技術の粋を凝縮
トランスローター「DARK STAR」を聴く。ブランドエントリーとなるアナログプレーヤーの実力は?
■平面性と内部損失の高いアクリルに注目
TRANSROTER(トランスローター)は、ヨハン・レイカ氏が、1972年に創業を開始したドイツの老舗アナログプレーヤー・メーカである。創業以前は、ミッチェル・エンジニアリングのジョン・ミッチェル氏とともに、平面性と内部損失の高いアクリルに注目し、研究を行った。
その後ミッチェル氏は、プラッターを浮かせるフローティング方式へと進み、レイカ氏は、プラッターを支えるベース部を強化したリジット型プレーヤーを開発し、このブランドを立ち上げた。このアクリルの特性を活かすために、アルミ材を脚部やプラッターに採用し、「アクリルとアルミの音響芸術」とまで言われるほどのモデルを創出している。
音を極めるためには軸受けが大切だと考え、摩擦抵抗が極小となるプラッター軸と軸受けの開発を進めた。結果として空間描写に優れた、高S/Nでダイナミックレンジの広い音質を獲得した。その優れた特性により、使用するカートリッジの音質や特性をフルに発揮することができ、レコードに内包する空間性や微細な音までも再現する。
そして近年では、空前のアナログブームが世界的にも広がり、開発のコンセプトを変えずに、少しでもトランスローターの音に触れて欲しいとコストパフォーマンスの高い、ブラックの「DARK STAR」を登場させた。このモデルはアクリルとアルミを使わずに特殊高分子素材を使い、微細振動を減衰させる内部損失を獲得。強固な平面性も実現した。
音質も同ブランドの上位モデルを踏襲している。世界的にも高い評価を受け、日本においても注目を浴びているところである。私も音質の良さ、使いやすさ、長く愛用できることを高く評価している。50万円クラスのプレーヤーを検討する方には候補になることだろう。
特殊高分子素材による独創的な振動対策
このモデルの大きな特徴は、アクリルと同様に高い平面性と内部損失を誇る特殊高分子素材(POM樹脂と同等)を、慣性力の高い60mm厚のプラッター、30mm厚のキャビネット・ベース、3点支持の脚部、モーター・ケース、ディスク・スタビライザーに使っていることである。読者もご存知のように、プレーヤーは不要振動の影響を受けないことが大切で、すべてにこの高分子素材を使ったわけである。まったく他の素材をコンビネーションしない、独創的な振動低減の考えである。一見、マットなブラック仕上げのように思えるが、実際に間近に見ると、仕上がりの良さ、重厚さ、気品の良さを感じさせ、格好良い。ぜひ一度、専門店で間近で見て欲しい。
重厚なベース部には高精度軸受けを配置し、プラッターを載せるコマ形状のスピンドル軸がセットされる。これが高いS/Nと高精度回転のコアとなる。プラッターも十分に重量があり慣性力が高い。一見、脚部のように見える駆動モーターは独立配置され、回転による微細振動を伝えない。ベルトを駆動する大き目のプーリーも精密に仕上げられており、滑らかな回転を実現するために、強力な外づけアナログ電源も付属している。これも、このブランドのこだわりである。
トーンアームは、SME「M2-9」ストレートアームを標準装備。アームベースについては、SMEタイプのみの対応となっており、長さは9インチのみをマウントすることが可能だ。マウントできるトーンアームをあえて絞ることで実に扱いやすくなっているほか、プレーヤーの水平調整は、前面の2つの脚部を回し、簡単に行えることなどにも好感を持つ。本機は同ブランドの技術の粋が、扱いやすいかたちで凝縮されているのだ。
TRANSROTER(トランスローター)は、ヨハン・レイカ氏が、1972年に創業を開始したドイツの老舗アナログプレーヤー・メーカである。創業以前は、ミッチェル・エンジニアリングのジョン・ミッチェル氏とともに、平面性と内部損失の高いアクリルに注目し、研究を行った。
