HOME > レビュー > 1mから60インチ投写!オプトマの手の平サイズプロジェクター「ML750STS1」を試す

アプリ連携でテザリングにも対応

1mから60インチ投写!オプトマの手の平サイズプロジェクター「ML750STS1」を試す

公開日 2016/11/24 10:00 海上 忍
  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE
テザリングサービスに接続できるということは、ML750STS1が直接WEBや各種リソースにアクセスできることを意味する。スマートフォンを子機として利用する場合、インターネット上のリソースを映すことはできないが、ML750STS1を子機にすればそれが可能になる。外出先でWEBページやYouTubeのコンテンツを自由に映せるといえば、そのメリットを理解できることだろう。もちろん個人的な趣味/プライベートでも活用できるが、取引先の会議室でクラウド上のプレゼンテーション資料を再生するなど、ビジネスの現場で役立ちそうだ。

テザリング接続時にWEBブラウザを表示したところ。アノテーション機能により、文字などを書き込んで投写できる

テザリング接続時にYouTubeを再生したところ。3G/4G回線さえ利用できれば、膨大な数の映像コンテンツにアクセスできる

ML750STS1を直接Wi-Fiルータに接続することも可能だが、その場合現地に設置されたルータのSSIDとパスワードを教えてもらう必要がある。セキュリティ上の理由で外部から持ち込んだ機器のLAN接続が難しい企業が多い昨今、社外プレゼン経験者であればテザリング対応の価値を理解できるに違いない。

■細部までメリハリを感じさせるコントラストを実現

本機はML750をベースとした短焦点レンズ搭載モデルということもあり、Android端末(MHL/HDMIケーブルを使用)やiOSデバイス(Lightning - Digital AVアダプタを使用)との接続性については変わらない。テストに利用したNetFlixアプリの場合、スマートフォン/タブレットからの出力は720pという本機の解像度(WXGA/1280×800ピクセル)に収まる仕様ということもあり、精細感もML750と大きくは変わらない印象だ。

一方、映像全体から受ける印象はだいぶ異なる。コントラスト比がML750の10000:1から20000:1へと大幅に向上したためか、細部までメリハリが感じられるのだ。暗部階調の表現力は確実に改善されており、視聴環境さえ整えれば難しい夜景の描画もそつなくこなす。モバイル機としての個性が色濃い本機の場合、暗室でじっくり鑑賞という目的で購入するユーザは少数派とは思うが、照明を落とした室内であれば色再現性はより高まることだろう。

コントラスト比20000:1により、明るい室内での視聴にも対応する

しばらく利用していると、製品全体が細部までリファインされていることにも気付く。背面パネルにはヘッドホン端子が追加されているし、レンズカバーまで用意されている(凸型レンズとなったため必須ということもありそうだが)。内部メモリは1.5GBから2.7GBに増量され、動画など大容量ファイルの保存も容易になった。本体カラーもブラック&ホワイトのツートンカラーとなり、質感も向上した。ユーザの声を反映して進化させたとのことだが、結果としてコストパフォーマンスの向上にも寄与している。

本体カラーは、ブラックからブラック&ホワイトのツートンカラーに変更された

他メーカーのモバイルプロジェクターとの比較でいえば、バッテリー非搭載で外部電源必須(ACアダプタ使用)という仕様はネックになるが、明るさと電力消費量はトレードオフの関係にあり、最終的にはどちらを取るかという話になる。改めて述べるまでもなく本機は明るさを重視した製品であり、700ルーメンというスペックはバッテリー搭載機に対しての大きなアドバンテージとなりうる。

多くの製品が鎬を削るモバイルプロジェクター市場だが、DLP方式/LED光源の採用による700ルーメンという明るさ、20000:1というコントラスト比、1メートルで60インチ相当という短焦点レンズ、そしてスマートフォンのテザリング機能にも接続可能なWi-Fi機能と、ML750STS1は他を圧倒するスペックを備えている。ホビーからビジネスまで、広範囲に活用できることだろう。

(海上 忍)

前へ 1 2

この記事をシェアする

  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE