【特別企画】コスパにも注目の4機種を試聴
新VMカートリッジのスタンダードモデル「500シリーズ」を野村ケンジが全部聴いた
ここで取りあげる500シリーズも、各モデルで針の種類が異なっている。価格が下の順から、「VM510CB」は接合丸針、「VM520EB」は接合楕円針、「VM530EN」が無垢楕円針、「VM540ML」が無垢マイクロリニア針を装着する。ハウジングは上述のように上位モデルがアルミダイキャストなのに対してこちらは高剛性樹脂製。高性能パラトロイダルコイルを採用した点は上位機と同様だ。カンチレバーは、VM540MLのみアルミニウムテーパーカンチレバー、そのほかのモデルはアルミニウムカンチレバーを採用する。
針交換ができるこの機構を活用すれば、まずは「VM520EB」を購入して楽しみ、後から交換針「VMN40ML」を追加購入して「VM540ML」と同じサウンドも楽しむ…というようなことができるようになる。このシステマティックな構成は、趣味性とコストパフォーマンスの両面でメリットが大きい。また、10年20年とカートリッジを先々使い続けていく上で、(中古も含めて)部品の調達も楽になってくれるだろうから、ありがたい限りなのである。
■500シリーズの4機種を比較試聴する
さて、ここからは肝心の500シリーズの音質についてレビューをしていこう。今回の試聴では、アナログレコードプレーヤーにティアック「TN-570」を使用(ちなみに標準カートリッジは、オーディオテクニカ「AT100E」相当のOEMモデルとなる)。ヘッドシェルは、セットモデル(「VM540ML/H」「VM530EN/H」「VM520EB/H」)でも用いられている「AT-HS10」を組み合わせた。フォノイコライザーは、iFI Audio「iPhono2」(基本設定はeRIAA)を用いた。
■「VM510CB」(接合丸針)
最初に聴いたのは、接合丸針を備えたスタンダードモデル「VM510CB」。ラインナップ中で価格は最も安く、従来モデルと比べるなら「AT100E」(こちらは接合楕円針だが)に相当すると考えてもいいだろうか。試しに手持ちのAT100Eと比較試聴してみると、AT100Eに対して解像感を向上させつつ、フォーカス感を高めることにいっそう注力したことが聴き取れる。輪郭がとてもはっきりしていて、ハイハットやシンバルの音がよく前に出てくる。とはいえ決して高域が尖っているわけではなく、むしろ高域の表現を大切にしたサウンドで、女性ヴォーカルが普段より伸びやかな歌声になる。
様々なレコードを聴いたが、スティングなど名盤ロックとの相性も良かった。ピアノもサックスも活き活きとした演奏。エコー成分がやや多めにも聴こえるが、これは好みの範疇だろう。総じて、エントリーモデルながら特に高域表現でかなりのボトムアップを実現した製品といえる。
針交換ができるこの機構を活用すれば、まずは「VM520EB」を購入して楽しみ、後から交換針「VMN40ML」を追加購入して「VM540ML」と同じサウンドも楽しむ…というようなことができるようになる。このシステマティックな構成は、趣味性とコストパフォーマンスの両面でメリットが大きい。また、10年20年とカートリッジを先々使い続けていく上で、(中古も含めて)部品の調達も楽になってくれるだろうから、ありがたい限りなのである。
■500シリーズの4機種を比較試聴する
さて、ここからは肝心の500シリーズの音質についてレビューをしていこう。今回の試聴では、アナログレコードプレーヤーにティアック「TN-570」を使用(ちなみに標準カートリッジは、オーディオテクニカ「AT100E」相当のOEMモデルとなる)。ヘッドシェルは、セットモデル(「VM540ML/H」「VM530EN/H」「VM520EB/H」)でも用いられている「AT-HS10」を組み合わせた。フォノイコライザーは、iFI Audio「iPhono2」(基本設定はeRIAA)を用いた。
■「VM510CB」(接合丸針)
最初に聴いたのは、接合丸針を備えたスタンダードモデル「VM510CB」。ラインナップ中で価格は最も安く、従来モデルと比べるなら「AT100E」(こちらは接合楕円針だが)に相当すると考えてもいいだろうか。試しに手持ちのAT100Eと比較試聴してみると、AT100Eに対して解像感を向上させつつ、フォーカス感を高めることにいっそう注力したことが聴き取れる。輪郭がとてもはっきりしていて、ハイハットやシンバルの音がよく前に出てくる。とはいえ決して高域が尖っているわけではなく、むしろ高域の表現を大切にしたサウンドで、女性ヴォーカルが普段より伸びやかな歌声になる。
様々なレコードを聴いたが、スティングなど名盤ロックとの相性も良かった。ピアノもサックスも活き活きとした演奏。エコー成分がやや多めにも聴こえるが、これは好みの範疇だろう。総じて、エントリーモデルながら特に高域表現でかなりのボトムアップを実現した製品といえる。