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AKGの新プレミアムイヤホン「N20」レビュー。上質な音楽体験を叶えるイヤホン

公開日 2015/10/05 10:30 山本 敦
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iPhone直挿しでも満足の音質。エイジングで真価が引き出される

それではN20の音を聴いていこう。まずは直接iPhone 5sにつないでAWAの音楽配信音源を試聴した。

森高千里のアルバム「非実力派宣言」から『若すぎた恋』では、透き通った爽やかなボーカルを堪能。アルミハウジング特有の音の硬さがなく、シルキーで滑らかな音のタッチと、柔らかく広がる余韻に優しく包み込まれる感触だ。12弦アコースティックギターやグロッケンの高域は、煌びやかでありながら淡い光のように瞬いて、ふくよかなシンセサイザーのハーモニーと溶け合っていく。その消え入り際の階調表現はとても丁寧で、シルクのように心地良いタッチの音が耳の奥を通り抜けていく。

森高千里「非実力派宣言」

実は筆者が本機を聴く機会はこれが初めてではないのだが、今思えば一番最初は恐らくおろしたての製品を聴いたのだろう。中高域の音はやや硬めで広がりが浅く、低域の迫力も不足しているように感じたものだが、今回エイジングを重ねてから手元にやって来たであろう試聴機では、厚い情報量と豊かな音楽性を満喫。プレミアムラインが再生するサウンドとして実に納得がいった。使い込むほどに魅力が開花するイヤホンなのかもしれない。

さらに低音再生の実力を確かめるため、エレクトロ系の音源としてMEGのアルバム「STEP」から『KITTENISH』を聴いてみた。どっしりとした量感がありながら、なおかつ鋭く打ち込んでくる中低域のアタックはやはりホンモノだ。音色は濃厚に引き出されるが、もたつく感じがない。正確で安定した低域のリズムが中高域の展開を足下でしっかりと支える。ボーカルの声はシャープなイメージだが、エッジがとげとげしく感じられるような聴きづらさはなく、全体にクールな印象を覚えた。解像感が高いので、ボーカリストの声質が素直に表現され、テクニカルな側面もよく見える。

MEG「STEP」

ここまでで、響き成分をとても豊かに引き出し、音の色合いが鮮やかに映し出すイヤホンだと感じた。反面、中低域は厚みがしっかりとあるのだが、もう少し輪郭をタイトに引き締めた方が自分の好みには近づきそうだ。そこで、OPPOのポータブルヘッドホンアンプ「HA-2」につないで、同じ曲をもう一度聴いてみた。

次ページOPPO「HA-2」と組み合わせ

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