、また別のニュアンスであり好ましい方向だ。検討の価値は十分にある。
なおSHUREの標準ケーブルは耐久性は高いが代わりにけっこうゴツいので、ケーブルの取り回しの改善というのもこちらのリケーブルの利点となる。
■組み合わせ2 SHURE「SE846」
こちらはSHUREのハイエンドイヤホン。電気的ではないアコースティックなローパスフィルターで他の帯域を濁らせずに豊かな低域を確保。高域の出し具合は交換可能なノズルで調整可能だ。
今回はまず、標準ケーブル+出荷時デフォルトのバランス型ノズルで試聴。ノズルについてはいちばん好みで普段から聴き慣れているのが「バランス」型なので、今回もそれを基準とした。
標準ケーブルは聴き慣れた好い音だ。多弦ベースやバスドラムの低域に豊かな空気感を与えつつ、しかし低域が他の帯域をもわっとマスキングしてしまう感じはない。シンバルや女性ボーカルのほぐれた感触もこのモデルの持ち味だ。
それをSHC-120FSに換えると意外なことに、SE535LTDではシャープさを抑える方向への変化だったのがSE846では綺麗なシャープさをほどよく強めてくれる。全体にすっきり感を高めてくれるし、女性ボーカルのシャープな成分を引き出して耳と心へのいい感じの刺さりを演出してくれる。
また低音楽器ではベースが少しコンパクトにまとまり、感触もややソリッドに。エレクトロポップスのスラップベースのゴリッとかバキッとかいった強靭さや派手さを巧く引き立ててくれる。
変化の大きさとしてはSE535LTDほどではないのだが、それも含めて変化の方向性として好印象。また変化が大きすぎない上にお値段もお高くないので、音はあまり変えずに、ケーブルの取り回しやすさの向上の方をメインでリケーブルするなんて発想もありかもしれない。
BA型マルチドライバー構成において初期の傑作と呼べるであろう名機のひとつ。いま現在の選択肢としては強力なライバルも多いが、いまも使い込んでいるユーザーは多いはずだ。リケーブル対象としてはうってつけと言える。なおこの「SE535LTD」は高域をより伸ばすチューニングを施された追加ラインナップとなる。
まず標準ケーブルで聴くと、全体にも厚すぎもすっきりしすぎもせずによいバランス。高域はやや荒いシャープさにも感じるが、違和感があるというほどではない。
それをSHC-120FSに換えると、そのシャープな成分のきつさは緩和される。高域が整う印象だ。例えばシンバルの強打の炸裂感を擬音で表す際にその擬音の濁点が減る感じだ。ハイハットシンバルのオープンクローズでいうと、「ジャキンッ」から「シャキンッ」に変わるようなニュアンスになる。
また音の艶が増すこともポイントだ。クリーントーンのギターは特にわかりやすいし、ベースのスラップのプルが弾ける際にもそこに艶を感じられる。全体として好印象だ。「高域が大人しい方が好みなら最初からLTDじゃなく無印の535買ってるよ!」という方もいるかもしれないが、高域の感触が変化するといっても無印のSE535に近付くわけではなく、また別のニュアンスであり好ましい方向だ。検討の価値は十分にある。
なおSHUREの標準ケーブルは耐久性は高いが代わりにけっこうゴツいので、ケーブルの取り回しの改善というのもこちらのリケーブルの利点となる。
■組み合わせ2 SHURE「SE846」
こちらはSHUREのハイエンドイヤホン。電気的ではないアコースティックなローパスフィルターで他の帯域を濁らせずに豊かな低域を確保。高域の出し具合は交換可能なノズルで調整可能だ。
今回はまず、標準ケーブル+出荷時デフォルトのバランス型ノズルで試聴。ノズルについてはいちばん好みで普段から聴き慣れているのが「バランス」型なので、今回もそれを基準とした。
標準ケーブルは聴き慣れた好い音だ。多弦ベースやバスドラムの低域に豊かな空気感を与えつつ、しかし低域が他の帯域をもわっとマスキングしてしまう感じはない。シンバルや女性ボーカルのほぐれた感触もこのモデルの持ち味だ。
それをSHC-120FSに換えると意外なことに、SE535LTDではシャープさを抑える方向への変化だったのがSE846では綺麗なシャープさをほどよく強めてくれる。全体にすっきり感を高めてくれるし、女性ボーカルのシャープな成分を引き出して耳と心へのいい感じの刺さりを演出してくれる。
また低音楽器ではベースが少しコンパクトにまとまり、感触もややソリッドに。エレクトロポップスのスラップベースのゴリッとかバキッとかいった強靭さや派手さを巧く引き立ててくれる。
変化の大きさとしてはSE535LTDほどではないのだが、それも含めて変化の方向性として好印象。また変化が大きすぎない上にお値段もお高くないので、音はあまり変えずに、ケーブルの取り回しやすさの向上の方をメインでリケーブルするなんて発想もありかもしれない。