海上忍のラズパイ・オーディオ通信(19)
5ドルで買える「Raspberry Pi Zero」はオーディオ機器として使えるか?(後編)
2015年11月に5ドル/4英ポンドという驚きの安さで登場したコンパクトサイズのRaspberry Pi「Zero」。SoCは初代Raspberry Piと同じで性能は劣るが、クロックは1GHz、メモリは512MBとオーディオ再生には十分な機能を備えた新製品だ。しかし、USBポートの少なさやハンダ付け作業など難点もある。前編に続き、今回の後編では「Zero」を実際にオーディオ機として仕上げる工程と試聴結果を紹介する。
■案外楽しいハンダ付け
前回述べたとおり、「Raspberry Pi Zero」(以下、Zero)は汎用ポートのGPIOを利用できるがオプション扱いとされ、ピン部分は自力でハンダ付けせねばならない。PCM5102A搭載のDACボード「PHAT DAC」も、サイズからしてZeroを意識しているためか(Raspberry Pi 2/3でも利用できる)、ハンダ付けが必須だ。
実をいうと、本連載ではこれまで「ハンダ付け」を周到に避けてきた。筆者の手先が不器用だからということもあるが、ラズパイ・オーディオを「自作オーディオ」の括りで語りたくなかったし(個人的には別モノと理解している)、ハンダ付けの巧拙で音質が変わるという不確定要素を連載に持ち込みたくないという思いが強かった。とはいえ、前述のとおりZeroではハンダ付けを避けて通れない。
しかし、それは杞憂に終わったらしい。確かにハンダ付けにはコテやこて台などの初期投資が必要で、オーディオ趣味としても一線を越えてしまう感は否めないが、頑なに避けて通るほど難しくはない。実際、老眼が進行中(だが認めたくない)の筆者でも大過なく完了した。
GPIOは40ピンあるため、ZeroとDACボードで計80箇所のハンダ付けという結構な作業量となったが、よく似た作業を繰り返すという意味ではいい練習になったのかもしれない。久しぶりにやってみたら案外楽しかった、というのが正直な感想だ。
なお、使用した糸ハンダはスズ60%/鉛40%でフラックス入りという一般的な構成だが、線径0.6mmという極細タイプを利用した。GPIOのランド部分は、筆者の目(老眼とは認めたくない)には間隔が狭く、この細い糸ハンダでなければ作業は難航しただろう。オーディオ用途の高級品を奢ろうかとも考えたが、作業の成功を優先し無難な道を選んでいる。コテ先も細いものを用意したい。筆者がこれを機に購入した半田ごて(Zacroダイヤル式電子はんだこてセット)は、交換コテ先付きの温度調節可能なタイプで、価格も手頃なことからお勧めだ。
■案外楽しいハンダ付け
前回述べたとおり、「Raspberry Pi Zero」(以下、Zero)は汎用ポートのGPIOを利用できるがオプション扱いとされ、ピン部分は自力でハンダ付けせねばならない。PCM5102A搭載のDACボード「PHAT DAC」も、サイズからしてZeroを意識しているためか(Raspberry Pi 2/3でも利用できる)、ハンダ付けが必須だ。
実をいうと、本連載ではこれまで「ハンダ付け」を周到に避けてきた。筆者の手先が不器用だからということもあるが、ラズパイ・オーディオを「自作オーディオ」の括りで語りたくなかったし(個人的には別モノと理解している)、ハンダ付けの巧拙で音質が変わるという不確定要素を連載に持ち込みたくないという思いが強かった。とはいえ、前述のとおりZeroではハンダ付けを避けて通れない。
しかし、それは杞憂に終わったらしい。確かにハンダ付けにはコテやこて台などの初期投資が必要で、オーディオ趣味としても一線を越えてしまう感は否めないが、頑なに避けて通るほど難しくはない。実際、老眼が進行中(だが認めたくない)の筆者でも大過なく完了した。
GPIOは40ピンあるため、ZeroとDACボードで計80箇所のハンダ付けという結構な作業量となったが、よく似た作業を繰り返すという意味ではいい練習になったのかもしれない。久しぶりにやってみたら案外楽しかった、というのが正直な感想だ。
なお、使用した糸ハンダはスズ60%/鉛40%でフラックス入りという一般的な構成だが、線径0.6mmという極細タイプを利用した。GPIOのランド部分は、筆者の目(老眼とは認めたくない)には間隔が狭く、この細い糸ハンダでなければ作業は難航しただろう。オーディオ用途の高級品を奢ろうかとも考えたが、作業の成功を優先し無難な道を選んでいる。コテ先も細いものを用意したい。筆者がこれを機に購入した半田ごて(Zacroダイヤル式電子はんだこてセット)は、交換コテ先付きの温度調節可能なタイプで、価格も手頃なことからお勧めだ。