海上忍のラズパイ・オーディオ通信(34)
“海上プロデュース” ラズパイオーディオ用ケース、仕様を磨いた最終試作がポタフェスに登場!
■あのDACボードも装着できる
さて、ここまでの写真(前面と側面)を見てお気づきの点はないだろうか? そう、このDACボードはブライトーンの「Terra-Berry 2」。コンソーシアム規格に沿って端子部をレイアウトしたことにより、交換パネルを用意すればこのケースに装着できるのだ。肝心の交換パネルはポタフェスに間に合わなかったが、すでに端子部の採寸は完了しており、ケース発売の折にはオプションとして提供開始できる見込みだ。
Raspberry Pi用拡張ボードで実績豊富なTakazine氏のヒット作「SabreBerry32」向け交換パネルも準備中だ。このDACボードは出力用端子を自力でハンダ付けする仕様だが、あるRCA端子にターゲットを絞ることにより、ケースと統一されたデザイン・質感の交換パネルを提供できる運びとなった。詳細は後日お知らせするので、楽しみにお待ちいただきたい。
USBポートとEthernetポートを囲む部分は、機構が一変している。4月公開の試作品では、底面や側面と一体成形されていたが、Raspberry Piを定位置にセットする作業があまりに難しく(相当な力が必要だった)、着脱可能な構造に変更したのだ。ケースの剛性や"鳴き"防止の観点からすると好ましくないが、無理な力を入れずにRaspberry Piの着脱が可能になったため、作業性はかなり改善された。
■ノイズシールド用「仕切り板」完成形も
4月の試作品ではモックアップしか展示できなかったが、今回はいよいよ"仕切り板"の完成形を披露できる。この厚さ1.5ミリの金属プレートは、一種のノイズシールドとしての働きを狙ったもので、Raspberry Pi上のSoC(BCM 2837)やUSBチップ、そしてRaspberry Pi 3からくわわったWi-Fi/Bluetoothモジュールによる影響を抑える。Terra-Berry 2やSabreBerry32などの裏面に背の高いパーツを積むDACボードでは干渉してしまうが、ケースとともに開発したDACボードでは問題なく利用できるはずだ。
■底面には2つの孔を加えた
最後に、これまで明かしてこなかった「こだわりポイント」を紹介しておこう。それは、底面に用意された2つの孔。底面には計6つの孔があり、そのうち4つはRaspberry Piを固定するためのものだが、インシュレーターを取り付けるために2つの孔を加えたのだ。
Raspberry Piと拡張ボードをあわせたケースの重量は200g前後と軽く、曲がりにくいケーブルを使うと物理的に浮いてしまうが(筆者は「ケーブル負け現象」と呼んでいる)、重量級のインシュレータを取り付ければこの問題を解決できる。詳細はまた後日ということになるが、コンポーネントオーディオで活用したい向きには期待いただけるのではないだろうか。