画期的な「サイン波形差分同期補正回路」を採用
ラックスマン初のクリーン電源「ES-1200」を検証 ー アクセサリー銘機賞2017 グランプリ機
次に電源入力波形との比較である。入力波形はそのままでは電圧が大きすぎるため、トランスを通して適度な大きさにしてあり、これをサンプルとして基準波と比較する。
電源波形は色々な原因で変形する。電圧が足りずに頭が潰れたり、ノイズが乗ってスパイク状の棘が出たり、歪みによって波形がゆがんだりする。しかしいずれにしても波形が変形することに変わりはないから、これを修正すれば歪みが取り除かれることになるわけである。
本機では差分減算といって、引き算によって基準波との違いを抽出する。これが歪み成分になるわけで、これを入力波形に重ねるとちょうどNFBと同じように正しい波形に戻すことができる。
ところが歪み成分と入力波形では信号レベルが大きく違うので、フィードバックする前に元の入力レベルまで増幅しなければならない。このため本機では高精度なハイパワー素子を6基装備しパラレル動作させ、歪み成分の増幅を行っている。
増幅のための電源も結局元の入力と出所は同じだが、そのままでは意味がないのでスイッチグ・レギュレーターで安定化して使用している。こうして増幅された歪み成分と入力電源のコールド側を合流させ、歪みを相殺して正確なサイン波を得る仕組みが完成する。この仕組みをラックスマンでは、シンクロナイズド・デルタ・コレクター・サーキット(サイン波形差分同期補正回路)と呼んでいる。
■ダイレクト・カップリングによってトランジェントや音の純度を確保
ところで、ここまで述べてきた信号処理は全て電源のコールド側から引いてきた信号に対して行われている。実はホット側にはトランスやコンデンサーなどの素子が一つもなく、入出力間が直接つながったダイレクト・カップリングになっているのである。このため信号のスピードが確保され、トランジェント特性や純度を維持して音が変質すうのを回避することが可能である。
出力は8口あってどれも同等だ。コンセントにはパナソニック製ホスピタル・グレード品を使用。50Hzと60Hzの切り替えは自動検出である。フロントパネルには入出力の電圧や歪率などを示すディスプレイと、出力電力のLEDバーメーターがある。
電源波形は色々な原因で変形する。電圧が足りずに頭が潰れたり、ノイズが乗ってスパイク状の棘が出たり、歪みによって波形がゆがんだりする。しかしいずれにしても波形が変形することに変わりはないから、これを修正すれば歪みが取り除かれることになるわけである。
本機では差分減算といって、引き算によって基準波との違いを抽出する。これが歪み成分になるわけで、これを入力波形に重ねるとちょうどNFBと同じように正しい波形に戻すことができる。
ところが歪み成分と入力波形では信号レベルが大きく違うので、フィードバックする前に元の入力レベルまで増幅しなければならない。このため本機では高精度なハイパワー素子を6基装備しパラレル動作させ、歪み成分の増幅を行っている。
増幅のための電源も結局元の入力と出所は同じだが、そのままでは意味がないのでスイッチグ・レギュレーターで安定化して使用している。こうして増幅された歪み成分と入力電源のコールド側を合流させ、歪みを相殺して正確なサイン波を得る仕組みが完成する。この仕組みをラックスマンでは、シンクロナイズド・デルタ・コレクター・サーキット(サイン波形差分同期補正回路)と呼んでいる。
■ダイレクト・カップリングによってトランジェントや音の純度を確保
ところで、ここまで述べてきた信号処理は全て電源のコールド側から引いてきた信号に対して行われている。実はホット側にはトランスやコンデンサーなどの素子が一つもなく、入出力間が直接つながったダイレクト・カップリングになっているのである。このため信号のスピードが確保され、トランジェント特性や純度を維持して音が変質すうのを回避することが可能である。
出力は8口あってどれも同等だ。コンセントにはパナソニック製ホスピタル・グレード品を使用。50Hzと60Hzの切り替えは自動検出である。フロントパネルには入出力の電圧や歪率などを示すディスプレイと、出力電力のLEDバーメーターがある。
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