<連載>藤岡誠のオーディオワンショット
文句なしに心に響く音。テクニカルブレーンのフォノEQ内蔵プリ「TBC-Zero EX2 complete」を聴く
加えられたヘッドアンプは、上下対称の無帰還完全DCフルバランス回路で初段にFETが採用されている。入力インピーダンス2kΩ(バランス)。DC領域までSN比と安定度を確保するために、回路基板には専用のサーボ回路・電源供給回路が組み込まれている。入力はXLRバランス(2番HOT)の1系統(Input-1)。
フォノEQはCR型回路。5種類のEQカーブ対応のTEQ-Zero EXと違ってRIAAカーブ専門。そして20Hz〜20kHz間のRIAA偏差は±0.25dBで、まさにCR型回路ならではの超高精度である。
ラインレベル(フラットアンプ)の回路は、いうまでもなく入力から出力まで完全DCフルバランス無帰還回路で出力段はエミッター抵抗レス(特許取得済)。入力はXLRバランスの3系統(Input-2〜4)。入力インピーダンスは7.2kΩ〜17.2kΩ(バランス)。利得は約12dB。周波数特性はDC〜500kHz(?3㏈)。全高調波歪率は0.02%以下(DC〜500kHz:5V出力時)。最大出力電圧は10V(バランス)。
出力は、XLRバランス端子を2系統装備。この2系統にはそれぞれRCAアンバランス端子が対応している。なお、本機には入力側用のバランス(XLR)〜アンバランス(RCA)変換プラグが同梱されている。音量調整は東京光音社製抵抗並列型アッテネーター(1.5dBステップ)で行われる。
電源部は十二分に余裕を持った左右ch独立巻線のEI型トランスと大容量ブロックコンデンサー(5.600μF)、ショットキーバリアダイオードなどで構成。電源ON/OFFは底部前方にあるサーキットブレーカーで行い、電源ケーブルは本体底部から直出しで着脱はできない。
■TBC-Zero EX2 completeの機能・操作性
写真からも理解できるように、前面パネルには入力切換ノブ(左側)と音量調整ノブ(右側)、そして入力ポジションとミュートのモード表示をするLEDインジケーターがあるだけだ。トーンコントロールやバランスコントロール、ヘッドフォン端子などは一切なし。背面には合計で4系統の縦方向に配列された入力端子と横方向に並んだXLR×2、RCA×2の出力端子が装備されている。とにかく、多くのプリアンプに見られるような様々な切換えスイッチやプッシュボタンの類が一切なく、単機能に徹しているのが特徴である。
外形寸法はW346×H200×D425mmで、「TBC-Zero EX」「TEQ-Zero EX」と共通。その筺体は極めて強固で脚は3点で設置面が球面処理されている。なお、本機は購入者の要望により、ヘッドアンプを省いたMMフォノEQ内蔵型にも対応するとのことだ。
■文句なしで心に響く聴こえ - MCカートリッジのバランス伝送の正当性も再確認
自宅で2週間ほど「MCカートリッジ出力のバランス伝送・増幅方式」を中心に試聴した。使用したカートリッジは、日常的に使用しているオルトフォン「MC Windfeld」である。
同方式については、これまで内外の専用昇圧トランスや専用フォノEQアンプ、さらには5PIN-DIN→XLRのフォノケーブル等を各種試聴。MC型カートリッジの追体験を実行してきたが、本機TBC-Zero EX2 completeを聴くに及んで、MC型が持つ本来のクォリティを楽しめた気がする。
フォノEQはCR型回路。5種類のEQカーブ対応のTEQ-Zero EXと違ってRIAAカーブ専門。そして20Hz〜20kHz間のRIAA偏差は±0.25dBで、まさにCR型回路ならではの超高精度である。
ラインレベル(フラットアンプ)の回路は、いうまでもなく入力から出力まで完全DCフルバランス無帰還回路で出力段はエミッター抵抗レス(特許取得済)。入力はXLRバランスの3系統(Input-2〜4)。入力インピーダンスは7.2kΩ〜17.2kΩ(バランス)。利得は約12dB。周波数特性はDC〜500kHz(?3㏈)。全高調波歪率は0.02%以下(DC〜500kHz:5V出力時)。最大出力電圧は10V(バランス)。
出力は、XLRバランス端子を2系統装備。この2系統にはそれぞれRCAアンバランス端子が対応している。なお、本機には入力側用のバランス(XLR)〜アンバランス(RCA)変換プラグが同梱されている。音量調整は東京光音社製抵抗並列型アッテネーター(1.5dBステップ)で行われる。
電源部は十二分に余裕を持った左右ch独立巻線のEI型トランスと大容量ブロックコンデンサー(5.600μF)、ショットキーバリアダイオードなどで構成。電源ON/OFFは底部前方にあるサーキットブレーカーで行い、電源ケーブルは本体底部から直出しで着脱はできない。
■TBC-Zero EX2 completeの機能・操作性
写真からも理解できるように、前面パネルには入力切換ノブ(左側)と音量調整ノブ(右側)、そして入力ポジションとミュートのモード表示をするLEDインジケーターがあるだけだ。トーンコントロールやバランスコントロール、ヘッドフォン端子などは一切なし。背面には合計で4系統の縦方向に配列された入力端子と横方向に並んだXLR×2、RCA×2の出力端子が装備されている。とにかく、多くのプリアンプに見られるような様々な切換えスイッチやプッシュボタンの類が一切なく、単機能に徹しているのが特徴である。
外形寸法はW346×H200×D425mmで、「TBC-Zero EX」「TEQ-Zero EX」と共通。その筺体は極めて強固で脚は3点で設置面が球面処理されている。なお、本機は購入者の要望により、ヘッドアンプを省いたMMフォノEQ内蔵型にも対応するとのことだ。
■文句なしで心に響く聴こえ - MCカートリッジのバランス伝送の正当性も再確認
自宅で2週間ほど「MCカートリッジ出力のバランス伝送・増幅方式」を中心に試聴した。使用したカートリッジは、日常的に使用しているオルトフォン「MC Windfeld」である。
同方式については、これまで内外の専用昇圧トランスや専用フォノEQアンプ、さらには5PIN-DIN→XLRのフォノケーブル等を各種試聴。MC型カートリッジの追体験を実行してきたが、本機TBC-Zero EX2 completeを聴くに及んで、MC型が持つ本来のクォリティを楽しめた気がする。