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【特別企画】ネックバンド型の完全ワイヤレス設計

世界初のaptX HD対応ワイヤレスイヤホン、LG「HBS-1100」。先進の機能と音質をチェック!

公開日 2016/09/28 10:09 海上 忍
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Bluetooth/A2DPのコーデックに「aptX HD」を追加したことも、大きなトピックだ。サンプリング周波数は最大48kHz、量子化ビット数は最大24bitと、JEITAが定めるハイレゾオーディオの基準を満たすことができる。送り出し側もaptX HD対応でなければならないため、2016年7月時点ではLG G5とHBS-1100の組み合わせでなければ聴くことはできないが、今後のワイヤレスオーディオにおける期待の星だ。

対応コーデックに「aptX HD」を新たに追加

aptX HDの仕様については、山本敦氏によるこちらのレポートが詳しいが、今回ライセンシーであるQualcommに取材したところ、まだ知られていないであろう情報を入手できた。HBS-1100という製品の全貌をより鮮明に浮かび上がらせるためにも、要点を紹介しておきたい。

右内側に電源ボタン、外側に再生ボタンなどを配置する

まずaptX HDの根幹部分だが、プロフェッショナル音響分野ではほぼデファクトスタンダードの技術であり、独自の無線通信や有線IP通信などにも豊富な実績を持つ「aptX Enhancedコーデック」のBluetooth/A2DP移植版と考えていい。プロトコル構造などが異なるため、Bluetoothに対しての最適化を実施してはいるものの、4:1の圧縮比や24bitのビット深度はaptX Enhancedと変わらないとのこと。プロフェッショナルユースの24bitコーデックがコンシューマー向けに体裁を整えて投入された、というわけだ。

サンプリング周波数と量子化ビット数は最大48kHz/24bitということで、それ以上の情報量を持つ音源(ex. 96kHz/24bit)を再生するとどうなるかという点については、「ダウンサンプルはaptX HDに入力される以前の処理であり、オーディオプレーヤーやAudioFlinger(Android OS独自のオーディオ処理系)の作りに依拠する」とのこと。

つまり、44.1kHz/16bitや48kHz/24bitはそのまま再生されるとして、それ以上のハイレゾ音源はソフトウェアによるダウンサンプル処理の精度に音質が左右されると考えられる。

1秒間に伝送可能な情報量を意味するビットレートは「576kbps」とのこと。Bluetooth/A2DPの必須コーデック・SBCのビットレート(最大328kbps)を大きく上回るが、96kHz/24bitをサポートするLDAC(最大990kbps)には及ばない。とはいえ、信号強度からして帯域を確保しやすいレベルであり、再生の安定度という点では期待できそう。出自がプロユースということもあり、手堅くまとめられている印象だ。

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