<山本敦のAV進化論 第124回>
【レビュー】定額制音楽配信 実力比較(3)「AWA」 − 国内スマホサービスの雄の“本気”実感
いま注目したい定額制“聴き放題”の音楽配信サービスの定期レビュー、第3回目はエイベックスとサイバーエージェントが提供する「AWA」をピックアップする。
AWAは2015年5月にスタートして以来、新機能や対応するデバイスを追加しながら着実に成長を遂げてきた。2016年11月にはアプリのダウンロード数が1,000万を突破。Apple MusicやGoogle Play Musicに比べて勝るとも劣らない充実のサービスを揃える、国内最大級の音楽配信サービスだ。
■月額960円。無料プランを新設
利用料金はスタート当初から形態が変わり、現在はすべての楽曲と機能が無制限に利用できる有料プランが960円(税込)、トライアル期間は30日間となっている。
無料プランが充実する音楽配信サービスといえばSpotifyも有名だが、AWAの無料プランも負けていない。なんと広告表示なし。オンデマンド再生やプレイリストの作成までできてしまう。ただ当然ながら制限もあり、再生できるのは月に20時間までで、しかも曲のアタマから90秒のハイライト再生限定となる。スマホなど端末に楽曲をキャッシュしてオフライン再生する機能も使えない。
■着々と広げてきた機器連携
AWAが利用できるプラットフォームはiOS/Androidのモバイル端末のほか、パソコン向けにはMac/Windowsのデスクトップアプリも用意できている。自宅やオフィスでBGM的に音楽を聴く場合に併用できるのでありがたい。
ほかにもChromecastやApple TVなどテレビ向けのマルチコンテンツ端末のプラットフォームに組み込まれている。Android TVにも昨年の9月からAWAのアプリが搭載されているので、例えばソニーのAndroid搭載ブラビアシリーズでは直接音楽ストリーミングを受けてテレビのスピーカーでAWAが楽しめる。先日連載でも取り上げたTsutaya Movieに対応する「AirStick」もAndroid TVを搭載しているので、つまりAWAが楽しめる。
スマートカー向けOSであるCarPlayやAndroid Autoにも、AWAはいち早く対応した。後者はアプリ化もされているので、スマホを車に持ち込めば手軽にドライブと音楽を楽しめる環境が整う。
スマートウォッチはAndroid WearがAWAに対応しているので、スマホでAWAを立ち上げて楽曲やプレイリスト再生を操作できる。昨年の夏からApple Watchへの対応も宣言されているが、こちらはまだ実現されていないようだ。
Google Play Musicの場合、Chromecast built-inに対応するオーディオ機器に内蔵される形で広がっている。またSpotifyも本連載で紹介したボーズの「SoundTouchシリーズ」のように、サービスをビルトインしたオーディオ製品が増えてきた。AWAのプラットフォームをビルトインしたオーディオ製品はまだ登場していないが、近い将来に実現する可能性は十分にあると思う。
■音質/データとインプレッション
本稿を執筆している2017年2月中旬時点で、AWAが発表しているカタログ数は3,000万曲。他のサービスに比べると邦楽のロック・ポップス系の楽曲が特に充実している印象を受ける。作年秋に実施したBOOWY、My Little Loverの独占先行配信も話題を呼んだ。インディーズ系のEDMにも強く、新人発掘にも力を入れている。
ストリーミング再生は、Low(64kbps)/Normal(96kbps)/High(128kbps)の3段階のほか、Wi-Fi接続時には320kbpsを自動で選択する設定がメニューから選べる。さらにAWAではストリーミング再生時の通信容量を低く抑えるための独自技術を採用しているそうで、Wi-Fiのない環境で消費するデータ通信量を低く抑えられる効果がある。64kbpsの低ビットレート設定が選べるところも魅力だが、筆者が試した環境では、たまにクリップノイズに似た雑音が入ることがあった。
Wi-Fiにつないで320kbpsの自動選択をオンにして曲を試聴した。同じ楽曲をGoogle Play Musicで見つけて聴き比べてみると、AWAの方が全体にフラットなバランスで色づけがなく、長時間聴いても疲れない。
EGO-WRAPPIN'の「That's What I Need」では、ボーカルのディティールが自然に引き立つ。ギターのカッティングは粒立ちが小気味良い。音色がナチュラルで、ハコ鳴りを含めたギターのリアルな響きが感じられる。低音のインプレッションはやや穏やかだが、芯が強く精悍な印象は悪くない。
