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【特別企画】2chステレオ再生の音質もチェック

デノンのスピーカーは「P.P.D.D.」がスゴい! 「37シリーズ」でホームシアターを味わい尽くす

公開日 2017/02/21 10:00 鴻池賢三
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イネーブルドスピーカーを使えば、立体音場がリアルに展開

この5.1chシステムに、イネーブルドスピーカー「SC-EN10」を2本加えた<5.1.2>のドルビーアトモス/DTS:X再生も試してみた。

念のため説明しておくと、ドルビーアトモスやDTS:Xの音声形式は、天井に設置した“トップスピーカー”から再生する音を含んでいて、まさに3Dの立体音場が実現できる。しかし、家庭で天井にスピーカーを設置するのは難しい。そこでトップスピーカーのかわりをするのが、このイネーブルドスピーカー。写真のようにフロントやリアのスピーカーの上に設置するのだが、上向きのスピーカーユニットから音を放射して天井に反射させ、あたかも天井のスピーカーで音が鳴っているような効果を生み出す。これでアトモス/DTS:Xのサウンドが手軽に楽しめるわけだ。

イネーブルドスピーカー「SC-EN10」をチェックする鴻池氏。アトモス再生の効果にニンマリ

ドルビーTrueHDは音が内側に押し寄せて密度感が高まるのに対して、アトモス再生では、天井が高くなったように空気が軽く開放的に感じられる。その広がったフィールドで、それぞれの音が自由に動き回り、活き活きと輝きを増すのは新しい体験だ。予算が許せば、ぜひアトモスも体験して欲しい。ステップアップの最終目標として、楽しみに取っておくのも良いだろう。

アクションシーンは、『インデペンデンス・デイ』のチャプター51、巨大宇宙船を背景に戦闘機が空中戦を繰り広げるシーンを観賞した。飛び交う銃撃音が鮮烈で軌跡が目に浮かぶかのようなシャープ。バーチャルリアリティを見るような精密な立体表現が、緊張感を高める。ここでも同じシリーズでスピーカーをそろえる意義を再認識させられた。

ドルビーアトモス/DTS:X再生では、プロジェクターによる大画面とも組み合わせた。37シリーズは120インチにもぴったりの広大な音場を再現してくれた

バックを流れるオーケストラも朗々と堂々と鳴り響き、独立に向けた戦いに相応しい、意気揚々とした雰囲気を盛り立ててくれる。サブウーファーのサポートもあるが、5本のスピーカーが鳴りっぷりの良いAVアンプのパワーを受け止め、視聴室の空気を戦場に変えてしまうくらい空気を揺るがす様は圧巻だ。


Netflixでも5.1chコンテンツが充実。ぜひサラウンドに挑戦してほしい

最後に、近年の視聴スタイルとして外せない、映像ストリーミングサービスとの相性も確認した。多くのサービスとタイトルでは、ドルビーデジタル・プラスによる5.1ch対応も進んでいる。今回はあえてNetflixのオリジナルコンテンツから「マルコポーロ」を選択。ハリウッド大作には及ばないだろうと高を括って見始めてが、5.1chの効果をきちんて理解して制作されていることがしっかり伝わってくる。例えば砂漠の広大な空間表現が見事で、乾きを感じさせられるほどだ。

Netflixのコンテンツも再生。5.1chで再生できていることを確認できる

また時折、音場が前から後方へ包み込むような演出もあり、作品に彩りを添えている。映像ストリーミングもテレビのスピーカーだけで“聴く”のは実にもったいない話。37シリーズのような本格的なスピーカーで体感すれば、作品に込められた意図をより深く理解できるだろう。



2chから5.1chを自在に構築でき、さらに7.1chやドルビーアトモス/DTS:Xへの発展も可能な37シリーズ。コンパクト設計による導入のしやすさはもちろん、高品位なホームシアターにも相応しい外観と音質性能、そしてコストパフォーマンスを高い次元で両立し、魅力的な製品に仕上がっている。入門者のステップアップや、かつてオーディオに興じた方々の再開にもピッタリと言える。

定額制の映像ストリーミングサービスの隆盛で、良質な5.1chソースも手軽に入手できるようになった今、ホームシアターを始めるなら、この37シリーズを起点に、夢をカタチにしてみてはいかがだろうか?

(鴻池賢三)


特別企画 協力:ディーアンドエムホールディングス

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