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<山本敦のAV進化論 第86回>

ソニーのICレコーダー「ICD-SX2000」レビュー。旅の思い出をハイレゾでスナップ!

公開日 2016/03/11 10:00 山本 敦
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例えば自然や街並みの環境音をワイドに拾いたいときには2つのマイクをY字に開く「ワイドステレオポジション」が有効だ。反対に両方のマイクの角度を内側に90度ずつ傾けてフォーカス感を高める「X-Yポジション」は楽器演奏のレコーディングに向いている。楽器の練習用にもぴったりだ。



可動式マイクは3つのポジションを録音シーンに合わせて変更できる。マイクユニットは質感の高いアルミ切削部品でつくられている

不意に高い音圧レベルで音声が入力されても、録音される音声は自然に聞こえるようゲインを自動調節してくれる「インテリジェントAGC(Auto Gain Control)」を搭載した。2基の高性能ADコンバーターも、高S/Nでダイナミックレンジの広い録音を可能にするためのキーになるデバイスだ。もちろん録音品質はクオリティ重視のリニアPCMだけでなく、MP3形式の長時間モードも選べる。

基本操作は液晶モニターと十字キーなど物理ボタンの組み合わせ。シンプルなメニュー構造なので、目的の機能へスムーズに辿り着ける

オーディオプレーヤーとしてハイレゾの情報量を十分に引き出すため、ウォークマンなどのオーディオ機器に搭載されているソニー独自のデジタルアンプ「S-Master HX」を搭載。中の電源部分や基板にもデジタルノイズの影響を最小化するための工夫が凝らされている。

96kHz/24bitのハイレゾクオリティからMP3形式の長時間モードまでが揃う

本体はブラックを基調としたスリムなデザイン。マイクを保護するためのガード部分は中に金属フレームを入れて強化した。全体に堅牢性の高いボディの質感は、他のICDシリーズに比べると高級感がひと味違う。それでいて、片手持ちで構えながら素速く録音がスタートできるハンドリング感の良さはICDシリーズならでは。本体画面のメニュー表示や、フロント・側面のボタン配置が使いやすさが計算し尽くされている印象を受ける。

内蔵マイクによる録音感度を自動調整できる機能も備える

クリアボイスは録音後の音声を聴きやすくするための機能。歴代モデルからさらにチューンアップして搭載する

■スペインの街中で色んな音を録ってみた

今回は2月にスペインのバルセロナで開催された「MWC 2016」の取材に出かける際、本機を鞄の片隅に忍ばせながら会場や街中に出かけて色んな音を録ってみた。

仕事現場では発表会のボイスメモを取る際、可動式マイクの向きを変えてみながら効果を聴き比べた。

ホールやブースでの記者発表会のようにオープンなスペースの音を録音する際には2つのマイクを外に向ける「ワイドステレオポジション」がおすすめ。登壇者以外の声も集音されるものの、壇上に立ってプレゼンテーションを行う登壇者のスピーチがクリアに、強弱のムラを抑えながら録れるので、後からとても聴きやすい。歴代ICDシリーズが採用してきた、録音ファイルの音声からノイズを低減して会話の明瞭度を上げる「クリアボイス」機能も併用するといいだろう。

マイクをストレートに向ける「ズームポジション」や、クロスさせる「X-Yポジション」は集音の指向性が高まるので、登壇者に向かってマイクをまっすぐに向けて固定できる場面であればより効果が高くなる。会議室などでのインタビューなどの場面ではこちらのモードの方が聴きやすい音声が録れた。本体の裏側にスクリュー穴が付いているので、録りたい音の方向にマイクの向きを確実に固定したい場合は三脚を併用すればいい。

本体の背面に三脚取り付け用のスクリューを配置。NFCでペアリングするための接点も背面にある

なお筆者は普段、ソニーが2011年に発売したICレコーダー「ICD-UX523」をメインに使い続けている。本機も44.1kHz/16bitまでのPCM録音ができるので、試しに同じ録音品質に設定し、静かな室内でインタビューを録ったソースをICD-SX2000のものと比較してみた。

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