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独自技術「ActiveShield Pro」で高いノイズ除去性能を発揮

音も機能も妥協なし! フィリップスのノイキャン/ワイヤレス・ヘッドホン「SHB9850NC」を聴く

公開日 2016/04/22 11:29 山本 敦
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独特のパワフルなサウンドは、上原ひろみのアルバム『SPARK』収録の「Wonderland」の演奏にもフィットした。ピアノの中低域が素速く前へと押し出されてくる。高域はその繊細な表情を引き立たせるよりも、どちらかと言えば音の輪郭をくっきりと描いた味付けのように感じられた。ドラムスとベースによるトリオの躍動感あふれる駆け引きをドラマチックに伝えてくれる。

付属のヘッドホンケーブルに接続。NC機能はオンにして聴いた方がこのヘッドホンらしさが活きる

約99%を誇る高い騒音低減性能は、弱音の表現までしっかり味わいたい中小規模の編成のクラシック音楽を、屋外で楽しむのに効果を発揮してくれた。ホールでのライブ録音作品『TOUCH OF CLASSIC "Eric Satie"』から「ジムノペディ第1番」では、冒頭でピアノとスティール・パンが奏でる小音量の旋律もしっかり捉える。続いて展開するオーボエの主旋律では、細かなビブラートの表情が自然と見えてきた。ミロシュのクラシックギターではトレモロの音もきれいに粒立ち、アウトドアリスニングでもストレスなく快適に楽しめた。

なお、ケーブルにつないで聴く場合は、バッテリーが切れていない限り、ノイズキャンセリング機能を常時オンにして聴いた方が、グラマラスな中低域が冴えて、このヘッドホン本来の持ち味が活きてくると感じた。



多彩な機能を詰め込みながら、ポータビリティも一切妥協することなく追求した、フットワークの軽い“全部入りヘッドホン”が、あらゆる生活シーンで“いい音”との幸福な出会いを呼び込んでくれそうだ。

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