HOME > レビュー > 話題沸騰! iPurifier DCをM2TECHのJOPLIN MKⅡで使う。アナログ再生をさらに「清く正しく」

話題のデジタルフォノEQに持って来いの電源対策

話題沸騰! iPurifier DCをM2TECHのJOPLIN MKⅡで使う。アナログ再生をさらに「清く正しく」

公開日 2016/07/22 17:31 石原 俊
  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE
ただ差し込むだけで確かな効果を実感
使い方は簡単だ。電源アダプターの出力ケーブル端子と本体の電源入力端子の間にiPurifier DCをかませればいい。端子のサイズが合わない場合でも大丈夫。四種類の変換端子/ケーブルが付属しているので、ほとんどの機器に対応することができる。電圧は5V~24V、電流は最大3.5A、電力は最大84Wまでの対応だ。

使い方は簡単で、電源アダプタと接続機器の間に噛ませるだけでOK

iPurifier DCの技術のひとつ、アクティブ・ノイズ・キャンセレーション。高周波ノイズに対して逆位相を発生させることでノイズをキャンセルする仕組みとなる

技術的な詳細は明らかにされていないが、iPurifier DCはスイッチングに起因する高周波ノイズを検知すると逆位相の同じ信号を発生させ、信号同士を打ち消し合わせることによってノイズをキャンセルさせる。ifI-Audioの発表によるとノイズ低減は314~100,000倍/50~100dBで、効果が期待できる周波数帯域は1Hz~5GHzだという。

石原俊氏の自宅に導入されたiPurifier DC

石原氏はiPurifier DCをM2TECHのJOPLIN MKⅡで使用している

私がiPurifier DCに初めて接したのは、M2TECHのデジタルフォノイコライザー「JOPLIN MKⅡ」を自宅でテストした時のことだった。JOPLIN MKⅡは基本的にはADコンバーターなのだが、DAコンバーターと組み合わせるとフォノイコライザーとして機能する。

レコードの音溝をカートリッジがトレースして得られたアナログ信号をデジタル領域で逆イコライゼーションしているので、信号が大容量のコンデンサーを通らないことから音の劣化が少なく、信号の左右差もゼロに等しい。しかしながら、付属する電源アダプターは「スイッチング型」だった。そのため、音の背景にとげとげしさが微かに感じられる憾みがあったのだが、iPurifier DCを介して給電するとイガイガ感がスッと消え、音場に花の香りにも似た清潔感が生じたのである。

iPurifier DCとJOPLIN MKⅡで得られる世界とは?

この音がすっかり気に入ってしまった私は、JOPLIN MKⅡとiPurifier DCを購入して自宅のシステムに組み込んだ。接続しているトーンアームは、ViVラボラトリーのリジッドフロート。当初はいくつかのカートリッジを使いまわしていたが、現在はモノラルレコード用のDENONのDL-102がほぼつけっぱなしの状態になっている。

これはJOPLIN MKⅡがRIAA以外のさまざまなイコライゼーションカーブに対応していることと無縁ではない。RIAAカーブが制定される以前のモノラルレコードはレーベル独自のイコライゼーションカーブで製作されていた。これらをRIAAカーブで逆補正しても正しい音は得られない。ところがさまざまなカーブで逆補正をかけられるJOPLIN MKⅡを使えばこの問題が一挙に解決される。私はJOPLIN MKⅡとiPurifier DCの組み合わせから音楽的に実にさまざまなことを教えられ、蒙を啓かされた。特定のレコードについて感想を述べることはしないが、1950年代には極めて豊饒にして優雅な音楽の世界が広がっていたのである。

iPurifier DCを使用することで、さまざまなイコライザーカーブに対応したJOPLIN MKⅡのサウンドがより魅力的なものとなった

オーディオ的にはステレオシステムのモノラル再生の意義について深く感じ入ることがあった。当たり前のことだが、ステレオシステムでは左右のスピーカーを動作させてモノラル再生を行う。であるから左右の条件が厳密に揃っていないと正しいモノラル再生音が得られない。特にスピーカーまわりの音響特性がバラバラだと音像の出方がおかしなことになる。しかし左右の条件がピタリと一致したときの効果は絶大で、二本の小型スピーカーからモノラル時代の巨大なシステムをも凌駕するほどのサウンドを取り出すことができるのだ。

このたびJOPLIN MKⅡを導入して分かったことは、モノラル再生時におけるイコライジング回路の大切さだ。前述のようにJOPLIN MKⅡはデジタル領域でイコライジングを行うので信号が大容量のコンデンサー等を通らない。そのため左右差が皆無であることから通常のアナログ式のフォノイコライザーとは次元を異にする正中感のモノラル音像を得ることができる。しかも、iPurifier DCで給電すると音像の周囲に花の香りのような気配が生じるのだ。これほど清く正しく美しいモノラル再生ができるのなら、ステレオ再生は推して知るべしであろう。

次ページハイレゾ再生での効果は?

前へ 1 2 3 次へ

この記事をシェアする

  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE

トピック:

音元出版の雑誌
オーディオアクセサリー196号
季刊・オーディオアクセサリー
最新号
Vol.196
オーディオアクセサリー大全2025~2026
特別増刊
オーディオアクセサリー大全
最新号
2025~2026
プレミアムヘッドホンガイドマガジン vol.22 2024冬
別冊・プレミアムヘッドホンガイドマガジン
最新号
Vol.22
プレミアムヘッドホンガイド Vol.32 2024 AUTUMN
プレミアムヘッドホンガイド
(フリーマガジン)
最新号
Vol.32(電子版)
VGP受賞製品お買い物ガイド 2025年冬版
VGP受賞製品お買い物ガイド
(フリーマガジン)
最新号
2025年冬版(電子版)
DGPイメージングアワード2024受賞製品お買い物ガイド(2024年冬版)
DGPイメージングアワード受賞製品お買い物ガイド
(フリーマガジン)
最新号
2024年冬版(電子版)
WEB
  • PHILE WEB
  • PHILE WEB AUDIO
  • PHILE WEB BUSINESS
  • ホームシアターCHANNEL
  • デジカメCHANNEL
AWARD
  • VGP
  • DGPイメージングアワード
  • DGPモバイルアワード
  • AEX
  • AA AWARD
  • ANALOG GPX

本ページからアフィリエイトプログラムによる収益を得ることがあります

NEWS
AV&ホームシアター
オーディオ
モバイル/PC
デジカメ
ホビー&カルチャー
過去のニュース
RANKING
イヤホン・ヘッドホン
AV機器売れ筋
さらに見る
AWARD
VGP
DGPイメージングアワード
DGPモバイルアワード
オーディオ銘機賞
オーディオアクセサリー銘機賞
アナロググランプリ
REVIEW
レビュー
コラム
注目製品クローズアップ
優秀録音ハイレゾ音源レビュー
さらに見る
連載
折原一也の“いまシュン!”ビジュアルプロダクト
高橋 敦のオーディオ絶対領域
山本 敦のAV進化論
角田郁雄のオーディオSUPREME
今週の発売新製品
アニソンオーディオポータル
さらに見る
INTERVIEW
インタビュー記事一覧
さらに見る
BRAND
注目ブランド情報
MAGAZINE
オーディオアクセサリー
analog
ホームシアターファイル
プレミアムヘッドホンガイド
プレミアムヘッドホンガイドマガジン
雑誌定期購読
雑誌読み放題サービス
メルマガ登録
SHOPPING
PHILE WEB.SHOP
通販モール