【特別企画】人気モデルが「II」に、試聴レビューも
Unique Melody「MAVERICK II」「MAVIS II」登場。開発者が語る “さらなる進化” のポイント
Unique Melodyのユニバーサルイヤホン「MAVERICK」「MAVIS」が、それぞれ「II」へと進化を果たした。初号機から評価の高かった両機はどのような進化を遂げたのか? 本記事は、音質チューニングを担当したミックスウェーブの宮永賢一氏へのインタビューと、野村ケンジ氏による両モデルの音質レポートの2本立てでお送りする。
Unique Melody(ユニークメロディー)から、新たなユニバーサルイヤホンとして「MAVERICK II」「MAVIS II」が登場した。本機は2014年発売の「MAVERICK」、翌年2015年に発売した「MAVIS」の後継機にあたり、今回も国内の輸入代理業を担当するミックスウェーブとの共同開発となる。
MAVERICK IIはダイナミックドライバーとBAドライバーを搭載するハイブリッド型イヤホン。従来と同様、低域にダイナミック×1+BA×1、中域にBA×1、高域にBA×2という独自の5ドライバー構成を採用する。フェイスプレート上のベントを新たに2ポートとして音の空間表現を向上し、プラチナ塗装の合金製サウンドチューブを新たに採用したことも特徴だ。
MAVIS IIもハイブリッド型イヤホンで、引き続き低域にダイナミック×2、中域にBA×1、高域にBA×1という特徴的な4ドライバー構成を採用。本機にもベントを2ポートに増やし、プラチナ塗装の合金製サウンドチューブを採用する。
2機種とも2月20日に発売されたばかり。2月18日に開催したポタ研でも出展されたが、試聴ブースには多くのユーザーが列を作っていたころからも、その注目度の高さが伺えた。両モデルは従来モデルからどのような進化を遂げたのか? 音質チューニングを担当するミックスウェーブの宮永賢一氏にお話を伺った。
【1】ミックスウェーブ宮永氏が語る“さらなる進化のポイント”
一般ユーザーからはもちろん、業界筋でも高評価を得てきた「MAVERICK」と「MAVIS」。高評価を得ただけに、この2機種の「II」を出すためには工夫が必要だったはず。どのような進化を狙い、改善を行ったのだろうか。
宮永氏はMAVERICK IIについて、「音の抜け感、そしてS/Nを改善したかった」と語る。「従来のMAVERICKはインピーダンスが高く、パワーを入れないと音が出てこなかったのです。『II』では能率を向上させ、その音もすっきりとして、さらに見通しが良くなったと思います。さらにフラットになり、全体の位相感も綺麗で、音を一つ一つ見るには“II”の方が圧倒的に良いのではないでしょうか」。
MAVERICKを開発した当時は、まだハイブリッド型イヤホンの数は少なかった。宮永氏自身、当時の各社のハイブリッド型イヤホンの音に違和感を感じることが多かったという。「だからこそMAVERICKでは、ハイブリッドでありながらダイナミックとBAの音が自然につながり、音色にも違和感のないものを作ることを目指したのです」。
目指したのは、宮永氏が考える“理想のハイブリッド型イヤホン”だった。結果として、MAVERICKに対しては自身でも満足のいく音が得られ、ユーザーからも高い評価を得た。だからこそ、当然「II」の開発のハードルは高かった。
「初代機と“II”を聴き比べると、初代機のほうが空気感がモヤっとしているように聞こえてしまいますよね(笑)。当時としてはこれがベストだと思いましたが、“II”はそれだけ進化したということです。また初代機では、このもやっとした曖昧さの部分が、結果的に音のつながりやバランス感に寄与していたような気がします」。
MAVERICKが完成してから「II」に至るまでの2年間で、イヤホンの世界の進化も早かった。ハイブリッドイヤホンの数も飛躍的に増え、それを鳴らすプレーヤーの性能も向上した。そして同じミックスウェーブが取り扱う製品においても、ハイブリッドに限らず、JH Audioのような老舗はもちろん、Campfire Audioのような新鋭ブランドも現れ、ハイレベルなサウンドを備える新しいイヤホンが多数登場してきた。
こうした中で、MAVERICKのサウンドもさらに進化させる必要を感じたのだという。「自分の会社で扱っているほかのブランドの製品には負けたくないとは、いつも思っていますよね」。
