【特別企画】USB-DACも搭載、幅広いソースに対応
もはやHi-Fiオーディオの域? エレコムのハイレゾ対応BTスピーカー“Mezzoforte”を聴く
もう1つのトピックと言えるLDACによるBluetooth接続は、ソニーの「NW-ZX2」と組み合わせて試してみた。本機はNFCに対応しておりペアリングはタッチ操作で難なく行え、特に迷う事もなくLDACで接続することができた。
音質はUSB接続に比べ、空気感や密度感で一歩譲るのは否めないが、相対的に低域の量感が増すためか、温かみが増して違った楽しみ方ができる。Bluetooth接続の音質クオリティーが劣るわけではなく、ワイヤレスと有線との音質差が分かるほど、アンプやスピーカーの基礎体力が高いと言うべきだろう。もちろん従来のBluetooth接続音質よりもハイレベルで有線接続に極めて近く、言われなければワイヤレスと気付かないかもしれない。普段はワイヤレス、ここ一番はUSB接続という使い分けも良いだろう。
試聴を通して感じたのは、使いこなしで音の印象が大きく変化することだ。これも本機がオーディオ機器として一定のレベルに達しているため、Hi-Fi的な設置によるチューニングの余地が残っているという意味合いだ。
音質を重視するなら、まずサランネット(グリル)を取り外そう。高域が開放的になって伸び、ハイレゾの空気感も格段に良くなる。本機はそうした事を見越してか、簡単にグリルを着脱できる構造になっている。
設置は固く頑丈な場所を選びたい。本体底面に真鍮製のインシュレーターを備えるほどケアされているが、サブウーファーのパワーを受け止め引き締まった低音を引き出すには、土台は固い方が好ましい。
低域の質については置き場所でコントロールも可能で、デスクトップに直置きすれば反射音を利用して量感を増すことができる。設置場所の端面に本機の面を合わせる、あるいはデスクトップ上でもレンガなどを敷いて高さを稼ぐと、音がスッキリとして輪郭がより明瞭になる。<
人気のハイレゾだが、いざ始めてみようと思うと音源ファイルの入手から対応プレーヤーや再生オーディオ機器の準備などやるべき事が多く、億劫に感じるもの。その点本機ならiPhoneやAndroidスマホが利用でき、プレーヤーアプリで追加コストが発生せず、PCオーディオに比べて設定がシンプルで、そのぶん失敗も少ない。
また、普段は高品位なBluetoothスピーカーとしても利用でき、コストパフォーマンスは非常に高く感じる。音質面ではスピーカーの存在を感じさせない音離れの良さが印象的で、バッテリー内蔵のコンパクトスピーカーとは思えない仕上がりが好印象だった。総じて気軽にハイレゾの高音質を楽しみたい音楽ファンにオススメしたい好モデルだ。
(特別企画 協力:エレコム)