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【特別企画】音質と使い勝手を検証

コウォン新DAP「PLENUE 2」実力チェック! 「AK4497EQ」とデュアルホイールの真価とは

公開日 2017/04/26 10:30 高橋 敦
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使い勝手重視だと、「REW/FF」(巻き戻しと早送り)も便利そうだ。タッチパネル操作のプレーヤーだと曲中の任意の場所へのジャンプ操作には手間取りがち。その弱点を解消できる。

ただ使い勝手の面では、同じ形のノブが近接して並んでいるので、もう片方に指が当たらないように片方だけを操作するのに少し気を遣う。片側の太さや高さを変えるなどしてあればさらに使いやすかったように思える。

背面のデザイン

■試聴レビュー。「安定のPLENUEサウンド」

音質はまず、3.5mmシングルエンド駆動でデジタルフィルターは「Short delay sharp|Acoustic Sound」にてチェックした。

驚くほどにPLENUEらしい、すっとした音色だ。PLENUEらしいとは色付けが少ないということなので、らしいもらしくないもないのだが、「DACチップをAKMに変えてもPLENUEらしさに変わりはなし」であることに、シリーズのサウンドデザインの一貫性を感じさせられる。

雑味や濁り、嫌な尖りといったものは徹底的に排除されている。声の滑らかさはもちろん、ギターの歪み、シンバルの炸裂音なども耳当たりがよい。中低域の厚みも自然に確保されており、ベースやドラムスがタイトすぎることも膨らみすぎることもない。

全体にソフトタッチ傾向ではあるが、雑味や濁りを排除していくと結果としてそうなるのだろう。オーディオとして正しいソフトさと思える。女性ボーカルに「シルキー」や「ウェット」といった感触を望む方には特におすすめだ。

またAK4497EQの力もあってか、そもそも良好だったSNR(S/N)もさらに磨き抜かれている。背景がすっと静かに落ち着いており、音の粒子や響きまでを感じやすい。それが空間性の奥行きにもつながっている印象だ。

DSD再生も好ましい意味でPCM再生と違和感がない。DSDかPCMかではなくその録音内容の違いだけを意識すればよい。そういう領域に達している。

デジタルフィルターでの音の変化は微調整の範囲。ざっくりとは、

・名称に「sharp」が入るフィルターはアタックの立ちがよい。
・名称に「slow」が入るフィルターは空間の立体感が映える。
・それにプラスして「Short delay」「Super」「Low dispersion」などによってもニュアンスが少し変わる。

といったイメージだ。

「JetEffect&BBE+」で使える場面が多そうなのはやはり「BBE+」のバリエーション。例えばシンバルやベースが特に明確に聴こえやすくなるので、屋外の騒音で細かな音や低音がちょっと聴こえにくいなというときにぴったり。

「BBE+」エフェクトも豊富な種類を用意。BBE+のほかにも多彩なエフェクト効果を設定できる

しかも単純なEQによるトレブル&ベースブーストと比べるとわざとらしさは少ない。ステージ照明を巧く操って陰影を映えさせるような、自然なくっきり感だ。PLENUEユーザーならば積極的に使わないともったいない。

それにしてもこのモデルを含め、このシリーズは音の傾向がブレたことがない。音調の正統派っぷりからもそのブレのなさからも「安定のPLENUE」と呼びたくなる、安心感のあるニューモデルだ。

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