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<特別企画>Apple Musicを良い音で聴く方法とは?

OPPO「HA-2」で検証する、音楽ストリーミングを楽しむのに最適なポタアンの条件

公開日 2015/08/20 11:12 編集部:小澤貴信
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Apple Musicユーザーの編集部員がHA-2を試してみた

今回の検証を終えて、HA-2+Apple Musicの相性の良さを他の誰かにも確かめてほしくなった。そこで、Apple Musicを普段から楽しんでいる編集部員がいたので、各人がいつも使っているイヤホンにHA-2を組み合わせて、Apple Musicを聴いてみてもらった。


編集長・風間雄介
音の粒立ちもよくなり、細かな音もよく聞き分けられる


Apple Musicのローンチ以来、かなりヘビーに使いこなしていることもあり、どんどん自分好みのリコメンドをしてくるように育ってきた。かつて好きだったアーティストとの再会や、まったく知らなかったジャンルの発見。音楽のすばらしさをApple Musicが改めて気づかせてくれ、毎日の生活に欠かせない存在になっている。

編集長・風間はSHURE「SE535」でApple Music×HA-2のサウンドを確かめた

とはいえ、不満点もある。特に残念なのは音質だ。Wi-Fi環境の場合はAAC 256kbpsで配信されているはずだが、曲によってはかなり音質にバラつきがある。

さらに言うと、Apple Musicに対応したポータブル機器は、今のところiPhone、iPad、iPod touchしかない。通常であればiPhoneなどにヘッドホンやイヤホンを直挿しで聴くことになるが、それでは圧縮された音源を、iPhone内部のプアーな音声回路で聴くことになるわけで、よいイヤホンを使っても音質的に限界がある。

こんなときにポータブルヘッドホンアンプを使えば、Apple Musicの音質がかなりリッチに楽しめる。

今回、OPPO「HA-2」で試してみたが、iPhoneとHA-2をLightningでつなぎ、HA-2でD/Aおよび増幅した音を聴いてみると、まったく違う音源に感じられるほどだ。iPhoneでは全体的に平板に感じられた楽曲が、HA-2を通すとダイナミックレンジが広がった効果か、一音一音にぐっと深みが出る。音の粒立ちもよくなり、細かな音もよく聞き分けられるため、より音楽に深く没入できるのだ。

とはいえ先述したように、Apple Musicはそもそも音質がそれほど良いわけではない。だから、Apple Musicの音質を良くするためだけにHA-2を購入するのは、あまり現実的ではない。もう一つ、Apple Musicはいつでもどこでも楽しめる手軽さもサービスの大きな魅力だが、アンプを接続して使うスタイルでは、その手軽さや軽快さが若干スポイルされることも事実だ。

HA-2の真価は、やはりハイレゾでこそ活きる。ハイレゾをしっかり再生できる小型ポータブルアンプを探していて、なおかつApple Musicを再生するときにも、よい音で楽しみたい。こんな方にはHA-2を選択肢の有力候補としておすすめしたい。

編集部・杉浦みな子
絶妙な“中低域の立体感”。カスタムIEMでApple Musicに浸れた!


Apple Musicを聴いているならOPPO「HA-2」で試してみてよ、どうせならぜひイヤモニで! と編集部・小澤貴から依頼が来た。そこで、手持ちのカスタムIEM「UE Reference Monitor(UERM)」を使って試してみることにした。…が、私は現在、Mac版のiTunesでしかApple Musicを使っていない。普段はPCにUSBスピーカーを繋いで、「For You」される曲を自宅で“ながら聴き”している。なぜか。理由は単純で、私のスマホはAndroidなのだ(Android版は今秋スタート予定)。

