海上忍のラズパイ・オーディオ通信(10)
ラズパイ・オーディオで音楽CDのダイレクト再生に挑戦!果たして使い物になるか?
■やはりリッピングが現実的か
とりあえず、現状のラズパイ・オーディオにおける“CD再生への最短距離”を走ってみたが、正直なところ、というよりまったくお勧めできない。理由は3つある。
1つめは、前述したとおりUIが未整備なこと。WEBインターフェイス(WEBブラウザを利用した操作)にもスマートフォンアプリにもCD再生用のコントローラはなく、SSHでリモートログインしてmpcコマンドで操作するしかない。GUI(X Window System)でCD再生アプリを使うという手もあるが、そうなればディスプレイとキーボード/マウスが必要となり、PCと変わらなくなる。これは避けたい。
2つめは、選曲できないこと。現状のMPDにおけるCDのサポートは、ひたすらCDDAをデコードするだけで、トラック単位で再生位置を指定することはできない。エラー補正などの支援機能も特になく、かぎりなく“素の状態”での再生だ。
3つめは、適当なドライブが見当たらないこと。今回は「BUFFALO BRXL-PCW6U2」というPC用のBDドライブを利用したが、再生時の回転音が大きく落ち着かないこと限りなし。この製品のようにUSBバスパワーを補うケーブルが付属するタイプであれば、電力が不足しがちなRaspberry Piでも利用しやすいが、大きな回転音と絡み合うケーブルはいかんともしがたい。
直接のCD再生には捨てがたい魅力とメリットがあるものの、ラズパイ・オーディオでCDを楽しむ場合は、リッピングしてWAVなりFLACなりにファイル化したほうがいい。Linux向けには、エラー補正などオーディオ用途に使える機能を多数含むリッピングツールがいくつもあり、設定の労(つまりコマンドでの作業)を厭わなければ、完全PCレスのオーディオ環境を構築できる。少なくともMPDがこの状況では、リッピングしてから再生するほうが現実的だ。
とはいえ、完全にあきらめてしまうのは早計だ。コマンドで指示できるCD再生ソフト(コマンド)もあるし、CDを仮想ボリュームとしてマウントして再生する(CD上の各トラックがファイルとして認識される)方法もある。省電力かつ静音型のポータブルドライブが見つかれば、再びCD再生環境構築にトライしてみたいと思う。
(海上 忍)
とりあえず、現状のラズパイ・オーディオにおける“CD再生への最短距離”を走ってみたが、正直なところ、というよりまったくお勧めできない。理由は3つある。
1つめは、前述したとおりUIが未整備なこと。WEBインターフェイス(WEBブラウザを利用した操作)にもスマートフォンアプリにもCD再生用のコントローラはなく、SSHでリモートログインしてmpcコマンドで操作するしかない。GUI(X Window System)でCD再生アプリを使うという手もあるが、そうなればディスプレイとキーボード/マウスが必要となり、PCと変わらなくなる。これは避けたい。
2つめは、選曲できないこと。現状のMPDにおけるCDのサポートは、ひたすらCDDAをデコードするだけで、トラック単位で再生位置を指定することはできない。エラー補正などの支援機能も特になく、かぎりなく“素の状態”での再生だ。
3つめは、適当なドライブが見当たらないこと。今回は「BUFFALO BRXL-PCW6U2」というPC用のBDドライブを利用したが、再生時の回転音が大きく落ち着かないこと限りなし。この製品のようにUSBバスパワーを補うケーブルが付属するタイプであれば、電力が不足しがちなRaspberry Piでも利用しやすいが、大きな回転音と絡み合うケーブルはいかんともしがたい。
直接のCD再生には捨てがたい魅力とメリットがあるものの、ラズパイ・オーディオでCDを楽しむ場合は、リッピングしてWAVなりFLACなりにファイル化したほうがいい。Linux向けには、エラー補正などオーディオ用途に使える機能を多数含むリッピングツールがいくつもあり、設定の労(つまりコマンドでの作業)を厭わなければ、完全PCレスのオーディオ環境を構築できる。少なくともMPDがこの状況では、リッピングしてから再生するほうが現実的だ。
とはいえ、完全にあきらめてしまうのは早計だ。コマンドで指示できるCD再生ソフト(コマンド)もあるし、CDを仮想ボリュームとしてマウントして再生する(CD上の各トラックがファイルとして認識される)方法もある。省電力かつ静音型のポータブルドライブが見つかれば、再びCD再生環境構築にトライしてみたいと思う。
(海上 忍)