【特別企画】ハイレゾ対応システムの「新星」
ハイレゾもワイヤレスで再生!パイオニアの革新的コンポ「Stellanova」を使ってみた
■通常の単体USB-DAC/ヘッドホンアンプとして使うことも可能
冒頭で説明したとおり、3つのユニットは用途に合わせて組み合わせることができる。なので例えば「普通にデスクトップシステムとして使えればOKなのでワイヤレス再生はなくてもよい。スピーカーは既に持っている」「ヘッドホンで気軽にハイレゾを楽しめるシステムが欲しい」といった場合であれば、USB-DACアンプ単体で導入するという方法もある。
USB-DACとして使う場合、パソコンからはUSB-DACアンプ DA101Jが「USB-DAC」として認識されるので、iTunes、foober2000、Audirvana Plusといった普段使っている再生ソフトや、Stellanova専用再生ソフト「Pioneer Stellanova Player」を使うことで、ハイレゾ再生を楽しむことができる。
ヘッドホンアンプとして使う場合は、PCをソースにしてもいいし、背面に用意された光デジタル端子やAUX端子を使って手持ちのオーディオプレーヤー等と接続してもOK。ふだんPCやプレーヤーに直挿しで使うよりもクオリティアップした音を体験できるだろう。
■ワイヤレスでハイレゾを楽しみたいならWF02Jはマスト
音質も有線/無線で変化なし
しかし、やはりStellanovaの魅力は、ワイヤレス・ハイレゾ再生を実現するUSB-DACアンプ DA101Jとワイヤレスユニット WF02Jの組み合わせでこそ発揮される。特筆したいのは、このワイヤレスオーディオシステムは、パソコンとUSBケーブルで直に接続したときとまったく同じハイレゾフォーマット(最大192kHz/32bitのPCM、5.6MHzのDSD)に対応していること。なんとDSDのネイティブ再生まで可能なのだ。
ただ、一度でもワイヤレス関連のオーディオシステムを触ったことがある方なら気になるのが設定だ。煩雑な設定に辟易させられた経験がある方も少なくないのではないだろうか。
しかしその点も、Stellanovaは考え抜かれている。設定のポイントとなるのが、パイオニアがStellanova専用に提供する「Pioneer Wireless Connect」というソフトだ。これはパソコンとワイヤレスユニット WF02Jをワイヤレス接続するためのもの。パソコン上でPioneer Wireless Connectを起動すると、同じWi-Fiネットワーク上にあるワイヤレスユニット WF02Jに繋がったUSB-DACアンプ DA101Jを自動認識する。
パソコン側で「USB-DAC」として認識できれば、あとはUSB-DACアンプ DA101Jと有線でUSB接続した場合と再生の手順は同じ。手持ちの再生ソフトや、専用再生ソフト「Pioneer Stellanova Player」で出力する先を選ぶだけで、ワイヤレスで接続していることを全く意識せずにハイレゾ再生ができてしまうのだ。
ワイヤレスなので、無線ルーターの電波が届く範囲ならばStellanovaとパソコンを離して設置することができる。リビングでオーディオを楽しむ場合、パソコンを設置したデスクとオーディオシステムの距離が離れていてUSBケーブルが届かずに困るということはよくある話だが、Stellanovaならばパソコンとの距離を気にする必要もない。
実際にワイヤレスでハイレゾを再生してみたところ、最初の接続さえ済んでしまえば、あとは一般的なUSB-DACを使う場合と全く同じ。取材では音楽再生が途切れたり音が遅延することなども全くなかった。
そして有線接続とワイヤレス接続を聴き比べてみたが、音質的にはまったく差を感じない。APS-SP101Jはコンパクトなスピーカーだが、音楽情報をダイレクトに引き出すタイプの高解像サウンドで、特にニアフィールドで試聴した際には音像がシャープにフォーカスする。低音はバスドラムの弾力感をしっかり再現しつつ量感も十分。サイズと価格を超える高品位なサウンドだ。