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「オーディオ女子力」はCD再生にあり?

女子にもおすすめ!ティアックの“全部入り”コンポ「HR-X101」を女性編集者がレビュー

公開日 2016/04/12 10:52 編集部:杉浦 みな子
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■CD再生を楽しむ。イイ感じの低音で、好きな男性アーティストの曲を満喫

全体的な感想をまず言うと、ドラムなど打楽器のリズムが引き締まっており、適度に厚みがあり心地よい中低域に好感を持ちました。低音ズンズン!なドンシャリとは違い、全体的にそこまで味付けは強くなく“質が良いイメージの低音”というか。考えてみれば、女子が好きになるアーティストは男性が多いと思うので、こういうステキな低域を奏でてくれるオーディオ機器は、実は女子に向いてると思います。

CD再生を楽しむ。歌詞カード&ライナーノーツを読みながら音楽の世界に浸ります

そして空間性も高く、情報量も多いと感じました。『Something Jazzy〜クッキングのひととき、女子ジャズ〜』収録の「セント・トーマス(ベニー・ゴルソンによるカバー)」を再生すると、リズミカルなドラムとピアノに続いてテナーサックスが入ってきた途端に、その柔らかいけれども絶妙に弾力のある心地よい低音が目の前に定位して、「おお、キタ!」と感動できます。『@JazzCaffe bossa edition』収録の「イパネマの娘」はボーカルものですが、デスク上に小さなステージがあって、そこでボーカル(ジョアン・ジルベルトとアストラッド・ジルベルト)が歌っているかのような立体的な音場イメージが広がります。間奏になると、目の前にデスクトップサイズのスタン・ゲッツが歩いてきてサックス・ソロを始めるみたいに感じられました。

中低域のことばかり書いてしまいましたが、もちろんそこにしか魅力がないわけではなく、特にクラシックCDを聴いたときには高域の美しい響きが印象的でした。『白鳥の湖 全曲(世界初のプティパ=イワーノフ=ドリゴ 1895年版)』から、「乾杯の踊り」「情景」を再生すると、木簡楽器やフルート、ハープなど高域を再現する楽器の音色が、瑞々しくて芯のある綺麗な響きで空中に伸びます。

続いてポップスからもいくつか。ジョー・バルビエリ『静かに、息をするように』から「家になって」を再生してみると、ベースの音が重いというより“こってり”と響く感じで超濃厚。大滝詠一『Best Always』の「A面で恋をして」は、中低域の引き締まりによってリズム的な演出と遊びが映えるし、男性3人(大滝詠一・佐野元春・杉真理)の美声も倍音成分が豊かで、聴いてて満腹になりました。

次にオーディオサイトとしては異例かも…?ですが、女性リスナーを意識してジャニーズ楽曲も。『関ジャニ∞の元気が出るCD!!』から、OKAMOTO'Sと関ジャニ∞が融合した楽曲「勝手に仕上がれ」では、メンバー全員による「K・A・N・J・A・N・I・E・I・G・H・T!」のシャウトが、バンド編成になったときの各メンバーのポジションに近い位置で声が収録されているようで(たぶん)、その位置関係が伝わってくるのがかなりポイント。それに低音が効いているおかげで、本曲の聴かせどころの1つである丸山さん(と、ハマ・オカモトさん)のベースも存在感ばっちりに満喫できます。

■Bluetooth再生にも対応!スマホ音源を再生するために今や必須機能

続いてBluetooth再生機能についても少し触れます。私自身もそうですが、普段メインで聴く音楽はスマホなどのポータブルデバイスで持ち歩いているという人が多数だと思うので、コンポにBluetoothは必須の機能ですよね。HR-X101のBluetoothコーデックは、AACやaptXに対応していて、こちらも高音質で楽しめます。

かくなる私も、普段メインで聴く音楽は「AK jr」とAndroidスマートフォン「HTL23」に入れて持ち歩いています

Bluetooth再生を楽しむ

HR-X101のBluetooth機能は1対1の接続で、2台同時ペアリングして再生を切り替えるという使い方はできません。入力をBluetoothに切り替えるとBluetooth機能がONになる仕組みです。一旦Bluetooth接続して、そのあと他のソースに切り替えるとBluetoothは外れますが、一度Bluetooth接続したデバイスは、次からは自動認識されます。

Bluetooth再生時に注目したいのは、「アップコンバート機能」が搭載されているところ。これは入力された96kHz以下の音源を2倍相当にアップコンバートする機能で、リモコンでON/OFF操作します。いつもポータブルデバイスで聴いている音源を使って、ハイレゾ再生を手軽に擬似体験できるんです。聞こえ方は、楽曲の特徴を大幅には変えず自然に伸びやかさが加わるような印象でした。ちなみにBluetooth入力音声だけではなく、CD音源や、後述するUSB入力音源にも適用できます。

■ハイレゾ再生環境にすぐステップアップできる、USB-DAC機能

で、そんなアップコンバート機能を使って「なんかハイレゾって良さそう」と興味を持った方が、すぐに本物のハイレゾ再生を楽しめるようになるUSB-DAC機能も、HR-X101には搭載されています。

USB-DAC機能でハイレゾ再生も満喫

USB入力音源のサンプリング周波数がフロントディスプレイに表示されます

USB経由でハイレゾ再生すると、フロントディスプレイに入力ソースのサンプリング周波数が表示されます。基本的な音の方向性は上で述べたCD再生と同じですが、いわゆるハイレゾならではの「音のひとつひとつの芯が明瞭になり、境界線がすっきり見えるようなイメージ」によって、その特徴がより際立つという感じでしょうか。Aphex Twin『Syro』はビートが引き締まっていて、さらにそのビートが飛び回る位置とか、その後ろで鳴ってる何気ないフレーズとか、曲を構成する全ての要素が目の前に見えてきそうなほど空間性が感じられて、アルバムの良さを享受できました。



そんな感じで、HR-X101を一通り色々聴いてみたところ、ボーカルが入っていて、テンポが良く、色んな楽器が鳴るタイプの音楽はかなり相性が良いと思います。カフェで流れてる系のお洒落ジャズやボサノヴァ、つまり女子が好きそうな音楽を楽しく聴けるということ。そして音質だけではなく、簡単にセットアップが行える設置性や、ハイレゾ再生に対応する機能面も含めて、トータルで自分と同じ女性におすすめしたいと思うコンポです。

(編集部:杉浦 みな子)

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