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IE 800やCXシリーズをレビュー

審査員・鴻池賢三が語る、「VGP」ゼンハイザー27製品受賞の理由:イヤホン編

公開日 2015/06/18 11:00 鴻池 賢三
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CX 5.00:受賞(インナーイヤー型ヘッドホン・5千円以上1万円未満)

CX 5.00


ゼンハイザーのカナル型イヤホンCXシリーズの最上位モデル(関連ニュース)。型番や製品の性格から、ベーシックモデルの最上位機種と言い換えても良いだろう。

本機の特徴は、“目立った特徴”が無いこと。デザイン、機能、技術、音質傾向など、全ての面において際だったアピールが無いのだ。これは凡庸という意味ではない。マイクブランドとしてもトップの地位を誇るゼンハイザーであるからこそ、音色に個性を持たせず、原音に忠実でナチュラルなサウンドにこだわれたのだろう。また、トレンドに流されず、ゼンハイザーが築き上げてきた技術を純粋に磨き上げた「リファレンス」と捉えて良いだろう。

ホワイトとブラックの2色展開

ドライバーはもちろんゼンハイザーのこだわりであるダイナミック型一基。本体から切り離されたケーブル接合部は頑丈で、また、本体の容積を稼ぐことにも貢献している。

ノズル部は金属製で、隠れた部分にこだわりが見え隠れするのが憎い。本体とノズルには角度が設けられ、装着性も考慮されている。イヤーピースは4サイズのシリコン製が付属し、ノズルの先端が皮膚に接触しないようバーのような構造体が設けられ、安全性への配慮もなされている。

ノズル部は金属製

イヤーピースにはバーのような構造体が設けられている

音質傾向は低域から高域まで極めてフラットでナチュラル。低域は強調が無いためにモノ足りなく感じるかもしれないが、静かな環境で良質な音源を聴くと、超低域までスムーズに再生できていることが分かる。高域も解像感が高いがエッジを立てたような不自然さがなく、ややウォームな音調で長時間でも疲れずに楽しめる。

VGP審査会では、奇をてらわない質実剛健さと実力の高さが大いに評価された。目立たないからこそ注目して欲しい良品だ。

CX 1.00:受賞(インナーイヤー型ヘッドホン・5千円未満)

CX 1.00(ホワイト)


ゼンハイザーのカナル型イヤホンCXシリーズのエントリーモデル(関連ニュース)。質量僅か10gの超コンパクトな筐体はフィット感も良好で、装着していることも忘れてしまうほど快適。

色はホワイトとブラックの2色から選べるのもポイント。プラグ部はL型で、スマホや携帯型音楽プレーヤーと接続しても取り回しが良い。

質量僅か10gの超コンパクトな筐体

ホワイトとブラックの2色展開

本機最大の魅力は何と言っても価格帯を超えたサウンドパフォーマンス。ゼンハイザーのこだわりである、ダイナミック型ドライバー1基のシンプルな構成で、上位機モデル譲りの高密度サウンドを実現。

特に本機は、低域において量感、厚み、深さを備え、スケールの大きな表現力は圧巻。ロック系の音楽ではドラムのインパクトを、ジャズ系ではベースの躍動感を、クラシック系では重厚な空気感をと表情豊かに描き分ける。充実した低域が、どのジャンルの音楽もバランス良く奏でてくれるのだ。ノズル部に金属パーツを使用し、大口径と剛性を両立させた結果だろう。

ノズル部に金属パーツを使用

スマートフォンと組み合わせ

スマートフォンと組み合わせても鳴りっぷりが良いのも嬉しい。もちろん、中高域の色付きの無いクリアさ、伸びの良さ、透明感、解像度も秀逸。この価格帯で、これほどの高音質を音楽性豊かなサウンドが楽しめるのは驚きであり、名門ゼンハイザーの良心を感じずにはいられない。

VGP審査会では、幅広いユーザーに音楽の楽しさを伝えることのできる優秀モデルとして大いに評価された。スマホに付属しているイヤホンからの乗り換えにもお勧めしたい力作だ。


以上、「VGP 2015 SUMMER」で受賞をしたゼンハイザーのイヤホンのレビューをお届けした。なお、今回取り上げたイヤホン以外にも、多くの製品が受賞をしている。次ページで、受賞製品をリストにて紹介する。

次ページゼンハイザーのVGP 2015 SUMMER受賞製品一覧

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