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【特別企画】PCUHD導体の性能を引き出す設計

Zonotoneの新たな最高峰シリーズ「Shupreme X」で聴くアナログレコードの魅力

公開日 2017/12/20 09:30 小林 貢
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PCUHD導体の魅力を最大限に活かした
最新設計の最高峰スピーカーケーブル


Zonotone(ゾノトーン)は2007年設立で、新進ブランドの印象がある。しかし創業者の前園俊彦氏は超高純度銅線を使用したケーブルの開発を手掛けるなど、ケーブル開発に30年近いキャリアを積む。そのノウハウで優れた音のケーブルを開発し、短期で高い評価と人気を獲得した。

2010年に登場した最高峰スピーカーケーブル「7NSP-Shupreme1」が、素材のひとつのPCOCCが終了したため2017年3月に生産完了となり、その後継として高純度無酸素銅PCUHDに変更して新開発されたのが「7NSP-Shupreme X」である。

「7NSP-Shupreme X」

Zonotoneの特徴はDMHC(ディスクリート・マルチハイブリッド・ヘリカル/パラレル・コンストラクション)で、本品もそれを正統に継承する。厳選した5種類の異種・異径線材、超高純度7NクラスCu、高純度銅特殊合金、高純度無酸素銅PCUHD、純銀コートOFC、高純度無酸素銅を独自の黄金比でハイブリッドし、導体を創り上げている。

スピーカー側のバナナプラグ部(写真奥)は先端交換式とし、オリジナル端子部(別売)をねじ込むだけで交換可能(アンプ側のオリジナルYラグ部は固定式、写真手前)。別売オプションの端子部は、ロジウムまたは24K純金メッキの、バナナ、Yラグ、ヴィンテージプラグを用意

それも多種の線材、線径を組み合わせて絶縁し、ひとつの芯線とするのではなく、ポリエチレン中空パイプのコア周囲に+−各4芯となる導体を配置する実に入念なエアー制振構造を採るのも特徴的である。

「7NSP-Shupreme X」のケーブル構造イメージ

自然で強調感やクセがなく
力強く躍動的な演奏を堪能


本品を聴くために久々にラックから取り出したのは、1974年のライヴ盤『ホエン・ア・マン……』。タイトル曲は1966年にヒットしたR&Bの名曲。アルトサックスがソウルフルに歌い上げるメロディが物悲しさを漂わせ、原曲が頭に浮かぶ。そして歌心のあるメロディ部は艶やかなトーンで、アドリブの強奏部では力強く張りのあるトーンが聴ける。

シンバルやスネアドラムのショットはアタック音の芯がしっかりとして、要所でみせるフィルイン(即興的フレーズ)では、スティック捌きが見えるようだ。ホールのライヴ録音だけにキックドラムはタイトに捉えているが、アタックは強弱で正確に反応し、スムーズに立ち上がり、適度な音圧感が得られる。

ピアノは強調感やクセのないナチュラルな響きが得られ、バックで弾く微弱なコードは繊細さがあり、ソロ部は適度な抑揚感があってニュアンスも正確に描き出された。ピックアップを使いアンプリファーしたウッドベースはまさに当時のトレンドの音で再現され、ピチカート音は線が太く4ビートの曲ではドライブ感のあるベースラインが聴ける。またアップテンポの曲ではライヴならではの躍動感に溢れ、熱気を孕んだダイナミックな演奏が眼前で展開され、当夜のホールにタイムスリップしたような感覚が味わえた。

●試聴アナログ盤
『ホエン・ア・マン・ラブズ・ウーマン(男が女を愛する時)/水橋孝クァルテット』スリーブラインドマイスTBM-28
『ミスティ/山本剛トリオ』スリーブラインドマイスTBM-30
『ガーシュウィン/“I GOT RHYTHM“Variations/ボストン・ポップス』RCAビクターLSC-2586




Zonotone「7NSP-Shupreme X」
¥300,000(税別)2.0mペア、Y/B端子つき
¥43,000/m(税別)切り売り
【SPEC】
●導体構成:超高純度7NクラスCu、高純度銅特殊合金、高純度無酸素銅PCUHD、純銀コートOFC、高純度無酸素銅 ●構造:全16芯の独立導体を+−各4芯ずつ分配、DMHC-Quadri方式、ポリエチレン中空パイプをコアとして周囲に配置するエアー制振構造 ●導体サイズ:シングル接続時→9.5スケア×2。バイワイヤリング接続時→高域側3.84スケア×2、低域側5.66スケア×2 ●絶縁体:高純度PE ●シールド:4芯各々にアルミラップシールド装備 ●介在:中空PEパイプ×5によるエアー絶縁 ●外径:26mmφ ※標準完成品はシングル仕様(アンプ側Yラグ、スピーカー側バナナプラグ)*バイワイヤリング仕様は特注対応 *標準完成品(2.0m)以外の長さは1.0mより0.5m間隔にて特注対応

【協力/問い合わせ先】
(株)前園サウンドラボ http://www.zonotone.co.jp

※当記事は「季刊analog 58号」から転載しています

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