[連載]高橋敦のオーディオ絶対領域
【第162回】「ポタ研2016夏」で高橋敦が気になったものベスト5を大発表!
■本当はお台場に行きたかったパリピライター
先日7月30日の土曜日、中野サンプラザにてフジヤエービック主催「ポタ研2016夏」が開催された。パリピな僕としては、夏の土曜日は太陽と海風を感じられるお台場にでも行きたかったのだが(小松未可子さんと安済知佳さんのリリイベに行きたかったのだが)、涙を飲んで中野での取材に甘んじたので、例によって「名目上はランキング形式だけど順位はあまり機能してないシステム」で個人的な注目ポイントを紹介させていただこう。
これまた例によって真っ当なレポート記事はすでに編集部によって速報掲載済みなので、そちらも参照してほしい。
【第5位】自作平面駆動型ヘッドホン、新型登場!
もう普通に注目度が高まっている気配さえも感じさせるMusic with 規格外ブースに出展の「全自作平面駆動ヘッドホン」。これまでは基本的に初出展モデルをベースとした改良改善を重ねてきていたと思うのだが、今回はそれをベースにはしつつもそれとは異なるサウンドに振ったバリエーションモデルも新規出展されていた。
本流である「川面」は、音の広がりや流れを意識し、音色で言えば透明感、音場で言えば広さを強みとするモデル。最新版の完成度、その方向性での魅力はすでにかなりハイレベルだ。
ただ個性をそちらに振っていたので、これまでの出展時などに「このタイプのヘッドホンでもっと力強いサウンドのものも聴いてみたい」という声もあったとのこと。そこで今回新登場したのが音圧や迫力を意識して設計されたという「水面」というわけだ。
外観からすぐわかる違いは、「水面」はハウジング側面が完全に開放されている…というかそもそもハウジングというものがなくてドライバーやアーム等を接合するためのフレームしかないような構造だということだ。
また見えない部分では完全自作手巻き平面駆動型ドライバーも、振動板を支えるエッジの幅を増してあるとのこと。
パワフルな音にしたいなら密閉型に寄せるのが一般的なアプローチかと思うが、彼が採用したのは逆に開放度をさらに高めるというやり方だった。振動板にかかる空気圧のストレスを減らすことで振動板がより動きやすい環境を整えて、そこからパワーを生み出す。そういう狙いとのことだ。
エッジの幅を増したのは、エッジ部分での稼働幅に余裕を持たせることで、振動板の振幅が増した際にも振動板をたわませず綺麗な平面を保たせるためだという。音圧音量を稼ぎつつも音の乱れは出したくないということだろう。
実際に聴き比べさせていただくと、「川面」「水面」の音はそれぞれ実にその狙い通りにチューニングされている。「川面」は音のエネルギーが音場の中心点からそれこそ波紋のように綺麗に広く広がってすっと自然に消えていくような印象だ。
対して「水面」は、左右それぞれから小さな波紋が生まれ、音場の中央でその波紋が重なりそこに最大のエネルギーが生まれるような印象。具体的に言えば、センター定位のボーカルやベース、ドラムスが大柄で力強い。
僕としては従来型の「川面」が好みだが、今回の「水面」のような音も作れるというところに、このヘッドホンこの設計制作者の技術と感性の幅広さを感じる。なお来場者の反応としては、どちらが好みかはおおよそ五分五分とのこと。
先日7月30日の土曜日、中野サンプラザにてフジヤエービック主催「ポタ研2016夏」が開催された。パリピな僕としては、夏の土曜日は太陽と海風を感じられるお台場にでも行きたかったのだが(小松未可子さんと安済知佳さんのリリイベに行きたかったのだが)、涙を飲んで中野での取材に甘んじたので、例によって「名目上はランキング形式だけど順位はあまり機能してないシステム」で個人的な注目ポイントを紹介させていただこう。
これまた例によって真っ当なレポート記事はすでに編集部によって速報掲載済みなので、そちらも参照してほしい。
【第5位】自作平面駆動型ヘッドホン、新型登場!
もう普通に注目度が高まっている気配さえも感じさせるMusic with 規格外ブースに出展の「全自作平面駆動ヘッドホン」。これまでは基本的に初出展モデルをベースとした改良改善を重ねてきていたと思うのだが、今回はそれをベースにはしつつもそれとは異なるサウンドに振ったバリエーションモデルも新規出展されていた。
本流である「川面」は、音の広がりや流れを意識し、音色で言えば透明感、音場で言えば広さを強みとするモデル。最新版の完成度、その方向性での魅力はすでにかなりハイレベルだ。
ただ個性をそちらに振っていたので、これまでの出展時などに「このタイプのヘッドホンでもっと力強いサウンドのものも聴いてみたい」という声もあったとのこと。そこで今回新登場したのが音圧や迫力を意識して設計されたという「水面」というわけだ。
外観からすぐわかる違いは、「水面」はハウジング側面が完全に開放されている…というかそもそもハウジングというものがなくてドライバーやアーム等を接合するためのフレームしかないような構造だということだ。
また見えない部分では完全自作手巻き平面駆動型ドライバーも、振動板を支えるエッジの幅を増してあるとのこと。
パワフルな音にしたいなら密閉型に寄せるのが一般的なアプローチかと思うが、彼が採用したのは逆に開放度をさらに高めるというやり方だった。振動板にかかる空気圧のストレスを減らすことで振動板がより動きやすい環境を整えて、そこからパワーを生み出す。そういう狙いとのことだ。
エッジの幅を増したのは、エッジ部分での稼働幅に余裕を持たせることで、振動板の振幅が増した際にも振動板をたわませず綺麗な平面を保たせるためだという。音圧音量を稼ぎつつも音の乱れは出したくないということだろう。
実際に聴き比べさせていただくと、「川面」「水面」の音はそれぞれ実にその狙い通りにチューニングされている。「川面」は音のエネルギーが音場の中心点からそれこそ波紋のように綺麗に広く広がってすっと自然に消えていくような印象だ。
対して「水面」は、左右それぞれから小さな波紋が生まれ、音場の中央でその波紋が重なりそこに最大のエネルギーが生まれるような印象。具体的に言えば、センター定位のボーカルやベース、ドラムスが大柄で力強い。
僕としては従来型の「川面」が好みだが、今回の「水面」のような音も作れるというところに、このヘッドホンこの設計制作者の技術と感性の幅広さを感じる。なお来場者の反応としては、どちらが好みかはおおよそ五分五分とのこと。
次ページ第4位は…あのUSB-DAC+ヘッドホンアンプ/プリアンプ/参考出品どころじゃない番外編も