愛用するカスタムIEM「UE Reference Monitor」とHA-2でApple Musicを楽しむ編集部・杉浦

しかし今回の話を受けてふと思った。「ハイクオリティなポタアンがあった場合、Apple Musicのイヤモニリスニングはどの程度アリなんだろう?」。というのも、私の使うUERMの音質傾向はとにかくモニター的でフラットで、音源のクオリティをありのまま正直に再生するタイプのイヤモニなのだ。だからストリーミング音源の試聴にはあまり合わなそうだし、そもそも256kbpsのApple MusicをUERMで聴くという発想がなかった。せっかくの機会なので、会社のiPod Touch(6G)を使ってその辺りを試してみた。単純にHA-2とUERMの相性も気になる。

iPod Touch(6G)→HA-2→UERMの組み合わせでApple Musicを試してみた。アーティストは、この時期に「For You」されてたABC、ボン・イヴェール、ナンバーガール、ジョイ・ディヴィジョン。HA-2をかまさずiPod touchにUERMを直挿しだと、聞き苦しいほどではないけど、ボーカルとバッキングの位置関係はちょっと平面的。音場も、イメージ的に自分の視界の内側に収まるくらいの感じである。

そこにHA-2を繋ぐと、わかりやすく音が良くなる。UERMとの組み合わせで一番印象的なのは、絶妙な“中低域の立体感”だった。全くぼやけていないけど、キツすぎもしない。ビジュアルで例えるなら、中間色だけで描いた写実的で立体的な絵みたいなイメージの音だ。UERMは高/中/低域にBAドライバーを1基ずつ搭載する3ウェイ・3ドライバー構成で、一般的にBA基は低域の再現に弱いといわれる。もしかしたら、元々HA-2が持つ低域の再現性が、BA基であるUERMの低音を上手くサポートする形になって、低域の絶妙なニュアンスが出た…のかもしれない。

ABC「The Look of Love,Pt.1」はハジけるベースラインに陰影がつくし、ボン・イヴェール「Skinny Love」はストロークされるアコギ音の倍音が豊かになる。ナンバーガール「ZEGEN VS UNDERCOVER」は、HA-2をつないだ瞬間に向井氏の声が鮮明になり、ぐっと近くに寄ってバリヤバ感も上がる。ジョイ・ディヴィジョン「Isoration」は、イアンの声に立体感が出てS/Nが高まるのが印象的。楽曲が醸し出す“孤独感”も一層際立つ。

というわけで、HA-2とUERMとの相性は個人的にアリ。以前に書いたレビューの中で、私はUERMのフラットな傾向を「もしこのイヤモニが生身の男性だったら、正直なところは良いが、時には必要な嘘もついてほしいと言っちゃいそうなくらいニュートラルな感じ」と表現した。今回HA-2を加えたことで、嘘をつくってほどじゃないけど、自分の一部(主に低域)を着飾ってまた違う魅力を出してきたぞ…という感じになった。

そして、これまで私にとってのApple Musicは手軽に“ながら聴き”するものだったけど、UERM+HA-2という環境ならばガッツリ楽しめるのだということも実感した。私は休みの日に近所の喫茶店でドップリ音楽に浸りながら、仕事したり読書したりスマホのゲームしたりぼーっとしたりというシーンが多いので、そういうときにApple Musicに接続してポタアン+UERMで楽曲に浸れるのはアリだ。Android版のApple Musicがスタートしたらそれをリファレンスにして、HA-2も含めて自分のスマホ+UERMに合うポタアンを探してみるのも面白いかも。

■HA-2ならハイレゾへの発展性も見据えてApple Musicを良い音で楽しめる

私と、そして2名の編集部員がHA-2を使ってApple Musicを聴いてみた結果、意見は三者三様だ。しかし、「Apple Musicは素晴らしいサービスだが、音質的にはちょっと物足りない。しかし、HA-2を繋ぐと音質面での魅力もグッとアップする」という印象は共通していた。Apple Musicで日常的に音楽を楽しみつつも音質には不満があるというユーザーにとって、音質と使い勝手の両面から考えてHA-2は有力な選択肢になる。

そして繰り返しになるが、HA-2はDSDおよびPCMのハイレゾに“フル対応”している。便利さ重視のApple Musicで出会った音楽を、CDクオリティ、さらにはハイレゾ音源で、しっかり良い音で楽しみたくなったとき、HA-2はその真価をさらに発揮してくれる。圧縮音源のストリーミングからハイレゾ音源までを、ポータブル環境でカジュアルかつ良い音で楽しむことができることは、HA-2を選ぶ大きな理由になるだろう。

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