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【特別企画】連続レポート第1回

サエクの最高峰オーディオケーブル「STRATOSPHERE」を聴く ー 圧巻の分解能、空間再現力

公開日 2017/07/27 09:30 小原由夫
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「SP-10」を加えると響きはよりピュアでリッチに。ローエンドの分解能は圧巻

スピーカーケーブル「SP-10」を接続し、さらに聴き込む。女性ヴォーカルではベースが一段と深く沈み、ピッチが太く、厚く聴こえる。ピアノの余韻は一層ゆったりとし、声はさらに前に迫り出す。余計な響きが濾過されたように感じられるのに、響きはよりピュアでリッチになったように感じられるのがSP-10の大きな魅力だ。特にこのスピーカーケーブルは、ハイレゾ的にいえば、周波数レンジよりもビット深度が上がったような点が特色だ。

SP-10は、TADのスピーカーシステム「Reference One」と組み合わせて試聴。合計4本のSP-10を用いてのバイワイヤリング接続も試した

ロックではベースがブリブリとパワフルに鳴り、実にゴキゲン。クラシックは収録されたホールの広さ、特に天井高が実感でき、ハーモニーが雄大に広がる。

私のシステムは、サエクコマースが輸入しているスウェーデンのSUPRA社のSWORD M6をバイワイヤリングで使用しているのだが、SP-10はシングル接続でも情報量の多さで勝る。特にローエンドの分解能は圧巻だ。

SP-10のバイワイヤリング接続では、かつて体験したことのないようなリアルなサウンドに

それがSP-10のバイワイヤリング接続となると、S/Nのさらなる向上と、より深々としたダイナミックレンジの拡大がもたらされる。こんなリアリスティックなサウンドは、かつて経験したことがない。

女性ヴォーカルは音像定位が微動だにしない。フォルムの厚みが明晰に実感できる。先ほどのベースの質感では、ピックが弦に当たる瞬間のニュアンスがより鮮明だ。

エネルギーバランスの重心がさらに安定することによるのか、クラシックでもスケール感がさらに磐石。がっちりとした体幹、骨格を感じさせるバランスなのだ。ロックではギターのサスティーンの抜けがよく、同じボリュウム値なのにリズムがグッと際立つようで、音圧感が高まったように感じる。



独自の理論を振りかざして高価にならざるを得ない根拠を並べ、それが最も正しい伝送理論だと主張する、説明にも無理があるような内外のメーカー製ケーブルが少なくない今日、ストラトスフィア・シリーズも確かに高価なケーブルではあるのだが、よっぽど信頼の持てる理屈、内容のケーブルであると私は思う。とにかく聴いてもらうしかない。私は太鼓判付きで推薦だ。

(小原由夫)


特別企画 協力:サエクコマース

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