<山本敦のAV進化論 第92回>
iPad Proと一緒に使えば華ひらく? 第4世代「Apple TV」オススメ活用術
次にAirPlayを使って、普段iPadでヘビーに使っている「dTV」を、仕事部屋のPCモニターにHDMI接続したApple TVで楽しんでみた。dTVはChromecastにはネイティブ対応しているので、Apple TVにも早く対応して欲しい。
テレビ番組も普通に見られないか「Video & TVSideView」アプリのAirPlayミラーリングを試してみたが、これは対応していなかった。ドラマやバラエティなどのテレビ番組をApple TVを使って大画面で視聴するには、「TVer」アプリでオンデマンド配信されている番組コンテンツをAirPlayミラーリングで視聴する方法もあるが、9.7インチのiPadの画面で見ても十分なので、あまり意味がないように思う。
iTunes Moviesで公開されている映画タイトルは、iPadからiTunes Storeにアクセスして入手できるコンテンツと種類、価格ともにほぼ共通だ。なかなか充実した品揃えだし、100円の特別レンタル料金で視聴できる「今週の映画」企画のコンテンツを上手に活用すれば、少なくとも映画系のコンテンツには事欠かなそうだ。アニメ系コンテンツはレンタル料金が少し割高だが、こちらも魅力的なタイトルは揃っている。
PCのコンテンツをApple TVで楽しむ場合、iTunesで管理するコンテンツについてはホームシェアリングを使うのが便利だ。ホームネットワーク上のNASに保存した動画や音楽の再生は、インターフェースが使いやすくできている「VLC」や「OPlayer」などのプレーヤーアプリを追加して楽しむのが便利だ。リモコンのTouchサーフェスとの相性もいい。フォルダ階層を辿りながらサクサクと動画が再生できる。対応するファイル形式も豊富だ。
■Android環境で新しいApple TVを活用するための方法
最新のApple TVによる音楽再生はApple Musicにも対応している。ただ、筆者はふだんApple Musicを使っていないので、音楽配信のストリーミング再生はAWAをiPadのAirPlay機能で再生してみた。
新AppleTVは光デジタル音声出力端子がなくなってしまったが、Bluetoothのスピーカーやヘッドホンとペアリングができるようになった。ふだんスマホによるワイヤレス音楽再生に活用しているBluetoothスピーカーをPCサイドに置いて、NASに保存した音源もOPlayerやVLCなどのプレーヤーアプリを使い、デスクトップでカジュアルに楽しめた。
夜中に大きな音が出せない環境でも、Bluetoothヘッドホンやイヤホンと組み合わせればApple TVの活躍の場も増える。Apple TVがよりモバイル端末との連携を高めたことは、ふだんスマホでもよく音楽を聴く筆者にとってはメリットに感じられた。
ちなみに、筆者はふだんからスマホはXperiaを使っている。iPadだけでなく、Android環境で新しいApple TVを活用するための方法についても簡単に触れておきたい。
「Apple TVメディアプレーヤー」というアプリの使い勝手がなかなかよい。スマホからDLNA/UPnP対応のNASにアクセスし、保存されている動画や音楽ファイルをApple TV経由で手軽に再生して楽しめる。スマホ本体に保存されている動画や写真をApple TVで再生するときにも便利だ。
第4世代Apple TVはスマホに近い感覚でアプリを追加したり、新しいリモコンの操作性がアップしたことで、メディアプレーヤーとして確かな進化を遂げた手応えを実感した。
製品単体での評価にこだわると、アプリの数がまだ期待していたほど多くないし、物足りなさを感じる部分もあるが、iPadやiPhoneと連携することで機能が広がり、操作性が高まることに目を向けると、Apple TVの真価が見えてくるような気がする。iPhoneやiPadに比べて地味な存在だが、使いこなしていろいろな楽しみ方が掘り起こせるのがApple TVの良さと言えそうだ。