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海上忍のラズパイ・オーディオ通信(22)

ラズパイ・オーディオにOS「Moode Audio Player」を導入、そのメリットをチェック

公開日 2016/12/13 10:33 海上 忍
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Bill Evansの「Trio 64」を試聴したところ、ピアノとベースが極端に左右へ分離しているためヘッドホンリスニングでは違和感が強かった曲も、自然な定位と音場感で楽しめた。選択肢は725Hz/4.5dBと700Hz/6.0dB、650Hz/9.5dBの3種類が用意されており、ローパスフィルターのカットオフ周波数とハイブーストの低音部/ローパスフィルターのレベル差で効果がわかる(725Hz/4.5dBが最も効果が弱い)ようになっている。

肝心の設定方法だが、WEBブラウザで設定メニューにアクセスし、「Configure」→「System」の順に画面をオープン、「Audio」項目にある「Crossfeed DSP」バーを操作したあと右横の「SET」ボタンをタップすればOK。数秒後にはMPDの再起動が完了し、以降再生する楽曲にはBS2Bによるクロスフィード処理の効果が加わる。個人的には、左右の分離が極端な古いジャズ音源を聴くときだけ有効にしているが、ライブ音源も普段と違う音場感を楽しめるのでお勧めだ。

Crossfeed DSPの設定画面。725Hz/4.5dBでも十分効果がある

Crossfeed DSPを有効にすると、MPDの出力先が「ALSA default」から「ALSA crossfeed」に切り替わる

ところで、本稿を書き終えてMoode Audio PlayerのWEBサイトをチェックしたところ、最新リリースとなるバージョン3.0が公開されていた(追記:原稿を送信する直前にはバージョン3.1がリリースされた)。Raspberry Pi 2 Model BおよびRaspberry Pi 3 Model Bのみ対応するAdvancedカーネルを選択可能にしたほか、MPDのスケジューリングポリシーをTS/FIFO/RRで選択できるようにするなど、カーネルレベルでのチューニングが考慮されている。AirPlay互換機能(shairport-sync)の最新版など、安定再生につながる更新も含まれているため、これを機に導入を検討してはいかがだろう。

12月5日に最新バージョン3.1がリリースされている

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