「HD 800」や「HD 598」などをレビュー
審査員・野村ケンジが語る、「VGP」ゼンハイザー27製品受賞の理由:ヘッドホン編
6月17日に受賞結果が発表された弊社主催のグランプリ「VGP 2015 SUMMER」において、今回もゼンハイザーのイヤホン・ヘッドホンは数多く受賞し、実に27製品が選出された。これを受け、改めてゼンハイザー製品の魅力を確認すべく、2回連続企画として、VGP受賞製品をレビューすることとなった。先日公開した鴻池賢三氏によるイヤホン編のレビュー(関連記事)に続き、今回はVGPのライフスタイルAV分科会専任審査員である野村ケンジ氏によるヘッドホン編のレビューをお届けする。
■HD 800:金賞(開放型オーバーヘッド型ヘッドホン/10万円以上)
ハイエンドクラスのランドマーク的な存在として、2009年のデビュー以来、6年間もの長きに渡って人気を保ち続けている名機中の名機。
ドイツ本国で組み立てが行われている本体は、音質と質感の両面から選び抜かれた上質なパーツが多用されており、ヘッドホンというイメージの縛りから解き放たれた独特なデザインとも相まって、唯一無二の存在感を主張している。
その内部にもこだわりが随所に詰め込まれている。例えばドライバーは、HD 800用に専用設計されたリングタイプを採用。単に56mmという大口径を自慢するだけではなく、−3dBで14Hz〜44.1kHz(−10dBでは6Hz〜51kHz)というフラット&超ワイドレンジな特性を確保。それでいて、表現力に秀でた素晴らしいサウンドを楽しませてくれる。
そう、HD 800の素晴らしさは、音楽的な表現力の高さなのだ。クラシックのコンサートを聴けば会場の熱気までも伝わってくるかのようだし、一方でポップスを聴けばこんな音まで入っていたのかと、プレーヤーの細やかな表現まで漏らさず伝わってくる。
それに加えて、細部のフォーカスに片寄りすぎず、全体の構成もバランス良く聴かせてくれるところが絶妙。あらゆるジャンルの音楽が全くと言っていいほど破綻なく、それぞれの魅力を最大限に引き出されるのだ。
クラシックからポップスまで、それぞれの良さを最大限に引き出しつつ、HD 800らしさ溢れる表現を持ち合わせているのが、このヘッドホンの魅力だ。
■HD 700:金賞(開放型オーバーヘッド型ヘッドホン/7万円以上10万円未満)
共通したデザインアイデンティティから小柄なHD 800と思われることもある「HD 700」だが、そのサウンドを一聴すれば分かるとおり、全くの別物と言っていい。
オールラウンダーで芳醇なサウンドを持ち合わせているHD 800に対して、HD 700はソリッドでダイナミック、スピード感溢れるサウンドを特徴としている。結果として、必要十分なオールラウンダーっぷりは保たれつつも、やたらハードロックと相性の良い、グルーブ感溢れるサウンドに纏め上げられている。
こういったキレのよいサウンドは、新設計された40mmドライバーなどによって作り上げられているのだが、筆者は個人的に、少なからずアイルランド生産であることも影響しているのではないか、とも推測している。
とにかく、ハードロックが好きなユーザーにはたまらない、フォーカス感の高い低域を持つ素晴らしい製品であることは確かだ。
そのサウンドだけでも、金賞に値する実力の持ち主であることは紛れもない事実だが、もう一つ、ゼンハイザーの新たなる可能性を見いだせるという点においても貴重な製品と言えるだろう。
というのも、HD 800はもちろん、王道のモニターヘッドホン「HD 650」なども含め、ゼンハイザーは“量感ある低域にフォーカス感の高い中域、ヌケの良い高域”という、ヘッドホンの王道と言えるサウンドバランスを得意としているからだ。そういった、音の演出という点でもHD700は個性輝く製品だ。
■HD 800:金賞(開放型オーバーヘッド型ヘッドホン/10万円以上)
ハイエンドクラスのランドマーク的な存在として、2009年のデビュー以来、6年間もの長きに渡って人気を保ち続けている名機中の名機。
ドイツ本国で組み立てが行われている本体は、音質と質感の両面から選び抜かれた上質なパーツが多用されており、ヘッドホンというイメージの縛りから解き放たれた独特なデザインとも相まって、唯一無二の存在感を主張している。
その内部にもこだわりが随所に詰め込まれている。例えばドライバーは、HD 800用に専用設計されたリングタイプを採用。単に56mmという大口径を自慢するだけではなく、−3dBで14Hz〜44.1kHz(−10dBでは6Hz〜51kHz)というフラット&超ワイドレンジな特性を確保。それでいて、表現力に秀でた素晴らしいサウンドを楽しませてくれる。
そう、HD 800の素晴らしさは、音楽的な表現力の高さなのだ。クラシックのコンサートを聴けば会場の熱気までも伝わってくるかのようだし、一方でポップスを聴けばこんな音まで入っていたのかと、プレーヤーの細やかな表現まで漏らさず伝わってくる。
それに加えて、細部のフォーカスに片寄りすぎず、全体の構成もバランス良く聴かせてくれるところが絶妙。あらゆるジャンルの音楽が全くと言っていいほど破綻なく、それぞれの魅力を最大限に引き出されるのだ。
クラシックからポップスまで、それぞれの良さを最大限に引き出しつつ、HD 800らしさ溢れる表現を持ち合わせているのが、このヘッドホンの魅力だ。
■HD 700:金賞(開放型オーバーヘッド型ヘッドホン/7万円以上10万円未満)
共通したデザインアイデンティティから小柄なHD 800と思われることもある「HD 700」だが、そのサウンドを一聴すれば分かるとおり、全くの別物と言っていい。
オールラウンダーで芳醇なサウンドを持ち合わせているHD 800に対して、HD 700はソリッドでダイナミック、スピード感溢れるサウンドを特徴としている。結果として、必要十分なオールラウンダーっぷりは保たれつつも、やたらハードロックと相性の良い、グルーブ感溢れるサウンドに纏め上げられている。
こういったキレのよいサウンドは、新設計された40mmドライバーなどによって作り上げられているのだが、筆者は個人的に、少なからずアイルランド生産であることも影響しているのではないか、とも推測している。
とにかく、ハードロックが好きなユーザーにはたまらない、フォーカス感の高い低域を持つ素晴らしい製品であることは確かだ。
そのサウンドだけでも、金賞に値する実力の持ち主であることは紛れもない事実だが、もう一つ、ゼンハイザーの新たなる可能性を見いだせるという点においても貴重な製品と言えるだろう。
というのも、HD 800はもちろん、王道のモニターヘッドホン「HD 650」なども含め、ゼンハイザーは“量感ある低域にフォーカス感の高い中域、ヌケの良い高域”という、ヘッドホンの王道と言えるサウンドバランスを得意としているからだ。そういった、音の演出という点でもHD700は個性輝く製品だ。