<連載:折原一也の“いまシュン!”ビジュアルプロダクト>
【レビュー】“ドンキの格安4Kテレビ”の実力とは? 画質・使い勝手をAVライターがチェック
そして電源を入れると起動時には画面に「SIGMA DESIGNS」というロゴが登場。このSIGMA DESIGNSはテレビやSTB、IoTデバイスを製造しているアメリカの企業で、IoT無線規格「Z-Wave」のアライアンスの母体にもなっている会社だ。なんの関わりがあるのか問い合わせてみたが本機の製造には直接は関わっていないとのことだった。謎だ。
さて、“ドンキ4K”をセットアップしてまず気づくのが、各種UIの基本的なデザインが東芝のレグザシリーズにそっくりであること。
「番組表」を開くと、7チャンネル分を全画面表示し、さらにもう一回番組表ボタンを押すと「ミニ番組表」になる仕様。そしてUSB-HDDへの番組録画機能での繰り返し録画の名前は「連ドラ予約」。……そのまんまレグザだ。
ただ、歴代レグザに触れてきている身からすると、“ドンキ4K”の番組表はレグザに比べて若干レスポンスが重め。同じメインボードを使っていても、実際に動かしているソフトウェアチューンは別モノということだろうか。
こうした点については東芝サイドも『昨今、当社製テレビ受信システム「デジタルボード」を使用した液晶テレビが数社から商品化されていますが、当社はこれらの液晶テレビの製品としての開発、設計、デザイン、企画、製造及び販売等には関わっておりません。また当社は、製品としての当該液晶テレビについての性能や品質を保証するものではありません』というプレスリリースを出している。
付属リモコンは独自デザイン。十字キーの右上の位置に「戻る」があるのはちょっと珍しい。通常のチャンネルや音量の変更といった各種テレビ操作、そして録画番組の再生・スキップなどの操作まで含め、操作性としては一般的な大手メーカーと遜色ないレベルにまとめられている。
なお、映像配信やネット接続といったスマートTV機能は非搭載。有線LAN端子は搭載しているが、データ放送の連携専用だ。機能を絞ることで低価格化を実現したということだろう。スマートTV機能はGoogle ChromeCastやAmazon Fire TV、Apple TVなどをHDMI端子に挿して利用することになる。
■想像以上にまともな地デジ画質
それでは“ドンキ4K”の画質をチェックしていこう。
4Kテレビと言っても、普段よく視聴するソースは地デジ放送という方が多いだろう。そんなわけでまず本機で地デジを視聴してみたところ、失礼ながら想像以上にまともな画質だった。これまで筆者はいくつかの格安4Kテレビをチェックしている。正直にいって見るに堪えない画質のものもある中、本機は価格のわりに良い印象だ。地デジを単にデコードして表示しているだけでなく、映像処理もある程度働いていると推測できる。
ただ、そんなドンキ4Kで様々な番組を見ていると、気づいてしまった……。画面の縦方向上下1/10程度の位置に、うっすら暗くなる影があることを。CMのような単色の映像やアニメのようなベタ塗りの映像が最も分かりやすいが、よく観ると左右にも同じような映像の影がある。
これはバックライトの構造によるものだろう。このあたりにもコストダウンの秘密がありそうだ。
とはいえ、この症状も“映像として観られたものでない”というわけでもなく、“よく見ると影があるかな?”程度で、一般ユーザーは気付かない人もいるかもしれないレベルであったことも書き添えておきたい。
■映像モードはテレビ視聴にも「ゲーム/PC」がオススメ
次に、映像モード周りにも触れていこう。