「普通の極み」が強い個性に
ゼンハイザー「CX 5.00」レビュー。“鉄板エントリー”最新モデルの実力とは?
オーディオに限らずだが専門色の強い雑誌やサイトでは、エントリークラスの製品を大きく取り上げる機会は多くはない。やはりミドルクラスや花形のハイエンドの方が、記事としても華やかになるからだろうか。
今回取り上げるゼンハイザー「CX 5.00」は、このモデル自体は実売目安10,000円程度なのでエントリーとミドルクラスの境界あたりに位置すると言える。しかし4モデルから構成される「CX」シリーズ全体としては、
●「CX 1.00」予想実売価格5,000円前後
●「CX 2.00」予想実売価格6,000円前後(リモコンマイク付)
●「CX 3.00」予想実売価格6,000円前後
●「CX 5.00」予想実売価格10,000円前後(リモコンマイク付)
という価格帯に位置しており、本機「CX 5.00」は「エントリークラスシリーズの上位モデル」という位置付けと理解するのが妥当だろう。
■ハズレる要素なしの鉄板エントリーシリーズ
そのエントリークラスの「CX」シリーズ、そして本機だが、しかしこれが実は「エントリークラスの製品だし…」と見落としておくには惜しい優秀シリーズ、優秀モデルなのだ。今回は「CX 5.00」を代表としてピックアップするが、これを機にこのシリーズ全体に改めて注目していただければと思う。
とは言ったもののこのシリーズには、記事を書く上では実に厄介なことがある。あまり特徴がないのだ。
つまり、このシリーズには何か特別な技術が投入されていたり個性的なデザインが施されていたりといったわかりやすい特徴は何もない。ダイナミック型ドライバー搭載の「普通の」カナル型イヤホンだ。さらには発表が、こちらは記事も書きやすい「MOMENTUM In-Ear(関連ニュース)」と同時だったりしたものだから、さらに目立てていない。
しかし前述のようにこのシリーズは優秀だ。メーカー自らが「ゼンハイザーのカナル型イヤホンの定番CXシリーズ」と紹介するように、好評なシリーズを強化した最新モデル。技術的な特徴がそれほどアピールされていないというのは「既存の技術を堅実に磨き上げた」からであり、加えて言えば音質チューニングの方向性も従来からの転換はない。ハズレる要素なしの鉄板エントリーシリーズと言える。
そしてその「音作りの方向性」がポイントだ。このシリーズを聴いていきなり「お!すごい音!」と感じる方は少ないかもしれない。ここでもまた「普通」の音なのだ。それがこのシリーズの強み。帯域にせよ音調にせよ、どの要素も強調しすぎない綺麗なバランス型だ。この「普通によい」という感じこそが逆になかなか得難いものだったりする。
さて、ではその音質について詳しく…の前に、デザインや機能性についても軽く確認しておこう。
メイン筐体は樹脂製のようで、今回のテスト機であるブラックモデルのブラック部分にはうっすらとラメが入っている。さほど目立たない上品なラメだ。
ノズル部分は金属製でかっちりと成型されており、イヤーピースのハマり具合もしっかりしている。ノズルの奥には音響調整用と思われるフィルターらしきものも見える。
そのイヤーピースは4サイズ付属。先端にラインというかガードバーのようなものが設置されているが、こちらは音響的なものではなくてノズルが飛び出さないようにする安全装置的なものらしい。
Lサイズは耳の穴が大き目の僕の耳にもうまくフィット。XSサイズは見るからに小さいので、耳の穴がかなり小さめの方でもキツく感じることは少ないだろう。
ケーブルは丸型とフラット型の間くらい。リモコンはiPhone対応の3ボタンタイプだ。
今回取り上げるゼンハイザー「CX 5.00」は、このモデル自体は実売目安10,000円程度なのでエントリーとミドルクラスの境界あたりに位置すると言える。しかし4モデルから構成される「CX」シリーズ全体としては、
●「CX 1.00」予想実売価格5,000円前後
●「CX 2.00」予想実売価格6,000円前後(リモコンマイク付)
●「CX 3.00」予想実売価格6,000円前後
●「CX 5.00」予想実売価格10,000円前後(リモコンマイク付)
という価格帯に位置しており、本機「CX 5.00」は「エントリークラスシリーズの上位モデル」という位置付けと理解するのが妥当だろう。
■ハズレる要素なしの鉄板エントリーシリーズ
そのエントリークラスの「CX」シリーズ、そして本機だが、しかしこれが実は「エントリークラスの製品だし…」と見落としておくには惜しい優秀シリーズ、優秀モデルなのだ。今回は「CX 5.00」を代表としてピックアップするが、これを機にこのシリーズ全体に改めて注目していただければと思う。
とは言ったもののこのシリーズには、記事を書く上では実に厄介なことがある。あまり特徴がないのだ。
つまり、このシリーズには何か特別な技術が投入されていたり個性的なデザインが施されていたりといったわかりやすい特徴は何もない。ダイナミック型ドライバー搭載の「普通の」カナル型イヤホンだ。さらには発表が、こちらは記事も書きやすい「MOMENTUM In-Ear(関連ニュース)」と同時だったりしたものだから、さらに目立てていない。
しかし前述のようにこのシリーズは優秀だ。メーカー自らが「ゼンハイザーのカナル型イヤホンの定番CXシリーズ」と紹介するように、好評なシリーズを強化した最新モデル。技術的な特徴がそれほどアピールされていないというのは「既存の技術を堅実に磨き上げた」からであり、加えて言えば音質チューニングの方向性も従来からの転換はない。ハズレる要素なしの鉄板エントリーシリーズと言える。
そしてその「音作りの方向性」がポイントだ。このシリーズを聴いていきなり「お!すごい音!」と感じる方は少ないかもしれない。ここでもまた「普通」の音なのだ。それがこのシリーズの強み。帯域にせよ音調にせよ、どの要素も強調しすぎない綺麗なバランス型だ。この「普通によい」という感じこそが逆になかなか得難いものだったりする。
さて、ではその音質について詳しく…の前に、デザインや機能性についても軽く確認しておこう。
メイン筐体は樹脂製のようで、今回のテスト機であるブラックモデルのブラック部分にはうっすらとラメが入っている。さほど目立たない上品なラメだ。
ノズル部分は金属製でかっちりと成型されており、イヤーピースのハマり具合もしっかりしている。ノズルの奥には音響調整用と思われるフィルターらしきものも見える。
そのイヤーピースは4サイズ付属。先端にラインというかガードバーのようなものが設置されているが、こちらは音響的なものではなくてノズルが飛び出さないようにする安全装置的なものらしい。
Lサイズは耳の穴が大き目の僕の耳にもうまくフィット。XSサイズは見るからに小さいので、耳の穴がかなり小さめの方でもキツく感じることは少ないだろう。
ケーブルは丸型とフラット型の間くらい。リモコンはiPhone対応の3ボタンタイプだ。
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