【特別企画】オーディオファン向け防音工事会社 アコースティックラボ主催イベント
吸音材の配置で音質はどう変わる? 試聴会「Acoustic Audio Forum」密着レポート!
この日は吸音用アイテムの付け外しや配置変更によって、下記7パターンの吸音状態を用意。それぞれで同じ音楽を再生し、響き方の変化を体感してみようという試みが行われた。
・吸音材なし/カーテン開き
・フロント正面に吸音材/カーテン開き
・フロント正面に吸音材/カーテン閉じ
・フロント正面&両サイドに吸音材/カーテン開き
・フロント正面&両サイドに吸音材/カーテン閉じ
・フロント正面&リア両サイドに吸音材/カーテン開き
・フロント正面&リア両サイドに吸音材/カーテン閉じ
同社代表の鈴木氏は「ちゃんとした吸音材だけでなく、家具や、そして人間も吸音する」と吸音についてコメント。「例えば引越しする前に、家具も何もない部屋に入って『響くな』と感じたとしても、いざ引っ越して家具が入ってみるとちょうどよく感じられるといったケースもある」と言葉を続ける。
そして「どこに吸音材があるのかによって、ステレオの音の感じ方がどう異なるのか。それによって好みの吸音の仕方が見つかるかもしれない。今回のイベントをそういうきっかけにして欲しい」と、テーマ設定の理由を説明した。
■音源の違いで吸音の仕方も変わる?
さて、実際にデモを体験してみると、なるほど確かに音の聴こえ方がそれぞれで変わる。大まかに言うと吸音が弱い状態では音場が広く感じられ、吸音を強めるにつれて音の輪郭がハッキリしてタイトになっていく印象だ。
また、吸音材を部屋の前方に設置するか後方に設置するかでの違いも面白かった。スピーカーの設置位置による違いを試した前回(レポート記事)に続き、吸音アイテムの設置の仕方もかなり奥深いことを改めて感じさせれる実験だ。
そしてもうひとつ興味深いのが、どのパターンにおいても不快になるほどやり過ぎな印象にはならなかったことだ。もちろんそこは同社スタッフがちゃんと配慮した上で吸音材の数などを調整したからではあるのだが、どの吸音パターンでも(そして試聴位置がスウィートスポットから外れた部屋の端であっても)きちんと音楽を楽しめるのも、大元である部屋のつくりがしっかりしているからだろう。
鈴木氏は「過去に同様のテーマで開催した際には、コンサートのライブ録音などは吸音の少ないライブ気味な部屋、一方でスタジオ録音の音源は吸音を効かせたデッド気味な空間が好まれる傾向にあった」と、楽曲と吸音との関係性にも言及。このように、部屋づくりの際のポイントのひとつである吸音について色々と考えることができるイベントとなった。
なお、次回の「Acoustic Audio Forum」は1月28日(土)に開催が決定しており、テーマは「オーディオルームに吸音設計は必要か?」。公式サイトで詳細を公開しているほか、メールフォームから参加申し込みや問い合わせを受け付けている。もちろん今は防音室を作る予定がないような場合でも参加は可能なので、防音に興味があるオーディオファンは参加を検討してみてはいかがだろうか。