高域のヌケ味と透明感の高さは、ボーカルを中心とした穏やかなバラードやインストゥルメンタル系のジャズによくハマる。熱量は少し控えめなので、パワフルなロックやポップス、ヒップホップなどの楽曲は少し穏やかな雰囲気にまとまる傾向にある。
AWAは2015年5月にスタートして以来、新機能や対応するデバイスを追加しながら着実に成長を遂げてきた。2016年11月にはアプリのダウンロード数が1,000万を突破。Apple MusicやGoogle Play Musicに比べて勝るとも劣らない充実のサービスを揃える、国内最大級の音楽配信サービスだ。
■月額960円。無料プランを新設
利用料金はスタート当初から形態が変わり、現在はすべての楽曲と機能が無制限に利用できる有料プランが960円(税込)、トライアル期間は30日間となっている。
無料プランが充実する音楽配信サービスといえばSpotifyも有名だが、AWAの無料プランも負けていない。なんと広告表示なし。オンデマンド再生やプレイリストの作成までできてしまう。ただ当然ながら制限もあり、再生できるのは月に20時間までで、しかも曲のアタマから90秒のハイライト再生限定となる。スマホなど端末に楽曲をキャッシュしてオフライン再生する機能も使えない。
■着々と広げてきた機器連携
AWAが利用できるプラットフォームはiOS/Androidのモバイル端末のほか、パソコン向けにはMac/Windowsのデスクトップアプリも用意できている。自宅やオフィスでBGM的に音楽を聴く場合に併用できるのでありがたい。
ほかにもChromecastやApple TVなどテレビ向けのマルチコンテンツ端末のプラットフォームに組み込まれている。Android TVにも昨年の9月からAWAのアプリが搭載されているので、例えばソニーのAndroid搭載ブラビアシリーズでは直接音楽ストリーミングを受けてテレビのスピーカーでAWAが楽しめる。先日連載でも取り上げたTsutaya Movieに対応する「AirStick」もAndroid TVを搭載しているので、つまりAWAが楽しめる。
スマートカー向けOSであるCarPlayやAndroid Autoにも、AWAはいち早く対応した。後者はアプリ化もされているので、スマホを車に持ち込めば手軽にドライブと音楽を楽しめる環境が整う。
スマートウォッチはAndroid WearがAWAに対応しているので、スマホでAWAを立ち上げて楽曲やプレイリスト再生を操作できる。昨年の夏からApple Watchへの対応も宣言されているが、こちらはまだ実現されていないようだ。
Google Play Musicの場合、Chromecast built-inに対応するオーディオ機器に内蔵される形で広がっている。またSpotifyも本連載で紹介したボーズの「SoundTouchシリーズ」のように、サービスをビルトインしたオーディオ製品が増えてきた。AWAのプラットフォームをビルトインしたオーディオ製品はまだ登場していないが、近い将来に実現する可能性は十分にあると思う。
■音質/データとインプレッション
本稿を執筆している2017年2月中旬時点で、AWAが発表しているカタログ数は3,000万曲。他のサービスに比べると邦楽のロック・ポップス系の楽曲が特に充実している印象を受ける。作年秋に実施したBOOWY、My Little Loverの独占先行配信も話題を呼んだ。インディーズ系のEDMにも強く、新人発掘にも力を入れている。
ストリーミング再生は、Low(64kbps)/Normal(96kbps)/High(128kbps)の3段階のほか、Wi-Fi接続時には320kbpsを自動で選択する設定がメニューから選べる。さらにAWAではストリーミング再生時の通信容量を低く抑えるための独自技術を採用しているそうで、Wi-Fiのない環境で消費するデータ通信量を低く抑えられる効果がある。64kbpsの低ビットレート設定が選べるところも魅力だが、筆者が試した環境では、たまにクリップノイズに似た雑音が入ることがあった。
Wi-Fiにつないで320kbpsの自動選択をオンにして曲を試聴した。同じ楽曲をGoogle Play Musicで見つけて聴き比べてみると、AWAの方が全体にフラットなバランスで色づけがなく、長時間聴いても疲れない。
EGO-WRAPPIN'の「That's What I Need」では、ボーカルのディティールが自然に引き立つ。ギターのカッティングは粒立ちが小気味良い。音色がナチュラルで、ハコ鳴りを含めたギターのリアルな響きが感じられる。低音のインプレッションはやや穏やかだが、芯が強く精悍な印象は悪くない。
高域のヌケ味と透明感の高さは、ボーカルを中心とした穏やかなバラードやインストゥルメンタル系のジャズによくハマる。熱量は少し控えめなので、パワフルなロックやポップス、ヒップホップなどの楽曲は少し穏やかな雰囲気にまとまる傾向にある。