アトモス/DTS:Xにも対応
5万円台で主要機能が全部入り。デノンのAVアンプ「AVR-X1300W」レビュー
ポップスからはハイレゾのシカゴ『17』〜ワンス・イン・ア・ライフタイム(192kHz/24bit)も聴いてみた。ベースはむっちりと太く描かれ、ホーンセクションやクリーンギターはくっきりとシャープに浮かび上がる。明瞭なボーカルの定位感も見事で解像度の高さを実感できた。
最後に、5.6MHz音源としてSuara「キミガタメ」(11.2MHzレコーディング音源を5.6MHzに変換)を聴く。ウェットな艶を持つボーカルはほんのりと肉付き感を伴いつつもクールにキレ良く浮き上がる。リヴァーブ感も爽快で澄んだタッチだ。ピアノはクリアで、カラッとした響きを持つアコギのヌケの良さとともに、ハーモニクスの清々しい響きが爽やかに響きわたる。
■ドルビーアトモスでは音場のクリアさと密度感にさらに磨きをかけた
続いてマルチチャンネル環境での確認は『スカイ・クロラ』のチャプター15、空戦シーンにて確認を行った。戦闘機のエンジン音の移動感は非常にスムーズで、軽快に前後左右を通り過ぎてゆく。BGMの爽やかなストリングスとどっしりと響くローエンドの伸びも十分だ。セリフの締まりも良く全体的に音離れの良いサウンドである。機関銃の音色も重みを持ちつつ粒立ち細かくキレ良く表現。爆発音は高域のエナジーが強めに感じられた。
加えて『エクスペンダブルズ2』チャプター9・市街地での戦闘シーンでもチェックを行ったが、こちらも個々の音の粒立ちを細かくすくいあげ、クリアに音場を描き切る。ジュークBOXから流れるBGMの浮遊感は控えめながらもすっきりと感じられ、引き締まったセリフの切れ味も高く、定位のフォーカス感も鮮やかだ。銃声は比較的軽めだが、弾道の筋はしっかりと感じ取れる。
最後に、ドルビーアトモス仕様の『エクスペンダブルズ3』から、冒頭のシーンを確認。低域の密度感が高く、BGMのストリングスもハーモニーも重厚に響く。ヘリの移動音もナチュラルでスムーズに音場を動き回る。セリフのボディ感も高く、上方向への浮き上がりも自然だ。音場のクリアさにも一層磨きがかかっており、空気感の密度の高さも際立っている。チャプター15のヘリ同士の戦闘シーンでもそうした空間のシームレスさが光り、動きの滑らかさと音像における密度の立体的な分布感を的確に表現しているかのようだ。
◇
新モデルとなってサウンド面で大きく進化したのは、圧倒的な空間の奥行き感、音場のS/Nの良さにある。しかし従来からのリッチで存在感のある中低域の密度感も全く失われておらず、全体の表現力として数段ステップを上ったような、音質の向上を実感できた。これはパワーアンプ段における電流リミッターを排除したことが特に大きな躍進に繋がっているのではないか。
AVR-X1300Wはエントリー機であってもその効果をしっかりと受け取れるほど、基礎体力の高さが光っている。ドルビーアトモスやDTS:Xを含め、トレンドを網羅したサラウンド入門に向け最適なスペックを持つハイC/Pモデルといえるだろう。
最後に、5.6MHz音源としてSuara「キミガタメ」(11.2MHzレコーディング音源を5.6MHzに変換)を聴く。ウェットな艶を持つボーカルはほんのりと肉付き感を伴いつつもクールにキレ良く浮き上がる。リヴァーブ感も爽快で澄んだタッチだ。ピアノはクリアで、カラッとした響きを持つアコギのヌケの良さとともに、ハーモニクスの清々しい響きが爽やかに響きわたる。
■ドルビーアトモスでは音場のクリアさと密度感にさらに磨きをかけた
続いてマルチチャンネル環境での確認は『スカイ・クロラ』のチャプター15、空戦シーンにて確認を行った。戦闘機のエンジン音の移動感は非常にスムーズで、軽快に前後左右を通り過ぎてゆく。BGMの爽やかなストリングスとどっしりと響くローエンドの伸びも十分だ。セリフの締まりも良く全体的に音離れの良いサウンドである。機関銃の音色も重みを持ちつつ粒立ち細かくキレ良く表現。爆発音は高域のエナジーが強めに感じられた。
加えて『エクスペンダブルズ2』チャプター9・市街地での戦闘シーンでもチェックを行ったが、こちらも個々の音の粒立ちを細かくすくいあげ、クリアに音場を描き切る。ジュークBOXから流れるBGMの浮遊感は控えめながらもすっきりと感じられ、引き締まったセリフの切れ味も高く、定位のフォーカス感も鮮やかだ。銃声は比較的軽めだが、弾道の筋はしっかりと感じ取れる。
最後に、ドルビーアトモス仕様の『エクスペンダブルズ3』から、冒頭のシーンを確認。低域の密度感が高く、BGMのストリングスもハーモニーも重厚に響く。ヘリの移動音もナチュラルでスムーズに音場を動き回る。セリフのボディ感も高く、上方向への浮き上がりも自然だ。音場のクリアさにも一層磨きがかかっており、空気感の密度の高さも際立っている。チャプター15のヘリ同士の戦闘シーンでもそうした空間のシームレスさが光り、動きの滑らかさと音像における密度の立体的な分布感を的確に表現しているかのようだ。
新モデルとなってサウンド面で大きく進化したのは、圧倒的な空間の奥行き感、音場のS/Nの良さにある。しかし従来からのリッチで存在感のある中低域の密度感も全く失われておらず、全体の表現力として数段ステップを上ったような、音質の向上を実感できた。これはパワーアンプ段における電流リミッターを排除したことが特に大きな躍進に繋がっているのではないか。
AVR-X1300Wはエントリー機であってもその効果をしっかりと受け取れるほど、基礎体力の高さが光っている。ドルビーアトモスやDTS:Xを含め、トレンドを網羅したサラウンド入門に向け最適なスペックを持つハイC/Pモデルといえるだろう。