ハイレゾ対応のハイブリッド型イヤホン
AKG「N40」とリケーブル6機種を組み合わせテスト!フィルター交換による音の変化も検証
リケーブル<3>
Re:Cord「palette 8 MX-B」
1.2m/¥OPEN(予想実売価格12,000円前後)
オヤイデがプロデュースし、Zephoneが製造を担うリケーブル新ブランド。ファッション性とコストパフォーマンスの優秀さに配慮しつつもケーブル素材に102SSCを、ハンダにオーディオグレードのSS-47を採用するなど、音質についてもこだわりが盛り込まれている。ラインナップは、導体6本構成の「Palette 6」と導体8本構成の「Palette 8」の2グレードを展開。さらに、イヤホン側のコネクタにMMCXやカスタムIEM用2pinなど幅広いラインナップを用意していることも特徴だ。
なかでもMMCXは、標準のMX-A(A-Type)、UM proなどに適合するMX-B(B-Type)、ソニーのXBAシリーズなどに適合するMX-Sの3タイプが造り分けられている。なお、N40にはMX-Bが適合した(ただし、角度的には耳のまわりに小半径で回り込むカタチになるため人によって好みが分かれるかもしれない)。
とても気持ちのいい音。抜けがよく煌びやかで、メリハリの良い活き活きとした演奏が楽しめる。女性ヴォーカルも、表情豊かなノリの良い歌声が楽しめるので聴いていてとても楽しい。DP-X1との組み合わせが抜群で、解像度感の高さ、抑揚表現の丁寧さが生きた表現力の高いサウンドが楽しめる。AK70との組み合わせもなかなか良い。階調表現の丁寧さは多少引っ込むものの、元気のある、エネルギッシュな歌が楽しめる。
N40とは今回試聴したなかでも1、2を争う相性の良さだった。それだけに2.5mm4極端子やカラーバリエーションなどが用意されているMX-Aが適合すればもっと良かったのでは、という気持ちが膨らんだ。
リケーブル<4>
SAEC「SHC-220」
SHC-220FS:0.8m/¥23,000(税抜)、1.2m/¥25,000(税抜)
MMCX端子リケーブルを国内メーカーとしていち早くリリース。それまで相当にマニアックだったリケーブルの世界を手軽に楽しめるようにしてくれたサエク SHCシリーズの最新モデルにしてフラグシップモデルが「SHC-220」だ。
ケーブル素材にはPC-Triple Cを採用。中心に導通性能の高い単線、高周波が流れる外周部には極細線を配置するなど、全体域での解像度感の高さにも配慮されている。また、ケーブルの介在素材には絹を採用することで、ノイズや静電気の排除にも配慮されている。MMCXモデルでは、プレーヤー側が3.5mmステレオミ二端子と2.5mm4極端子の2種類を用意。このうち、今回は3.5mmステレオミニ端子モデル「SHC-220FS」で試聴した。
とてもジェントルで、客観的な表現のサウンド。ダイナミックレンジの幅が抑えめに感じられる、迫力は控えめのサウンドとも言える。しかし、解像度感が高くて抑揚表現がとても丁寧なため、細やかな表現まで演奏の様子がよく伝わってくる。ヴォーカルも、とても表情豊かだ。
こういった特徴のため、DP-X1との組み合わせとしては意外なまでのジェントルなサウンドを楽しむことができる。ヴォーカルもややハスキーな大人っぽい印象となる。AK70の方はというと、基本的な特徴はDP-X1の組み合わせと変わらないものの、低域の音量が強くなりすぎて、ややバランスを欠いた印象になった。そこでフィルターを「HIGH BOOST」に交換すると、これがピッタリ。こちらもややかすれた、大人っぽいヴォーカルを楽しむことができる。AK70ではフィルター交換の活用もオススメだ。