高音質パーツを多数搭載
さらに成熟したハイファイサウンド。オンキヨーの第2世代DAP「DP-X1A」を聴く
■音の質感を引き上げてよりハイファイに
オンキヨーのDP-X1Aによるサウンドの検証は、まずは9月21日よりe-onkyoで配信をスタートしたMQA音源からスタートした。第1世代のDP-X1ではソフトウェアのアップデートで追加されたMQA再生機能だが、DP-X1Aでは出荷時から対応。現時点では国内で入手できる数少ないMQA対応音楽プレーヤーとなっている。
MQA音源のファイル形式は通常のFLAC音源と同じなので、DP-X1Aに限らず通常の音楽ファイルのようにコピーして試聴できる。
MQA Studio 96kHz/24bitで配信されているTECHNOBOYS PULCRAFT GREEN-FUNDの『good night citizen』音源を聴く。比較用に用意したWAVでも非常に高音質なのだが、MQA版を再生すると、音源に含まれているニアの位置にある音の張り出しの位置感が極めて鮮明になると共に、重低音がさらに沈み込み、低域の情報量が上がる。
総じて音の情報量や見通しが向上する印象だ。MQA音源の持つサウンドクオリティを引き出すプレーヤーとしてもDP-X1Aは有効に活用できるはずだ。
それでは、他の通常音源による試聴はどうだろうか。
リファレンスとした曲やイヤホンは、別記事として掲載したパイオニアブランドの「XDP-300R」と同じ。オンキヨーの最新イヤホン「E900M」、パイオニアのヘッドホン「SE-MHR5」によるアンバランス・バランスの接続、他社製ヘッドホンの組み合わせの順に検証を行った。
同じオンキヨーの第1世代であるDP-X1Aと聴き比べると、その基本の傾向はやはり引き継いでいる。ただし、音の全体的な音の情報量が引き上げられていて、音場感をよりいっそう拡大し、音の消え際の余韻の残り方を広げている。
第1世代のDP-X1も素性の良い音だったが、第2世代のDP-X1Aではよりしなやかな音の弾力、そしてより深みと情報量を両立させた重低音と、細部の瑞々しい情報を備えている。Hi-Fiオーディオの音の高見に到達した感がある。
同時にレビューしたパイオニア「XDP-300R」のサウンドとDP-X1Aを聴き比べると、別のエンジニアが音質チューニングをしているだけあって、全く傾向が異なる。XDP-300Rがボーカルの張り出しや鮮明さを志向するのに対して、DP-X1Aのサウンドはより音場感が豊かで、質感重視というキャラクターの違いがある。