「Core Audio」の変更も検証
【レビュー】iPhone 7に同梱、Lightning - 3.5mmアダプタをバラして分析する
■「Lightning - 3.5mmヘッドフォンジャックアダプタ」を分析する
Appleは、iPhone/iPad対応をうたう製品に対し「Made for iPhone(iPad)」を用意している。
「MFi」という略称でも知られるこの開発者向けプログラムは、製品発売前でも詳細な仕様にアクセスできるという利益を得られる一方、厳しい審査のクリアとライセンス料を納める義務を負う。LightningというAppleがパテントを持つデバイスは、もちろんMFi抜きには語れない。実際、市販のLightning直結型ヘッドホンは、海賊版があれば話は別だが、例外なくMFiに準拠している。
Lightning直結型ヘッドホンは、オーディオ機器ではDACで知られるCirrus Logicが「MFi Headset Development Kit」というリファレンスプラットフォームを用意している(リンク)。
簡単にいうと、このキットに沿ってデザインすればMFi準拠のヘッドホンを迅速に開発できるというものだが、見方を変えればLightning直結型ヘッドホンの基本レイアウトがここにあるともいえる。Lightningから入力したデジタル信号を(LAMやDSPを経て)DACにつなぎ、増幅ののちヘッドホンジャックへ出力する、というデザインだ。
Lightning変換アダプタも、おそらくは似た構造のはず。iOS 10でなければ認識されないものの、Lightningを介して出力されるデータがLightning直結型ヘッドホンと同一である以上(同じCore Audioを使用しているのだから変えようがない)、DACチップがアダプタのどこかに潜んでいるはずなのだ。
その"DACチップ探し"は困難を極めた。Lightning端子のすぐ下にある膨らみは、充電とデータ転送に使うLightning-USBケーブルより長く、ここにDACチップがあるはずと睨んだ筆者は、カッターで力任せに樹脂部分を削ぐ……が硬くて削れない。