その後ミッチェル氏は、プラッターを浮かせるフローティング方式へと進み、レイカ氏は、プラッターを支えるベース部を強化したリジット型プレーヤーを開発し、このブランドを立ち上げた。このアクリルの特性を活かすために、アルミ材を脚部やプラッターに採用し、「アクリルとアルミの音響芸術」とまで言われるほどのモデルを創出している。
音を極めるためには軸受けが大切だと考え、摩擦抵抗が極小となるプラッター軸と軸受けの開発を進めた。結果として空間描写に優れた、高S/Nでダイナミックレンジの広い音質を獲得した。その優れた特性により、使用するカートリッジの音質や特性をフルに発揮することができ、レコードに内包する空間性や微細な音までも再現する。
そして近年では、空前のアナログブームが世界的にも広がり、開発のコンセプトを変えずに、少しでもトランスローターの音に触れて欲しいとコストパフォーマンスの高い、ブラックの「DARK STAR」を登場させた。このモデルはアクリルとアルミを使わずに特殊高分子素材を使い、微細振動を減衰させる内部損失を獲得。強固な平面性も実現した。
音質も同ブランドの上位モデルを踏襲している。世界的にも高い評価を受け、日本においても注目を浴びているところである。私も音質の良さ、使いやすさ、長く愛用できることを高く評価している。50万円クラスのプレーヤーを検討する方には候補になることだろう。
特殊高分子素材による独創的な振動対策
このモデルの大きな特徴は、アクリルと同様に高い平面性と内部損失を誇る特殊高分子素材(POM樹脂と同等)を、慣性力の高い60mm厚のプラッター、30mm厚のキャビネット・ベース、3点支持の脚部、モーター・ケース、ディスク・スタビライザーに使っていることである。読者もご存知のように、プレーヤーは不要振動の影響を受けないことが大切で、すべてにこの高分子素材を使ったわけである。まったく他の素材をコンビネーションしない、独創的な振動低減の考えである。一見、マットなブラック仕上げのように思えるが、実際に間近に見ると、仕上がりの良さ、重厚さ、気品の良さを感じさせ、格好良い。ぜひ一度、専門店で間近で見て欲しい。
重厚なベース部には高精度軸受けを配置し、プラッターを載せるコマ形状のスピンドル軸がセットされる。これが高いS/Nと高精度回転のコアとなる。プラッターも十分に重量があり慣性力が高い。一見、脚部のように見える駆動モーターは独立配置され、回転による微細振動を伝えない。ベルトを駆動する大き目のプーリーも精密に仕上げられており、滑らかな回転を実現するために、強力な外づけアナログ電源も付属している。これも、このブランドのこだわりである。
トーンアームは、SME「M2-9」ストレートアームを標準装備。アームベースについては、SMEタイプのみの対応となっており、長さは9インチのみをマウントすることが可能だ。マウントできるトーンアームをあえて絞ることで実に扱いやすくなっているほか、プレーヤーの水平調整は、前面の2つの脚部を回し、簡単に行えることなどにも好感を持つ。本機は同ブランドの技術の粋が、扱いやすいかたちで凝縮されているのだ。
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関連リンク
- ジャンルADプレーヤー
- ブランドTRANSROTOR
- 型番DARK STAR M2
- 価格620000
●駆動方式:ヘ?ルトト?ライフ?●フ?ラッター:特殊高分子素材60mm厚●軸受け:真鍮●モーター:外部ユニット●コントロールユニット:33 1/3、45回転切り替え、微調整可能●シャーシ:30mm厚●サイス?:約460W×190H×340Dmm(高さはSME M2-9トーンアーム搭載時)●質量:24kg●アームヘ?ース:SME 9インチ用を標準装備●その他:アームレスモデルは¥400,000/税別●取り扱い:エイ・アント?・エム(株)