<山本敦のAV進化論 第55回>
「全録×リモート視聴」は最強の組み合わせ! パナソニック“全自動DIGA”で検証
「外からどこでもスマホで視聴」を使う場合、気をつけておきたいことがある。それはこの全録チューナーのチャンネル設定の仕方に関わる所だ。
DMR-BRX6000の場合、リモート視聴用のストリーミング送信は通常録画用のトランスコーダを使用しながらリアルタイム変換処理で行われるため、通常録画用のチューナーで3番組同時録画を行っている場合、または通常録画用のチューナーから2基を割り振って全10チャンネルでフルに全録をしてしまうと「外からどこでもスマホで視聴」による現在放送中の番組視聴が使えなくなる。
一方、全録アーカイブを含む録画コンテンツの再生には対応する。例えば外出先でテレビ番組視聴を楽しんでいる時に、自宅で家族がレコーダーを使うことは十分に有り得るので、全録のチャンネル数確保とのトレードオフにはなってしまうが、「外からどこでもスマホで視聴」をメインに使いまくりたいという方は、なるべく通常録画用のチューナー3基は全録用に割り当てない方が良いかもしれない。
なおレコーダーでBD再生も同時に行っても「外からどこでもスマホで視聴」のストリームが途切れることはなかった。また、リモート視聴ができる端末は同時に1台までだが、LTEでつないだAndroidスマホでリモート視聴しながら、宅内でWi-Fi接続されたiPhoneを使って番組を見ようとしたところ配信はできなかった。
チューナーの設定に気を配れば、全録とリモート視聴の両方を搭載するDMR-BRX6000の使い勝手は抜群に良いと感じた。そもそも本当の意味で「見たいテレビ番組を、いつでも・どこでも」見るためには、直近のテレビ番組が全録でアーカイブされていることが大前提として必要だし、これができるようになればテレビを見たくなるモチベーションが断然高まってくる。「Panasonic Media Access」アプリの出来映えや操作性が良いこともユーザーの気持ちを高ぶらせてくれる。
下の画像はアプリのメイン画面。左上にあるアイコンをタップすると画面の左側にメニューリストが表示される。「機器別メニュー」の中からDMR-BRX6000を選択して、放送中番組/通常録画/全録の中から見たい番組を選ぶ。
全録アーカイブである「チャンネル録画一覧」の中に入ると、トップにチャンネル切替えが表示され、左右の矢印アイコンで選局。日付はカレンダーで指定できる。
キーワードによる絞り込み検索もできて、操作のレスポンスは機敏でストレスはない。「チャンネル録画」された番組は放送の終了後すぐにアプリの番組一覧に反映された。
番組リストの右側に「…」が縦にならんだアイコンをタップすると再生メニューが表れる。「シーン一覧」を選ぶと「外からどこでもスマホで視聴」するときにも見たいシーンに飛んで頭出しできる。従来は番組再生が始まった後は視聴位置のサーチがシークバーでしかできなかったうえ、頭出し再生にも時間がかかった。これは画期的な機能だ。
「おすすめ番組」は全録アーカイブとの相性がとてもよい。「録画数」や「再生回数」の人気リストと連携しながら、いま話題の番組や面白そうな番組を見つけて、全録されていればそのまま視聴が楽しめる。
ガラポンTVサイトとの連携により、視聴者が書き込んだ番組のコメントを参照して面白そうな番組を探したり、自分でコメントを残して感想をシェアできるのも良い。テレビを見ることの楽しさが再認識できると思う。
ほかにも宅外で視聴した番組の続きを、帰宅後に自宅のレコーダーで再生して楽しめる「あとから見る」機能も加わり、前機種よりも利便性は大幅にアップした。
■新機能「パケット節約モード」でのリモート視聴の画質は?
DMR-BRX6000をはじめ、2015年の新製品3機種からは「外からどこでもスマホで視聴」で指定できる画質モードが、従来の4種類から5種類に広がった。