<連載:折原一也の“いまシュン!”ビジュアルプロダクト>
【レビュー】“ドンキの格安4Kテレビ”の実力とは? 画質・使い勝手をAVライターがチェック
映像モードは「あざやか」「標準」「ゲーム/PC」「映画」の4種類。レグザにある「おまかせ」設定はないので、観るコンテンツにあわせて自分でモードを選ぶことになる。
この4種類のなかでは、テレビ視聴にも「ゲーム/PC」を選ぶのがよいだろう。どのモードも派手な画作り傾向にあり、「あざやか」は店頭デモを意識しているのかかなり派手で、「標準」は暗い上に派手だと感じた。「映画」もなぜか明るく派手過ぎるように感じたので、とりあえず簡単に映像モードを変えて楽しみたいなら「ゲーム/PC」を推奨したい。
AVファンとしてちょっとマニアックに画質を追い込むなら、「映画」をベースにして、バックライトを60に下げ、色の濃さを0に、コントラストを75に設定するのをオススメしたい。
なお、歴代レグザが搭載する超解像機能は、もちろん非搭載。そのため当然だが超解像関連の設定項目もカットされている。
■ブルーレイ作品やUHD BDの再生品質は?
ドンキ4Kは、外部4K再生機器の表示にも利用できる。Ultra HD Blu-ray(UHD BD)プレーヤー/レコーダーを接続して4K BDソフトを視聴したりできるというわけだ(ただしHDRには非対応。4K SDRでの再生になる)。
この時に利用するのはHDMI端子だが、注意して欲しいのが、本機のHDMI端子は基本的にバージョンが1.3で、4K入力に対応するHDMI端子は「HDMI3」のみであること。HDMI周りの仕様は、大手メーカーの2〜3年前のテレビ相当といったところか。
さて、BDやUHD BDでの画質をチェックするべく『ダークナイト』(BD版)を再生してみると、なんだか違和感が……。試行錯誤した後に気づいたのだが、レコーダーなど外部機器からの再生時は、内蔵チューナーでのテレビ視聴時で調整した設定が引き継がれない。また、各映像モードの初期設定値もテレビ視聴時と外部機器接続時では異なっているのだ。自分好みの画質に調整して観ていたと思ったら、まったく違う設定で観ていたというわけだ。
そこで、改めて映像モードを調整。ここでは「映画」をベースに、色の濃さをデフォルトの+40から+12まで下げるあたりがちょうどよいと感じた。
この設定で『ダークナイト』を改めて視聴。AVファンにはおなじみ、作品冒頭のシーンとジョーカーの取り調べシーンで画質をチェックしてみると、BDからのアップコン画質としてはなかなかのクオリティといったところ。ただし、チェックポイントの一つである暗部階調については、黒浮きが激しく、さすがに厳しかった。
UHD BDは『ボーン・レガシー』をチェック。4Kらしさはそれなりに味わえる。
もう一つ、内蔵スピーカーは下向き配置のいわゆる“インビジブル”スピーカーで、さすがにハイレベルとまではいかないが、格安テレビとしては及第点。同じ格安テレビにはもっと酷いレベルのものも存在するので、使えるレベルにあることを評価して良いだろう。
以上、“ドンキ4K”テレビの実機を試してみると、画面に見える影や操作時のレスポンス、画質設定のデフォルト値がイマイチなど、アラもあった。
だが50型の4K対応で、しかも地デジチューナー搭載かつUSB-HDD録画対応、それでいて54,800円という価格は、スペックを考えると破格の安さだ。そして画質も、さすがに大手テレビメーカーに比べると厳しいが、事前に予想していたよりはるかに良かった。UIも“レグザチック”で日本メーカー水準に仕上がっている。
こうして見ていくと、“ドンキ4K”はハイコスパであると認めざるを得ない。「情熱価格PLUS」恐るべしだ。