高いシールド性能で高解像度を実現する
JFSoundsがマグネシウムを独自技術で細線化、防振特性に優れたRCAケーブルを聴く
昨年、マグネシウムを導体に採用したスピーカーケーブル、MS227Cをリリースし、話題をさらったJFSounds。性能は高いが加工が難しいマグネシウムを、国産の高い技術力でオーディオケーブルとしてのクオリティにまで高めたMS227Cのサウンドは、オーディオ業界に新しい風を吹き込んだ。同社より、次なるアイデアとしてRCAケーブル2種類が登場した。MS227Cを自宅リファレンスとして採用している炭山アキラ氏に、最新ケーブルSTB27C、STB27C Plusのサウンドを解説いただいた。
■マグネシウムは泣きにくく防振特性にも優れている
JFSoundsは、昨年に“突如”という趣で登場したケーブルブランドだが、社名をジャパンファインスチールといって、高品位、高強度ピアノ線を安定して供給するメーカーである。何でも、半導体や太陽電池に使用されるシリコンの塊を、板状に切り出すために使用されるワイヤの多くを供給していると聞いた。そんな同社が鉄の次に商品化を目指す素材として取り組んだのが、マグネシウムだった。
オーディオマニアなら先刻ご承知の通り、マグネシウムという金属は軽くて鳴きにくく、防振特性に極めて優れた素材だが、その分だけ脆くて、高度な技術を保有する同社でも、細線に引くのが困難を極めるものだった。φ1.0mmの線が引けた時は、研究スタッフの間で快哉の声が挙がったというから、その困難さが知れる。
それをさらにφ0.7mmまで細線化し、同口径のPC-Triple C銅線6本の中心に配して撚り合わせた導体構成を持つ同社第1号製品のスピーカーケーブルMS227C。我が家へ送られてきたサンプルをレファレンスへ接続した時の衝撃は忘れない。音楽を積極的かつ明るく色鮮やかに表現するPC-Triple Cの美点をそのままに、音像がガシッと締まり、立ち上がり/立ち下がりが良く輪郭鮮明で音場を広大に表現するという、同クラスではちょっと信じられないような“音楽の力”を聴かせてくれたのだ。もう即座にレファレンスの一角を務めてもらうことに決定、いまに至るまで相当の時間を我がレファレンスと共に過ごしている。
■品の良さを維持しつつも進化の可能性を秘めている
その導体構成をほぼそのまま引き継いで製作されたのが、新製品のRCAインターコネクトケーブル2モデルである。最大の特徴はマグネシウム合金の編組線をシールドに用いていることだ。素線の外径はφ0.12mmというから、いくら純マグネシウムよりしなやかな合金とはいえ、細線化の苦労は推して余りある。なお、導体内に用いられているのはφ0.7mmの純マグネシウム線である。
STB27Cは両端プラグがオリジナルで、かなりガッシリとしたものが採用されている。ハンダの材質やハンダづけの質による音質の違いも考慮されているそうだ。上級の同Plusはマグネシウム編組の内側へもう1層銅箔のシールドが追加され、両端プラグはフルテックのネジ止めコレットチャック型が採用された。ケーブル中間部のスタビライザーには、コイル状に巻かれたやや太めのマグネシウム線が内蔵され、防振性を一段と向上させている。
音質は、STB27Cが明るく高解像度で積極的に音楽を表現するタイプ、同Plusはやや奥ゆかしく、奥行き方向へ音楽を表現するタイプと当初は聴いたのだが、「これはまだ先がある!」と直感してそのまま使い続け、数日もしたら品の良さをキープしながらワイドレンジでバランス良く、生きいきと音楽を奏でるように成長してくれた。このケーブル達、まだまだ成長の余地がありそうである。
「STB27C」「STB27C Plus」Specifications
【共通】●構造:導体2芯編組シールド構造●ケーブル外形:φ9.1o●導体断面積:Cu2.3sq、全体2.7sq●導体構造:芯→純マグネシウム(φ0.7o×1)、側→銅線(PC-Triple Cφ0.7o×6)
