【特別企画】コスパにも注目の4機種を試聴
新VMカートリッジのスタンダードモデル「500シリーズ」を野村ケンジが全部聴いた
■「VM520EB」(接合楕円針)
続いて、接合楕円針を備えた「VM520EB」を試聴する。ややドライ寄りのエッジが明瞭なサウンドキャラクターなのだが、中域はしっかりした厚みを備えている。低域の量感も絶妙で、なおかつフォーカス感も高いため、どっしりと腰を落とした存在感のあるサウンドとなってくれた。さらにVM510CBと比べてエコー成分がより落ち着いて、とても自然な音色になっている。
様々な音源を聴いたが、特に相性が良かったのがアース・ウインド&ファイアー。キレの良さはあと一歩を求めたくなる部分もあるが、ヴォーカルがぐっと前に出て、それでいてバックの演奏もしっかり届いてくる絶妙なバランス感覚を楽しませてくれた。「正直な話、これで充分なのでは…」と思ってしまう“まとまりの良さ”を持つ、なかなかに優秀なカートリッジだ。
ちなみに筆者が日頃リファレンスとして活用しているヘッドシェル「AT-LT13a」とも組み合わせてみたが、こちらだと高域がやや尖った印象になる。フォーカス感は高まるが、全体的なまとまりの良さでは「AT-HS10」のほうに分があると感じた。
■「VM530EN」(無垢楕円針)
無垢楕円針を採用した「VM530EN」は、VM520EBの音調をそのままハイグレード化したイメージだ。解像度が高まり、ダイナミックレンジの幅も広がって、よりダイレクトなサウンドとなる。
そしてダイナミックレンジが広くなった分、レコードのカッティングエンジニアの実力が試されるようになっていたりもする。たとえばKalafinaのレコードでは、ここまでは全く気にならなかった音源に起因する音場の狭さや片寄りに気付かされてしまった。一方で、スティングは細かい音までしっかりと再生され、ヴォーカルの息づかいまでしっかりと伝わってくるダイレクトなサウンドを楽しませてくれた。鮮度感の高い音やダイナミックな表現を求めたい人には、VM530ENをお薦めしたい。
続いて、接合楕円針を備えた「VM520EB」を試聴する。ややドライ寄りのエッジが明瞭なサウンドキャラクターなのだが、中域はしっかりした厚みを備えている。低域の量感も絶妙で、なおかつフォーカス感も高いため、どっしりと腰を落とした存在感のあるサウンドとなってくれた。さらにVM510CBと比べてエコー成分がより落ち着いて、とても自然な音色になっている。
様々な音源を聴いたが、特に相性が良かったのがアース・ウインド&ファイアー。キレの良さはあと一歩を求めたくなる部分もあるが、ヴォーカルがぐっと前に出て、それでいてバックの演奏もしっかり届いてくる絶妙なバランス感覚を楽しませてくれた。「正直な話、これで充分なのでは…」と思ってしまう“まとまりの良さ”を持つ、なかなかに優秀なカートリッジだ。
ちなみに筆者が日頃リファレンスとして活用しているヘッドシェル「AT-LT13a」とも組み合わせてみたが、こちらだと高域がやや尖った印象になる。フォーカス感は高まるが、全体的なまとまりの良さでは「AT-HS10」のほうに分があると感じた。
■「VM530EN」(無垢楕円針)
無垢楕円針を採用した「VM530EN」は、VM520EBの音調をそのままハイグレード化したイメージだ。解像度が高まり、ダイナミックレンジの幅も広がって、よりダイレクトなサウンドとなる。
そしてダイナミックレンジが広くなった分、レコードのカッティングエンジニアの実力が試されるようになっていたりもする。たとえばKalafinaのレコードでは、ここまでは全く気にならなかった音源に起因する音場の狭さや片寄りに気付かされてしまった。一方で、スティングは細かい音までしっかりと再生され、ヴォーカルの息づかいまでしっかりと伝わってくるダイレクトなサウンドを楽しませてくれた。鮮度感の高い音やダイナミックな表現を求めたい人には、VM530ENをお薦めしたい。