Unique Melodyの開発はもちろん、様々なブランドと関わるなかで、宮永氏自身の経験値もこの2年間でさらに積み上げられた。MAVERICK IIには、このノウハウが注入されることになったのだ。
【1】ミックスウェーブ宮永氏が語る“さらなる進化のポイント” |
【2】野村ケンジ氏が音質を徹底レビュー |
Unique Melody(ユニークメロディー)から、新たなユニバーサルイヤホンとして「MAVERICK II」「MAVIS II」が登場した。本機は2014年発売の「MAVERICK」、翌年2015年に発売した「MAVIS」の後継機にあたり、今回も国内の輸入代理業を担当するミックスウェーブとの共同開発となる。
MAVERICK IIはダイナミックドライバーとBAドライバーを搭載するハイブリッド型イヤホン。従来と同様、低域にダイナミック×1+BA×1、中域にBA×1、高域にBA×2という独自の5ドライバー構成を採用する。フェイスプレート上のベントを新たに2ポートとして音の空間表現を向上し、プラチナ塗装の合金製サウンドチューブを新たに採用したことも特徴だ。
MAVIS IIもハイブリッド型イヤホンで、引き続き低域にダイナミック×2、中域にBA×1、高域にBA×1という特徴的な4ドライバー構成を採用。本機にもベントを2ポートに増やし、プラチナ塗装の合金製サウンドチューブを採用する。
2機種とも2月20日に発売されたばかり。2月18日に開催したポタ研でも出展されたが、試聴ブースには多くのユーザーが列を作っていたころからも、その注目度の高さが伺えた。両モデルは従来モデルからどのような進化を遂げたのか? 音質チューニングを担当するミックスウェーブの宮永賢一氏にお話を伺った。
【1】ミックスウェーブ宮永氏が語る“さらなる進化のポイント”
一般ユーザーからはもちろん、業界筋でも高評価を得てきた「MAVERICK」と「MAVIS」。高評価を得ただけに、この2機種の「II」を出すためには工夫が必要だったはず。どのような進化を狙い、改善を行ったのだろうか。
宮永氏はMAVERICK IIについて、「音の抜け感、そしてS/Nを改善したかった」と語る。「従来のMAVERICKはインピーダンスが高く、パワーを入れないと音が出てこなかったのです。『II』では能率を向上させ、その音もすっきりとして、さらに見通しが良くなったと思います。さらにフラットになり、全体の位相感も綺麗で、音を一つ一つ見るには“II”の方が圧倒的に良いのではないでしょうか」。
MAVERICKを開発した当時は、まだハイブリッド型イヤホンの数は少なかった。宮永氏自身、当時の各社のハイブリッド型イヤホンの音に違和感を感じることが多かったという。「だからこそMAVERICKでは、ハイブリッドでありながらダイナミックとBAの音が自然につながり、音色にも違和感のないものを作ることを目指したのです」。
目指したのは、宮永氏が考える“理想のハイブリッド型イヤホン”だった。結果として、MAVERICKに対しては自身でも満足のいく音が得られ、ユーザーからも高い評価を得た。だからこそ、当然「II」の開発のハードルは高かった。
「初代機と“II”を聴き比べると、初代機のほうが空気感がモヤっとしているように聞こえてしまいますよね(笑)。当時としてはこれがベストだと思いましたが、“II”はそれだけ進化したということです。また初代機では、このもやっとした曖昧さの部分が、結果的に音のつながりやバランス感に寄与していたような気がします」。
MAVERICKが完成してから「II」に至るまでの2年間で、イヤホンの世界の進化も早かった。ハイブリッドイヤホンの数も飛躍的に増え、それを鳴らすプレーヤーの性能も向上した。そして同じミックスウェーブが取り扱う製品においても、ハイブリッドに限らず、JH Audioのような老舗はもちろん、Campfire Audioのような新鋭ブランドも現れ、ハイレベルなサウンドを備える新しいイヤホンが多数登場してきた。
こうした中で、MAVERICKのサウンドもさらに進化させる必要を感じたのだという。「自分の会社で扱っているほかのブランドの製品には負けたくないとは、いつも思っていますよね」。
Unique Melodyの開発はもちろん、様々なブランドと関わるなかで、宮永氏自身の経験値もこの2年間でさらに積み上げられた。MAVERICK IIには、このノウハウが注入されることになったのだ。