【特別企画】音質と使い勝手を検証
コウォン新DAP「PLENUE 2」実力チェック! 「AK4497EQ」とデュアルホイールの真価とは
また「AK4497EQ」はPLENUEのコンセプトと合致するポイントも備えている。チップ側のデジタルフィルター切替機能が多様なのだ。
デジタルフィルターとは、デジタル信号をアナログ信号に変換する際の処理で使うプログラムのひとつ。全面的に理想的なフィルターというのは難しく、フィルターごとの特性が音の個性にもつながっている。それをAK4497EQは複数種類搭載しており、PLENUE 2はそれを任意に切り替えて使い分けられる。
そのデジタルフィルターは以下の6タイプ。カッコ内はメーカーによる音の説明だ。
・Short delay sharp(Acoustic Sound)
・Short delay slow(Acoustic Tone)
・Sharp(Traditional Sound)
・Slow(Traditional Tone)
・Low dispersion short delay(Harmonic Sound)
・Super slow(Natural Tone)
正直「AcousticとNatural、SoundとToneは何が違うのか」など、メーカーによる音の説明部分はわかりにくい。実際の音の変化については後ほど試聴して確かめていくとしよう。
何にせよ、「素直なサウンドを基本にチューニング機能でユーザーそれぞれが音を仕上げていく」という、PLENUEシリーズの面白さであり強みの部分に、「JetEffect&BBE+」に加えての武器が追加されたわけだ。
もちろんヘッドホンアンプ部の高性能化や超精密クロックなど、基礎体力の強化も万全。加えてシリーズで初めてバランス駆動にも対応した。端子は2.5mm/4極。
またDSD周りには「Native TX DSD」という仕組みを導入。DSD信号をPCM的に扱う処理を経ず、完全なネイティブ再生により近付ける狙いの仕組みのようだ。なおDSDは5.6MHzまでのネイティブ再生に対応する(編注:Native TX DSDおよびデジタルフィルターの詳細は本国スタッフによる解説コメントを本記事最後に記載する)。
■「デュアルコントロールホイール」で操作性も強化
操作性の面でのポイントは「デュアルコントロールホイール」。ボリュームノブの左側に並んでもうひとつのノブが用意され、いくつかの選択肢の中からユーザーが選んだ機能をそれに割り当てることができる。
選択肢は次の6つ。カッコ内は筆者による補足だ。
・DAC filter rolloff(デジタルフィルターの切替)
・JetEffect(JetEffectの切替)
・PREV/NEXT(前後の曲へのスキップ
・REW/FF|(巻き戻しと早送り)
・明度(画面の明るさ)
・ボリューム(x2)(音量を大雑把に素早く変更)
このなかでPLENUEらしさを存分に生かせるのはやはり、「DAC filter rolloff」「JetEffect」のふたつだろう。それらをダイレクトに素早く切り替えられるようにしておけば、「この曲にはこのエフェクト」みたく瞬発的な使い分けも現実的になるかもしれない。