【STB27C】●シールド:φ0.12oマグネシウム合金ワイヤ編組●端子:オリジナルRCA端子、真鍮にロジウムメッキ及び金メッキ
【STB27C Plus】●シールド:φ0.12oマグネシウム合金ワイヤ編組+銅箔●端子:FURUTECH FP-108(R) センターピン/α導体、本体・カバー/銅合金●取り扱い:ジャパンファインスチール(株)
■マグネシウムは泣きにくく防振特性にも優れている
JFSoundsは、昨年に“突如”という趣で登場したケーブルブランドだが、社名をジャパンファインスチールといって、高品位、高強度ピアノ線を安定して供給するメーカーである。何でも、半導体や太陽電池に使用されるシリコンの塊を、板状に切り出すために使用されるワイヤの多くを供給していると聞いた。そんな同社が鉄の次に商品化を目指す素材として取り組んだのが、マグネシウムだった。
オーディオマニアなら先刻ご承知の通り、マグネシウムという金属は軽くて鳴きにくく、防振特性に極めて優れた素材だが、その分だけ脆くて、高度な技術を保有する同社でも、細線に引くのが困難を極めるものだった。φ1.0mmの線が引けた時は、研究スタッフの間で快哉の声が挙がったというから、その困難さが知れる。
それをさらにφ0.7mmまで細線化し、同口径のPC-Triple C銅線6本の中心に配して撚り合わせた導体構成を持つ同社第1号製品のスピーカーケーブルMS227C。我が家へ送られてきたサンプルをレファレンスへ接続した時の衝撃は忘れない。音楽を積極的かつ明るく色鮮やかに表現するPC-Triple Cの美点をそのままに、音像がガシッと締まり、立ち上がり/立ち下がりが良く輪郭鮮明で音場を広大に表現するという、同クラスではちょっと信じられないような“音楽の力”を聴かせてくれたのだ。もう即座にレファレンスの一角を務めてもらうことに決定、いまに至るまで相当の時間を我がレファレンスと共に過ごしている。
■品の良さを維持しつつも進化の可能性を秘めている
その導体構成をほぼそのまま引き継いで製作されたのが、新製品のRCAインターコネクトケーブル2モデルである。最大の特徴はマグネシウム合金の編組線をシールドに用いていることだ。素線の外径はφ0.12mmというから、いくら純マグネシウムよりしなやかな合金とはいえ、細線化の苦労は推して余りある。なお、導体内に用いられているのはφ0.7mmの純マグネシウム線である。
STB27Cは両端プラグがオリジナルで、かなりガッシリとしたものが採用されている。ハンダの材質やハンダづけの質による音質の違いも考慮されているそうだ。上級の同Plusはマグネシウム編組の内側へもう1層銅箔のシールドが追加され、両端プラグはフルテックのネジ止めコレットチャック型が採用された。ケーブル中間部のスタビライザーには、コイル状に巻かれたやや太めのマグネシウム線が内蔵され、防振性を一段と向上させている。
音質は、STB27Cが明るく高解像度で積極的に音楽を表現するタイプ、同Plusはやや奥ゆかしく、奥行き方向へ音楽を表現するタイプと当初は聴いたのだが、「これはまだ先がある!」と直感してそのまま使い続け、数日もしたら品の良さをキープしながらワイドレンジでバランス良く、生きいきと音楽を奏でるように成長してくれた。このケーブル達、まだまだ成長の余地がありそうである。
「STB27C」「STB27C Plus」Specifications
【共通】●構造:導体2芯編組シールド構造●ケーブル外形:φ9.1o●導体断面積:Cu2.3sq、全体2.7sq●導体構造:芯→純マグネシウム(φ0.7o×1)、側→銅線(PC-Triple Cφ0.7o×6)
【STB27C】●シールド:φ0.12oマグネシウム合金ワイヤ編組●端子:オリジナルRCA端子、真鍮にロジウムメッキ及び金メッキ
【STB27C Plus】●シールド:φ0.12oマグネシウム合金ワイヤ編組+銅箔●端子:FURUTECH FP-108(R) センターピン/α導体、本体・カバー/銅合金●取り扱い:ジャパンファインスチール(株)