「LHP-CHR192/AHR192」をテスト
【レビュー】iPhoneで手軽にハイレゾ! ロジテック「Lightningオーディオアダプター」を試す
納得のゆくDACチップが見つかったことで、USBオーディオインターフェースとDACを別にし、音質向上を狙うという手法に踏み切れた。ロジテックのLightningオーディオアダプターには、高速処理と低消費電力を特徴とするSavitech社製のUSBオーディオインターフェース「SA9123」が搭載されている。
iOS機器のLightning端子に直結してハイレゾ再生が楽しめるオーディオ機器も増えてきたが、本機ではどのようにしてこれを実現しているのだろうか。一般的にLightning直結のオーディオ機器でハイレゾを再生するためには2つの手段がある。ひとつはアップル純正の「Lightning Audio Module(LAM)」と呼ばれるICとDACチップを組み合わせる手だ。これをヘッドホンやイヤホンに使用すると、通話用マイクが使えるメリットが生まれるが、一方で再生できる音声ファイルの上限は48kHz/24bitまでという制限が出てしまう。
もう一つの手は、今回のロジテックの製品が採用したように、通常のUSBオーディオインターフェースにDACを使うパターンだ。この場合はDACの性能をいかんなく発揮することができるが、マイクによる通話機能は制限される。ロジテックのLightningオーディオアダプターではピュアなオーディオ再生を追求した結果、後者のアプローチを選択したというわけだ。
今回、ロジテックからイヤホン付きのLightningオーディオアダプター「LHP-CHR192」を借り、ハンドリングと試聴を行った。そのレポートをお届けする。
■セットアップはあっけないほどシンプル
まずは本体のセットアップだが、これはあっけないほどシンプル。LightningオーディオアダプターにiPhoneとイヤホン・ヘッドホンを接続し、任意のハイレゾ対応プレーヤーアプリで音楽を再生するだけ。ドライバーのインストールや、そのほかの複雑なセットアップは一切不要だ。バッテリーもiPhoneから自動的にバスパワー供給されるので、本体には電源のON/OFFスイッチすらない。なお本体をiPhoneに接続した状態で、一定時間オーディオ信号入力がなかった場合、自動でスリープするため、iPhoneのバッテリーが無駄に浪費される心配はない。
フロントパネルには十字ボタンと、その中央に丸いボタンが搭載されている。iPhoneに接続した状態で、プレーヤーアプリの再生操作をそれぞれのボタンを使って行えるのだ。十字ボタンの上下にボリュームのアップダウン、左右で曲送り、中央ボタンには再生・一時停止が割り当てられており、シンプルかつ直感的に操作できる。
裏側には360度回転するクリップを搭載。iPhoneと本体間のケーブルの長さは60cmなので、カバンやズボンのポケットにアダプターを入れてクリップで止めておき、そこからイヤホン・ヘッドホンのケーブルを伸ばすと丁度よい長さになる。アダプターを胸ポケットに入れると操作はしやすくなるが、イヤホンのケーブルを多少持て余すかもしれないので、腰あたりの位置にあるポケットに入れておくのがちょうど良いと思う。
■Lightningオーディオアダプタに投入された高音質化技術
iPhoneとLightningケーブルで直結できるだけで音質が良くなるわけではない。ロジテックはLightningオーディオアダプターのオーディオ性能をさらに高めるため、様々な高音質化技術を投入している。