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<山本敦のAV進化論 第74回>

【レビュー】人気テレビ番組を無料配信。「TVer」の使い勝手や画質を試す

公開日 2015/10/27 11:52 山本 敦
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なおAndroidアプリの場合は画質が高/中/低の3段階設定になる。LTE/3Gネットワークで見るときにデータ通信量を抑えたい時には当然ながら「低画質」を選んだ方が良さそうだ。画質については差が表れるものの、視聴が困難に感じられるほどに映像は破綻しない。通信速度制限に不安がある場合、外出先では公衆Wi-Fi等を活用する工夫が求められるだろう。

Androidでは画質設定のメニューが変わり、高/中/低の3段階になる

モバイル視聴の際、一点不便に感じられたのは、どの番組の冒頭にも必ず入るCMが流れている間、動画は一時停止と再生しか受け付けなくなることだ。視聴をキャンセルするボタンがどこにもないので、うっかり視聴するつもりの無かったコンテンツを選んでしまうと、そこから15〜30秒ほどCM動画を終わるまでじっと眺めているか、一度アプリをシャットダウンしなければならないのが不便だった。またCM動画は一つの画質設定しかもっていないため、画質設定の切り替え対象になっていない。

「自動」と「低画質」の映像を比較。自動の方が被写体のディティールを確認しやすいが、低画質でも目立ったクオリティの劣化は感じられない

■快適なハンドリング。今後のコンテンツ拡充に期待

以上、始まったばかりの「TVer」のサービスを駆け足で試してみた印象としては、ユーザーインターフェースがシンプルにまとまっていてハンドリングは快適だった。

スマホのLTEネットワークや、PCはスターバックスの無料Wi-Fi環境で視聴してみた動画はいずれも安定した再生ができたし、画質も十分に精彩感が高いと思う。今のところドラマやバラエティ番組が中心になるが、話題のテレビ番組を見逃してしまってもTVerで気軽にチェックできるのは頼もしい。

無料で提供されているサービスなので、1週間限定の放送期間については納得できるが、できればドラマを中心にもう少し番組のラインナップが増えないことには「TVerがあったおかげで、あの番組を見逃さずに済んだ、助かった!」とユーザーに感じてもらえる機会が広がらないのではないだろうか。またアニメ作品についてはオンラインでの二次利用を実現するために乗り越えなければならない壁が多いことは想像に難くないが、やはり今のところ本格的な作品が配信されていないのは残念だ。

とはいえ、これから各局が魅力的な作品を徐々に拡充していくことができればTVerの利用者も拡大するはずだ。いつもチェックしている番組をオンエアと同時に見るためにもっと受像器としてのテレビを活用したり、ドラマなどは過去作品のアーカイブを見るために有料サービスを契約するユーザーも増えてくるに違いない。帆を上げたTVerが、順調に追い風を受けて進むことを期待したい。

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